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「承認」「承諾」「了承」の違いがすぐわかる!ビジネスで迷わない使い分けと例文ガイド

「承認」「承諾」「了承」の違いがすぐわかる!ビジネスで迷わない使い分けと例文ガイド

ビジネスメールを書いていると、「承認」「承諾」「了承」のどれを使えばいいのか迷うことがあります。

どれも「受け入れる」ような意味があるため、なんとなく使ってしまいやすい言葉です。

しかし、実はそれぞれの役割は違います。

申請を認めてもらう場面では「承認」。

依頼や条件を受け入れてもらう場面では「承諾」。

事情を理解してもらう場面では「了承」。

この違いを知らないまま使うと、相手に少しかたい印象を与えたり、場合によっては上から目線に聞こえたりすることがあります。

この記事では、3つの言葉の意味をわかりやすく整理しながら、ビジネスでそのまま使える例文や言い換えも紹介します。

メールを書くたびに迷わないように、実際の場面に合わせて確認していきましょう。

目次

「承認・承諾・了承」の違いをまず結論で整理

承認は「正しい・問題ない」と認めること

「承認」は、ある内容を正しいもの、問題ないもの、正式に認めてよいものとして受け入れるときに使う言葉です。

国語辞典では、「そのことが正当または事実であると認めること」「よしとして、認め許すこと」と説明されています。

ビジネスでは、申請書、稟議書、企画案、予算案、休暇申請などに対して使われることが多いです。

たとえば、部下が出した企画案を上司が確認し、「この内容で進めてよい」と判断する場合は「承認する」が自然です。

ポイントは、ただ「わかりました」と受け止めるだけではなく、内容を確認したうえで「認める」という意味があることです。

そのため、「承認」には少し公的で、責任を持って判断するような響きがあります。

社内のワークフローで「承認待ち」「承認済み」と表示されるのも、誰かが内容を確認し、正式に認める流れがあるからです。

日常会話では少しかたい言葉ですが、会社や組織の中ではとてもよく使われます。

迷ったときは、「誰かが内容を確認して、正式にオーケーを出す場面か」と考えると判断しやすくなります。

承諾は「依頼や条件を受け入れる」こと

「承諾」は、相手からの依頼、希望、要求、条件などを聞いて、受け入れるときに使う言葉です。

国語辞典では、「相手の意見・希望・要求などを聞いて、受け入れること」と説明されています。

たとえば、「取材の依頼を承諾する」「契約条件を承諾する」「日程変更を承諾する」のように使います。

「承認」と似ていますが、「承諾」は相手からの申し出に対して、こちらが受け入れるイメージが強い言葉です。

法律の分野でも「承諾」は重要な言葉です。

民法では、契約は内容を示した申込みに対して、相手方が承諾をしたときに成立するという考え方が示されています。

つまり、「承諾」には単なる理解ではなく、「受け入れる」「応じる」という意味があります。

ビジネスメールで「ご承諾いただきありがとうございます」と書くと、相手がこちらの依頼や条件を受け入れてくれたことへのお礼になります。

軽い返事というより、少し責任を伴う場面で使われやすい言葉です。

了承は「事情を理解して納得する」こと

「了承」は、相手の事情や説明を理解し、納得して受け入れるときに使う言葉です。

国語辞典では、「事情をくんで納得すること。承知すること。承諾」と説明されています。

たとえば、「会議時間が変更になります。ご了承ください」のように、相手に事情を理解して受け入れてもらいたいときに使います。

「承諾」とかなり近い意味で使われることもありますが、「了承」には事情をくむ、納得するというニュアンスがあります。

つまり、「こちらの都合や状況をわかったうえで受け入れてください」という場面に合いやすい言葉です。

ビジネスでは、案内文、注意書き、日程変更、仕様変更、納期調整、お詫び文などでよく使われます。

ただし、「了承しました」は、相手によっては少し上から認めたように聞こえる場合があります。

上司や取引先に返事をするときは、「承知しました」「かしこまりました」のほうがやわらかく、失礼に受け取られにくい表現です。

「了承」は、自分が相手に理解を求める場面では便利ですが、自分が目上の人へ返事をする場面では少し注意が必要です。

3つの違いを表でスッキリ比較

3つの言葉はどれも「受け入れる」意味を持っています。

ただし、何を受け入れるのか、どの立場で使うのかが違います。

スクロールできます
言葉中心の意味合いやすい場面例文
承認正しい、問題ないと認める申請、稟議、決裁、企画案企画書が承認されました。
承諾依頼や条件を受け入れる依頼、契約、条件変更、申し出ご依頼を承諾いたします。
了承事情を理解して納得する案内、注意事項、変更連絡、お詫びご了承くださいますようお願いいたします。

「承認」は、判断する人が内容を確認して認める言葉です。

「承諾」は、相手からの申し出を受け入れる言葉です。

「了承」は、事情を理解して納得する言葉です。

この違いを押さえるだけで、メールや会話でかなり迷いにくくなります。

一番大事なのは、「誰が、何を、どの立場で受け入れるのか」を見ることです。

上司が申請を認めるなら「承認」。

取引先が依頼を受けてくれるなら「承諾」。

相手に事情を理解してもらうなら「了承」。

このように考えると、かなり自然に選べます。

「承認」の意味とビジネスでの使い方

承認が使われるのは申請・稟議・決裁の場面

「承認」は、会社の中で正式な判断が必要な場面によく使われます。

たとえば、稟議書を上司に出す、予算案を確認してもらう、経費精算を通す、休暇申請を認めてもらうといった場面です。

これらに共通しているのは、誰かが内容を確認し、「問題ない」と判断する流れがあることです。

そのため、「承認」は単なる返事ではありません。

内容に目を通し、責任のある立場の人が認めるという意味を持ちます。

たとえば、「上司に出張申請を承認してもらった」と言えば、上司が出張の必要性や日程などを確認し、正式に認めたことになります。

「資料を見ました」というだけなら「確認しました」で十分です。

しかし、「その内容で進めてよい」と判断したなら「承認しました」が自然です。

社内システムで「未承認」「承認済み」と表示される場合も、判断権限を持つ人が正式に認めたかどうかを示しています。

「承認」は、ビジネスの中で物事を前に進めるための合図のような言葉です。

だからこそ、使う場面を間違えると少し大げさに聞こえることがあります。

ちょっとした確認メールに「承認しました」と返すと、相手によってはかたい印象を受けるかもしれません。

正式な判断がある場面で使うと、意味がきれいに伝わります。

「承認する」と「許可する」の違い

「承認する」と「許可する」は似ていますが、完全に同じではありません。

「承認」は、内容が正当である、または問題ないと認めることです。

一方で「許可」は、願いを聞き届け、ある行為や行動を許すことです。

つまり、「承認」は内容そのものを認める意味が強く、「許可」は行動してよいと許す意味が強い言葉です。

たとえば、「企画案を承認する」は、企画の内容を見て、問題ないと認めることです。

「会議室の使用を許可する」は、会議室を使ってよいと認めることです。

もちろん、実際のビジネスでは重なる部分もあります。

「出張を承認する」と言えば、出張の必要性を認める意味も、出張してよいと許す意味も含まれます。

ただ、言葉の中心は少し違います。

「承認」は書類や案などの内容に向いています。

「許可」は行動や使用に向いています。

メールで迷ったときは、「内容を認める話なのか」「行動を許す話なのか」を考えると選びやすくなります。

たとえば、「予算案」は承認、「入室」は許可、「企画書」は承認、「外出」は許可が自然です。

この違いを覚えておくと、文章がぐっと正確になります。

「ご承認ください」は目上に使える?

「ご承認ください」は意味としては通じます。

ただし、上司や取引先に使う場合は、少し命令に近く聞こえることがあります。

「ください」は丁寧な表現ではありますが、相手に行動を求める形です。

そのため、ビジネスメールでは「ご承認いただけますでしょうか」「ご承認のほど、よろしくお願いいたします」のようにすると、やわらかくなります。

文化庁の敬語資料では、「いただく」は謙譲語の働きに加えて、恩恵を受ける意味も表すと説明されています。

そのため、「ご承認いただく」は、相手に承認してもらうことをありがたいものとして表す言い方になります。

たとえば、上司に稟議を確認してもらうなら、「添付の稟議書について、ご承認いただけますでしょうか」が自然です。

取引先に確認をお願いするなら、「内容をご確認のうえ、ご承認のほどよろしくお願いいたします」と書けます。

一方で、社内の近い相手に短く伝えるなら、「ご承認をお願いします」でも問題ない場面はあります。

ただし、相手が目上であれば、少し丁寧にするほうが安全です。

「承認」は、相手に判断をお願いする言葉です。

だからこそ、こちらが急がせているように見えない表現にすると印象がよくなります。

特にメールでは声のトーンが伝わらないため、少し丁寧すぎるくらいがちょうどよいこともあります。

承認を使った自然なメール例文

「承認」は、申請や確認をお願いするとき、または承認されたことを知らせるときに使えます。

まず、上司にお願いする場合です。

「添付の企画書について、ご確認のうえ、ご承認いただけますでしょうか。」

これは、相手に内容を見てもらい、問題なければ認めてもらいたいときの自然な表現です。

次に、稟議を通したい場合です。

「新サービスの広告予算について、稟議書を作成いたしました。ご承認のほど、よろしくお願いいたします。」

この文では、ただ読んでほしいのではなく、正式に認めてほしいことが伝わります。

承認されたことを報告する場合は、次のように書けます。

「本件について、部長より承認を得ましたので、予定どおり進行いたします。」

この文では、責任者から正式な判断を得たことがわかります。

システム通知のように短く書くなら、「申請内容が承認されました」でも十分です。

ただし、相手に返事をするときに「承認しました」とだけ書くと、少し冷たく見える場合があります。

必要に応じて、「内容を確認し、問題ないことを確認しました。こちらで承認いたします」とすると丁寧です。

承認はビジネスで便利な言葉ですが、少しかたい印象もあります。

相手との距離感に合わせて、「確認しました」「問題ありません」「進めてください」などと使い分けると、より自然な文章になります。

「承諾」の意味とビジネスでの使い方

承諾は相手の依頼や条件を受け入れる言葉

「承諾」は、相手の依頼や条件を受け入れるときに使います。

国語辞典では、相手の意見、希望、要求などを聞いて受け入れることと説明されています。

たとえば、「講演依頼を承諾する」「契約条件を承諾する」「変更案を承諾する」のように使います。

ここで大切なのは、「承諾」には相手からの申し出があることです。

何も頼まれていないのに、自分から何かを認める場合は「承認」のほうが合うことがあります。

たとえば、上司が部下の申請を認めるなら「承認」が自然です。

一方で、取引先から「この条件で進めていただけますか」と言われ、それを受け入れるなら「承諾」が自然です。

「承諾」は、受け入れる側の意思がはっきり出る言葉です。

そのため、気軽な雑談よりも、仕事の依頼、契約、条件の調整などでよく使われます。

「わかりました」よりも、受け入れる意思が明確になります。

「了解しました」よりも、依頼に応じる意味が強くなります。

「承知しました」よりも、相手の希望や要求を受け入れた印象が強くなります。

相手の申し出を正式に受ける場面では、「承諾」を使うと文章が引き締まります。

契約・依頼・条件変更で使われやすい理由

「承諾」が契約や依頼の場面で使われやすいのは、受け入れる意思をはっきり示せる言葉だからです。

契約は、片方が内容を申し入れ、もう片方が受け入れることで成立するという考え方があります。

民法でも、契約の成立について、申込みに対して相手方が承諾をしたときに成立するという内容が示されています。

このように、「承諾」は単なる返事ではなく、相手の提案を受け入れる意思表示として重要な意味を持ちます。

もちろん、日常のビジネスメールで毎回法律の話になるわけではありません。

ただ、「承諾します」と書くと、相手の依頼や条件を受け入れる意思がかなり明確になります。

たとえば、「納期を一週間延ばしてほしい」という依頼に対して、「承諾いたします」と返せば、その変更を受け入れる意味になります。

「検討します」とは違い、受け入れる段階まで進んでいる表現です。

そのため、まだ社内確認が終わっていない段階で「承諾します」と書くのは危険です。

あとから条件を変えたくなったときに、相手との認識がずれる可能性があります。

迷う場合は、「社内確認のうえ、改めてご連絡いたします」と書くほうが安全です。

「承諾」は便利ですが、使うときは少し慎重さも必要です。

「ご承諾いただきありがとうございます」の使い方

「ご承諾いただきありがとうございます」は、相手がこちらの依頼や条件を受け入れてくれたときのお礼として使います。

たとえば、取引先に納期調整をお願いし、相手が受け入れてくれた場合に使えます。

「このたびは納期変更についてご承諾いただき、誠にありがとうございます。」

この文なら、相手がこちらの事情を受け入れてくれたことへの感謝が伝わります。

また、会議日程の変更をお願いした場合にも使えます。

「急な日程変更にもかかわらず、ご承諾いただきありがとうございます。」

この文では、相手に負担をかけたことを意識しながら感謝を伝えています。

「ご承諾」は、相手の行為に敬意を添える表現です。

そのため、社外の相手や上司に使いやすい言葉です。

ただし、何でも「ご承諾」にすればよいわけではありません。

相手がただ内容を確認してくれただけなら、「ご確認いただきありがとうございます」のほうが自然です。

相手が事情を理解してくれた場合は、「ご了承いただきありがとうございます」も使えます。

相手が依頼を受け入れてくれた場合は、「ご承諾いただきありがとうございます」が合います。

この違いを意識すると、感謝の言葉がより正確になります。

メールの印象も、相手に伝わる意味も変わります。

特に取引先へのメールでは、「何に対して感謝しているのか」を言葉で正しく示すことが大切です。

承諾と同意・快諾の違い

「承諾」と似た言葉に「同意」と「快諾」があります。

「同意」は、他人の意見などに対して賛成することです。

つまり、考えや意見に対して「私もそう思います」と賛成する意味が中心です。

一方で「承諾」は、相手の希望や要求を受け入れる意味が中心です。

たとえば、「方針に同意する」は、考えに賛成する意味です。

「依頼を承諾する」は、頼まれたことを受け入れる意味です。

似ていますが、受け止める対象が少し違います。

「快諾」は、依頼や申し入れを快く承諾することです。

つまり、「承諾」に明るく前向きな印象が加わった言葉です。

「ご快諾いただきありがとうございます」と書くと、相手が気持ちよく受け入れてくれたことへのお礼になります。

ただし、相手が本当に快く受けてくれたかどうかわからない場合は、無理に「快諾」を使わないほうが自然です。

相手がかなり調整してくれた場合や、負担をかけた場合は、「ご承諾いただきありがとうございます」のほうが落ち着いています。

「同意」は意見への賛成。

「承諾」は依頼や条件の受け入れ。

「快諾」は気持ちよく受け入れること。

このように分けて覚えると、使い分けがわかりやすくなります。

「了承」の意味とビジネスでの使い方

了承は事情を理解して受け入れる言葉

「了承」は、相手の事情や説明を理解し、納得して受け入れるときに使います。

国語辞典では、「事情をくんで納得すること。承知すること。承諾」と説明されています。

「承諾」と似ていますが、「了承」は事情をくむという部分が大切です。

たとえば、「天候不良により配送が遅れる場合があります。あらかじめご了承ください」という文があります。

これは、相手に何かを依頼しているというより、「こういう事情があるので理解して受け入れてください」と伝えています。

ビジネスでは、変更、遅延、注意事項、制限、キャンセル規定などを伝えるときによく使います。

「当日は混雑が予想されますので、あらかじめご了承ください。」

「在庫状況により、発送が遅れる場合がございます。何卒ご了承ください。」

このように、相手に不便をかける可能性があるときにも使われます。

ただし、「ご了承ください」は便利なぶん、冷たく聞こえることもあります。

特にこちらの都合で相手に負担をかける場合は、先にお詫びを入れると印象がよくなります。

「ご不便をおかけし申し訳ございません。何卒ご了承くださいますようお願いいたします。」

このように書くと、相手の気持ちにも配慮した文になります。

「了承」は、事情を説明する言葉と一緒に使うと自然です。

「ご了承ください」がよく使われる理由

「ご了承ください」は、案内文やお知らせ文でよく見かける表現です。

理由は、相手に事前に理解してもらいたい内容を、短く丁寧に伝えられるからです。

たとえば、営業時間の変更、商品の仕様変更、配送の遅れ、イベントの注意事項などでは、読み手に「その可能性があります」と伝える必要があります。

そのときに「ご了承ください」を使うと、「事情を理解し、受け入れてください」という意味になります。

「了承」自体に、事情をくんで納得する意味があるため、注意事項や案内文と相性がよい言葉です。

ただし、便利だからといって多用すると、少し一方的な印象になることがあります。

たとえば、「返品はできません。ご了承ください」とだけ書くと、読み手によっては突き放されたように感じるかもしれません。

やわらかくするなら、「商品の特性上、返品はお受けいたしかねます。恐れ入りますが、ご了承くださいますようお願いいたします」と書くと自然です。

「ご了承ください」は、相手に選択の余地が少ない内容を伝えるときにも使われます。

だからこそ、理由を添えることが大切です。

理由があると、読み手は納得しやすくなります。

「なぜそうなるのか」が書かれていないと、ただ押しつけられたように感じることがあります。

「ご了承ください」は便利な定番表現ですが、相手に不便をかける場面では、お詫びや理由と一緒に使うのが基本です。

目上の人に「了承しました」は失礼?

「了承しました」は、文法だけを見れば「了承する」に丁寧語の「ました」をつけた表現です。

ただし、上司や取引先への返事としては、少し注意が必要です。

「了承」には、事情を理解して納得する意味があります。

そのため、「了承しました」と言うと、こちらが相手の事情を認めてあげたように聞こえる場合があります。

もちろん、すべての場面で失礼と決まっているわけではありません。

社内で関係が近い相手なら、問題なく伝わることもあります。

しかし、目上の人や取引先に対しては、「承知しました」や「かしこまりました」のほうが安心です。

「承知」は、事情などを知ること、依頼や要求などを聞き入れることを表します。

また、ビジネスの返事では「承知しました」がよく使われます。

たとえば、上司から「明日の会議資料を確認しておいてください」と言われた場合は、「承知しました。確認いたします」が自然です。

取引先から依頼を受けた場合は、「かしこまりました。確認のうえ、改めてご連絡いたします」とすると、より丁寧です。

「了承しました」は、自分が相手の申し出を受け入れる立場にあるときには使えます。

しかし、相手を立てたい場面では、別の表現を選んだほうが誤解が少なくなります。

迷ったら、目上には「承知しました」を使うと覚えておくと安心です。

了承と承知・了解の違い

「了承」「承知」「了解」は、どれも「わかる」「受け入れる」に近い意味を持っています。

ただし、少しずつ中心が違います。

「了承」は、事情をくんで納得することです。

「承知」は、事情などを知ることや、依頼・要求などを聞き入れることです。

「了解」は、物事の内容や事情を理解して承認することです。

かなり近い言葉ですが、ビジネスでは使い分けると印象が変わります。

相手に事情を理解して受け入れてほしいときは、「ご了承ください」が自然です。

自分が目上の人からの指示を受けたときは、「承知しました」が自然です。

同僚や部下とのやり取りでは、「了解しました」でも通じやすいです。

ただし、取引先や上司には「了解しました」より「承知しました」のほうが丁寧に見えます。

文化庁の敬語資料では、丁寧語は「です・ます」型の敬語として説明されています。

そのため、「了解しました」も丁寧な形ではあります。

ただ、ビジネスでは文法的な正しさだけでなく、相手がどう受け取るかも大切です。

「了承しました」は、やや判断する側の響き。

「承知しました」は、相手の話を受け止める響き。

「了解しました」は、ややカジュアルな響き。

この感覚で使い分けると、仕事のメールでも失敗しにくくなります。

シーン別にわかる正しい選び方

上司に稟議を通してもらうなら「承認」

上司に稟議や申請を通してもらう場面では、「承認」を使うのが自然です。

稟議書や申請書は、内容を確認してもらい、正式に認めてもらうためのものだからです。

たとえば、「添付の稟議書について、ご承認いただけますでしょうか」と書けば、上司に判断をお願いしていることがはっきり伝わります。

「ご了承いただけますでしょうか」と書いても意味は通じる場合がありますが、少しずれます。

「了承」は事情を理解して受け入れる言葉なので、稟議のように正式な判断を求める場面では「承認」のほうが合います。

「ご承諾いただけますでしょうか」も、依頼を受け入れてもらう意味にはなります。

しかし、社内の稟議や申請では「承認」のほうが一般的で、内容を正式に認めるニュアンスが出ます。

たとえば、次のように使えます。

「新規広告施策について稟議書を作成いたしました。内容をご確認のうえ、ご承認いただけますでしょうか。」

「来月の出張申請について、ご承認のほどよろしくお願いいたします。」

このように、「承認」は社内の手続きと相性がよい言葉です。

上司が判断し、会社として進めてよい状態にする場面では、「承認」を選ぶと自然です。

申請、決裁、稟議、企画、予算。

これらの言葉とセットで出てきたら、まず「承認」が合うと考えてよいでしょう。

取引先に依頼を受けてもらうなら「承諾」

取引先に何かをお願いし、それを受け入れてもらった場合は「承諾」が自然です。

たとえば、納期変更、仕様変更、取材依頼、掲載許可、見積条件の変更などです。

こちらから依頼や条件を出し、相手がそれを受け入れるため、「承諾」が合います。

たとえば、納期の変更をお願いした場合は、次のように書けます。

「このたびは納期変更についてご承諾いただき、誠にありがとうございます。」

この文では、相手がこちらの事情を受け入れてくれたことへの感謝が伝わります。

取材をお願いして相手が受けてくれた場合は、次のように書けます。

「取材のご依頼についてご承諾いただき、ありがとうございます。」

ただし、相手が単に内容を見ただけなら、「承諾」ではなく「確認」が自然です。

「資料をご確認いただきありがとうございます」と「ご承諾いただきありがとうございます」では、意味が違います。

前者は見てもらったことへのお礼です。

後者は依頼や条件を受け入れてもらったことへのお礼です。

この違いを間違えると、相手が「まだ受け入れたつもりはない」と感じる可能性があります。

特に契約や条件変更の場面では、言葉の選び方が大切です。

まだ相手の意思がはっきりしていない場合は、「ご検討いただきありがとうございます」と書くほうが安全です。

受け入れが確定している場合に「承諾」を使いましょう。

日程変更や注意事項を伝えるなら「了承」

日程変更や注意事項を伝える場面では、「了承」がよく合います。

相手に事情を理解してもらい、受け入れてもらう必要があるからです。

たとえば、会議時間を変更する場合は、次のように書けます。

「会議開始時刻を十五時に変更いたします。ご不便をおかけしますが、ご了承くださいますようお願いいたします。」

この文では、変更という事情を伝えたうえで、理解を求めています。

イベント案内なら、次のように書けます。

「当日は会場周辺の混雑が予想されます。あらかじめご了承くださいますようお願いいたします。」

商品やサービスの注意事項でも使えます。

「在庫状況により、発送までお時間をいただく場合がございます。何卒ご了承ください。」

このように、「了承」は相手に事前にわかっておいてほしいことを伝える場面に向いています。

ただし、こちらの都合だけを押しつけるような書き方は避けたいところです。

「できません。ご了承ください」だけでは、少し冷たく見える場合があります。

理由やお詫びを添えると、読み手の受け止め方が変わります。

「ご希望に添えず申し訳ございません。現在の在庫状況により、追加発送はお受けいたしかねます。何卒ご了承くださいますようお願いいたします。」

相手に不便をかけるときほど、説明を省かないことが大切です。

「了承」は便利な言葉ですが、配慮のある文と一緒に使うことで、より自然になります。

間違えやすいNG例と自然な言い換え

「承認」「承諾」「了承」は似ているため、間違えても意味がまったく通じないわけではありません。

しかし、ビジネスでは少しの違いで印象が変わります。

たとえば、稟議を出すときに「ご承諾ください」と書くと、相手に依頼を受け入れてもらうような印象になります。

この場合は、「ご承認いただけますでしょうか」のほうが自然です。

取引先が納期変更を受け入れてくれたときに「ご承認いただきありがとうございます」と書くと、相手が上位者として正式に認めたように見えることがあります。

この場合は、「ご承諾いただきありがとうございます」が自然です。

お知らせ文で「仕様変更を承諾してください」と書くと、少し強く、相手に判断を迫るように聞こえます。

この場合は、「仕様が変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください」が自然です。

上司からの指示に「了承しました」と返すと、場面によっては上から認めたように聞こえることがあります。

この場合は、「承知しました」や「かしこまりました」が安心です。

使い分けをまとめると、次のようになります。

迷いやすい場面避けたい表現自然な表現
稟議を通してもらうご承諾くださいご承認いただけますでしょうか
依頼を受けてもらったご承認ありがとうございますご承諾いただきありがとうございます
変更を理解してもらう承諾してくださいご了承くださいますようお願いいたします
上司へ返事をする了承しました承知しました
取引先へ丁寧に返事をする了解しましたかしこまりました

言葉に迷ったら、「正式に認めるなら承認」「依頼を受け入れるなら承諾」「事情を理解してもらうなら了承」と考えましょう。

この3つだけで、多くの場面は判断できます。

「承認」「承諾」「了承」の違いまとめ

「承認」「承諾」「了承」は似ていますが、使う場面が違います。

言葉意味使う場面
承認正しい・問題ないと正式に認める申請、稟議、決裁、企画案、予算案
承諾依頼や条件を受け入れる取引先からの依頼、契約条件、納期変更
了承事情を理解して納得する日程変更、注意事項、遅延のお知らせ、お詫び文

迷ったときは、次のように考えるとわかりやすいです。

  • 正式に認めるなら「承認」
  • 依頼や条件を受け入れるなら「承諾」
  • 事情を理解してもらうなら「了承」

また、目上の人に返事をするときは「了承しました」よりも、「承知しました」や「かしこまりました」のほうが安心です。

「ご承認ください」は少し直接的なので、「ご承認いただけますでしょうか」「ご承認のほどよろしくお願いいたします」とすると、やわらかい印象になります。

この違いを押さえておけば、ビジネスメールでも自然な言葉を選びやすくなります。

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