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「うなずく」「うなづく」どっち?現代仮名遣いの本則と許容をやさしく解説

「うなずく」「うなづく」どっち?現代仮名遣いの本則と許容をやさしく解説

「うなずく」と「うなづく」、どっちが正しい?

日常でしょっちゅう使う言葉なのに、いざ書くとなると迷いやすいですよね。

結論はシンプルで、公式ルールでは「うなずく」が基本(本則)。
ただし、「うなづく」も許容表記として認められています。

本記事では文化庁の根拠、新聞社の運用、辞書の扱いまで確認しながら、実務で迷わない選び方をやさしく解説します。

目次

「うなずく」と「うなづく」どちらが正しい?

現代仮名遣いの規定とは

まず公式ルールから。
文化庁の「現代仮名遣い・本文 第2(表記の慣習による特例)」には、「現代語の意識では二語に分解しにくい語は『じ/ず』を本則として書く」とあり、例として「うなずく」が明示されています。

つまり標準形=「うなずく」。
一方で「『ぢ/づ』で書くこともできる語がある」として、許容としての「うなづく」も認められています。

内閣告示(昭和61年)の影響

現代仮名遣いは1986(昭和61)年の内閣告示で整備され、2010(平成22)年に一部改正。

大枠では「ぢ・づ」は連濁や語構成上の理由がある場合に限るという方針で、上記の「特例」リストに「うなずく」が入ったことで、実務上は「うなずく」が第一選択、許容として「うなづく」も可──という運用になっています。

辞書や校閲センターの判断

新聞社の校閲も同様で、毎日新聞の校閲チームは「現代仮名遣いでは『うなずく』が基本」と明言。
朝日新聞も社内ルールで「うなずく」を採用しています。

辞書面では、コトバンク(日本国語大辞典)は見出しを「うなずく」としつつ「…‥づく」と併記(許容)しており、実務でも「うなずく」が主流です。

語源をたどると「項(うな)突く」だった?

語源の解説

語源的には「項(うな)+ 突く」から来たとされ、首(あご)を前へ動かす動作を表す語でした。

これが一語として定着し、現代の語感では二語に分解しづらい=「ず」書きが本則に。
新聞校閲の解説でも、この流れを踏まえて「うなずく=本則」と説明されています。

「うな」と「つく」の意味

「頷」の字は「あご・おとがい」を表す成分を持ち、首(顎)を上下に動かす所作=承諾の合図というつながりが語形・表記に反映されています。

語源辞典系の解説でも、あごの動き由来の説明が繰り返し示されます。

歴史的な表記と現代表記のギャップ

歴史的かなづかいでは語構成を反映して「づ」が優勢だった時期もありますが、現代は「一語化」した語感を優先し「ず」が本則。

もっとも、語史や文体上の意図から「うなづく」を選ぶ書き手もおり、現行ルールでも“許容”として残っています。

意味やニュアンスに差はあるの?

日常会話 vs 古風・文芸的文体

意味差はありません。

日常文書やビジネス文では「うなずく」。
古風な味わいを出したい文学的文体では「うなづく」を選ぶこともありますが、読み手に「旧かな?」と感じさせる可能性があるため、目的がない限りは本則が無難です。

「軽い頷き」と「強い同意」の差は?

表記(ず/づ)による意味や強さの差は辞書・公的ルール上は設定されていません。

頷きの強弱やニュアンスは文脈で表現します。
(例:「深くうなずく」「小さくうなずく」)

“許容”をどう考える?

「許容」は“間違いではないが、まず推奨はしない”の意味。

公式リストに「うなずく」が掲げられ、「うなづく」も可、という並び方からも“原則はず書き”が読み取れます。

メディアや辞書での実例は?

新聞社の方針(実務)

毎日新聞の校閲チームは「うなずく」を基本表記に統一。
朝日新聞も社内ルールで「うなずく」。

自治体の公用文ガイドでも「うなずく」を採用し「うなづく(×)」とする例が確認できます。

国語辞典の扱い(オンライン可視)

コトバンク(日本国語大辞典)は「うなずく‥づく」と併記し、用例史も古くから確認できます。

Web学習辞典でも両かなを併記するケースがありますが、見出しは「うなずく」が第一の並びです。

早見表(実務でどっちを選ぶ?)

用途推奨形根拠・メモ
ビジネス文書・広報・報道うなずく本則。新聞社・公用文で統一例多数。
学校レポート・論文うなずく現代仮名遣いの原則に従う。
文芸作品・歴史物風表現(目的があれば)うなづくも可許容表記。意図がなければ本則推奨。

使うならどっちが安全?実務の指針

ビジネス・公用文は「うなずく」一本

誤表記と誤解されにくく、社外のスタイルとも親和的。

自治体の公用文ガイドでも「うなずく」が標準化されています。

学校・試験・就活でも「うなずく」

学校教育も現代仮名遣いの本則を基本に教える方針。

レポートやES、論述では迷わず「うなずく」。

クリエイティブで「うなづく」を選ぶなら

時代感・リズム・作中人物の言語感覚を狙うなど、表現意図が明確なときに限って使うのがコツ。

辞書的には許容でも、校正方針によっては直される可能性があります。

どっちが正しい?まとめ

  • 公式ルール(現代仮名遣い)では「うなずく」が本則。
  • 「うなづく」も“許容”として存在するが、基本は「うなずく」を選ぶ。
  • 新聞社・公用文スタイルも「うなずく」で統一が主流。
  • 語源は「項(うな)突く」だが、現代は一語化した語感を優先して「ず」書きが標準。

参考サイト
文化庁

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