新築の引き渡しが近づいてくると、ワクワクする一方で、「お世話になった営業さんや現場の方に、お礼ってした方がいいのかな」「菓子折りを持っていくなら、相場はいくらくらいなんだろう」と悩む人はとても多いです。
用意しすぎて気を使わせてしまうのも心配だし、何もしないのもなんとなく落ち着かない…。しかも、「のしはどう書く?」「いつ渡すのが正解?」など、細かいところまで考え始めると、あっという間に迷子になってしまいます。
この記事では、「新築 引き渡し お礼 菓子折り」で検索してきた人が気になるポイントを、最初から最後まで一気に解決できるようにまとめました。
お礼は本当に必要なのかという基本から、菓子折りの相場・選び方、のしやメッセージの書き方、当日のスマートな渡し方まで、実際のマナーや事例をもとに分かりやすく解説しています。
読み終わるころには、「このくらいの金額で、こんなお菓子を用意して、このタイミングでこうやって渡そう」と具体的なイメージが持てるはずです。
新居のスタートを、気持ちよく、そしてちょっとほっこりする一日にするための参考にしてください。
新築引き渡し時のお礼は本当に必要?まずは基本の考え方を確認
そもそも新築引き渡しでお礼がよく選ばれる理由
新築の引き渡しの日は、長かった家づくりのゴールの日ですよね。図面の打ち合わせから仕様決め、途中のトラブル対応まで、営業さんや現場監督さん、大工さんなど、本当に多くの人が関わってくれています。
「お礼をした方がいいのかな」と考える人が多いのは、こうした人たちへの感謝を、目に見える形で残しておきたい気持ちがあるからです。
日本では、何か大きなことが無事に終わった時に「形のあるお礼」を渡す文化があります。
工事が無事に完成したことへの安堵、新しい暮らしへのワクワク、そういった気持ちを込めて、気軽に受け取ってもらいやすい菓子折りがよく選ばれます。
実際、新築引き渡し時のお礼の品として、菓子折りは定番中の定番になっています。
また、引き渡し後も定期点検やアフターサービスで同じ会社と長く付き合うケースが多いため、「これからもよろしくお願いします」という意味を込めて渡す人も少なくありません。
お礼を渡すこと自体が絶対条件ではありませんが、「心の区切り」としても、菓子折りはちょうどいいバランスのある選択だと言えます。
「お礼は不要」という声も?最近のハウスメーカー事情
一方で、最近は「お礼は不要です」とはっきり伝えるハウスメーカーや工務店も増えています。
理由としては、従業員への贈答品や接待に関して、会社ごとにコンプライアンス規定が厳しくなっていることが挙げられます。
実際、「営業マンへのお礼はしないもの」「会社の規則で謝礼は受け取れない」という意見も見られます。
また、営業担当へのお礼は「基本的には不要」とする解説もあります。営業の仕事は建築費用に含まれているサービスであり、「お礼をしなければならない」と考える必要はないという考え方です。
つまり今は、「お礼が当たり前」というよりも、「渡したい人だけが、無理のない範囲で渡す」時代になってきています。
迷う場合は、事前に担当者に「当日、ささやかなものをお渡ししても大丈夫ですか?」と聞いておくと安心です。
その上で「お気持ちだけで十分です」と言われたら、当日は笑顔と言葉で感謝を伝える形にしておくとよいでしょう。
誰に渡すのが一般的?営業・現場監督・大工さんなど
実際にお礼を渡すとしたら、誰に渡すのが一般的なのでしょうか。
多くのケースでは、家づくり全体を取りまとめてくれた「責任者」にまとめて渡すパターンが多いです。
たとえば、現場監督や工務店の担当者、ハウスメーカーの営業担当などがそれにあたります。
現場で作業してくれた大工さんや職人さんに直接渡したい気持ちもあると思いますが、引き渡し当日に全員が揃うとは限りません。
その場合は、現場監督や担当者に「皆さんで召し上がってください」と菓子折りを渡し、現場の方へも配ってもらう形が現実的です。
よくあるパターンとしては、次のようなイメージです。
| 渡し方のパターン | 渡す相手の例 |
|---|---|
| まとめて1つ | 現場監督か営業担当に「皆さまでどうぞ」と渡す |
| 2〜3個に分ける | 営業部署用・現場用などに分けて渡す |
| 個別パターン | 営業・設計・インテリアコーディネーターなど、ごく近い担当者ごとに小さめの品を渡す |
すべての関係者に完全に平等に渡す必要はありません。あなたが特にお世話になったと感じる人に感謝を伝えられれば、それで十分です。
お礼の有無で失礼になるケース/ならないケース
「お礼を用意しなかったら、失礼にあたるのでは」と心配する人も多いですが、基本的には、お礼を渡さないことがマナー違反になるわけではありません。
そもそも工事の対価はすでに支払っており、引き渡しは契約の一部として行われているためです。
失礼になりにくいケースとしては、次のような状況があります。
- 事前に「お気遣いは無用です」と言われていた場合
- 大手ハウスメーカーで、会社として贈答品を受け取らない方針がある場合
- 特にトラブルもなく、標準的なやり取りのまま引き渡しになった場合
一方で、「絶対にお礼が必要」とまではいかないものの、感謝の気持ちを形にしておくと印象が良いケースもあります。
たとえば、無理なスケジュール調整をしてくれた、追加の要望に根気強く付き合ってくれた、何度も現場確認に付き合ってくれた、などです。
このような場合、ちょっとした菓子折りと一言メッセージがあると、お互いに気持ちよく区切りをつけられます。
一番大事なのは「金額」よりも「感謝の伝え方」
新築引き渡しのお礼で、つい気になってしまうのが「金額が少なすぎないか」「逆に高すぎないか」という点だと思います。
相場としては、2,000〜5,000円前後の品を選ぶケースが多いと言われています。
ただ、実際に印象に残るのは、金額そのものよりも「どう渡されたか」「どんな言葉が添えられていたか」です。
菓子折りそのものは、開けてしまえば中身はあっという間になくなりますが、「あの時は本当に助かりました」「丁寧に対応していただいて安心できました」といった一言は、相手の心に残ります。
逆に、金額だけを気にして高価なものを用意しても、「気を使わせてしまったな」と相手を戸惑わせてしまう場合もあります。
大切なのは、あなたの家計に無理のない範囲で、気持ちを込めた品を選び、きちんと目を見てお礼を伝えること。それさえ押さえておけば、細かい正解・不正解を気にしすぎる必要はありません。
菓子折りを選ぶ前に知っておきたい金額相場とマナー
新築引き渡しのお礼の一般的な相場は?【目安は2,000〜5,000円】
新築引き渡し時のお礼の品の相場は、一般的に2,000〜5,000円程度が目安と言われています。これは、受け取る側にも負担感が少なく、こちらの感謝の気持ちも十分に伝わる、ちょうどよいラインだからです。
ハウスメーカーの営業担当へのお礼としても、同じく2,000〜5,000円くらいが適切とする解説が多く見られます。
もし複数人で分けてもらうことを前提にするなら、3,000〜5,000円前後の菓子折りを1〜2箱用意するイメージが分かりやすいでしょう。
参考までに、よくある金額感を表にまとめると次のようになります。
| シチュエーション | 金額の目安 |
|---|---|
| 営業担当に個別で渡す | 2,000〜3,000円程度 |
| 営業・現場など部署で分けてもらう | 3,000〜5,000円程度 |
| 複数部署に1つずつ渡す | 1箱あたり2,000〜3,000円程度を2〜3箱 |
もちろんこれはあくまで目安です。家づくりにかかった総額に比べれば小さな金額なので、「ちょっと奮発したい」なら5,000円前後まで、「あくまでささやかに」であれば2,000〜3,000円でも十分です。
個別に渡す?部署みんなで分ける?金額の考え方
迷いやすいのが、「1人ずつ個別に渡すか」「部署でまとめて渡すか」という問題です。現実的には、次の2パターンに分かれます。
- 営業・現場監督など、顔を合わせた人全員にまとめて1箱
- 特にお世話になった2〜3人に、少し小さめのものを個別に
部署で分けてもらう前提なら、3,000〜5,000円程度の菓子折りを1箱用意し、「皆さんで召し上がってください」と渡すのがスムーズです。
個別に渡す場合は、1人あたり2,000円前後の焼き菓子セットやコーヒーギフトなど、小ぶりで持ち帰りやすい品が扱いやすいです。
人数が多くなると負担が増えるので、「特に時間を割いてくださった人」「最後まで担当してくれた人」に絞るのも一つの方法です。
どちらにするかは、「関わった人数の多さ」と「どこまでやるかの気持ちの線引き」で決めてOKです。全員に平等に渡さなければ失礼、ということはありません。
高すぎる品がかえってNGと言われる理由
新築という大きな買い物の後だと、「このくらいはお礼しないと申し訳ないかな」とつい金額を上げたくなる人もいます。しかし、あまりに高価な品物は、受け取る側にとってはかえって負担になることがあります。
特に、数万円する高級ギフトや有名ブランドの高額商品券などは、受け取る側が「会社に報告しないといけないかもしれない」「規定に引っかからないだろうか」と心配になる可能性があります。
実際、お礼の相場としては3,000〜5,000円程度が目安とされ、高額過ぎるものは避ける方がよいとする説明もあります。
また、あまり高価なお礼を渡すと、「今後も何かあるたびに同じぐらいのお礼を期待されてしまうかも」と感じる人もいるかもしれません。
お互いに気持ちよくやりとりするためには、「少し気を使ったかな」くらいの金額にとどめておくのが安心です。
現金や商品券はアリ?ナシ?よくある質問にプロ目線で回答
「現金で包んだ方が分かりやすいのでは」と考える人もいますが、新築引き渡しのお礼として、現金を直接渡すのはあまりおすすめされません。
ビジネス上の関係で現金を受け取ることに対して、会社側が厳しく制限している場合もあるためです。
最近は、商品券やギフトカードをお礼として選ぶケースも増えています。相場としては5,000〜1万円程度の商品券が検討されることが多いようですが、これも会社の規定によっては受け取りが難しい場合があります。
無難さを重視するなら、
- 第一候補:菓子折りなどの飲食物
- 第二候補:タオルや日用品などの消耗品ギフト
と考えておくとよいでしょう。商品券を検討する場合は、事前に担当者に「会社的に問題ないか」それとなく確認しておくと安心です。
菓子折り以外を選ぶなら?タオル・ギフトカードとの違い
菓子折り以外にも、新築引き渡しのお礼として選ばれる品はいくつかあります。たとえば、タオルセットや高級文房具など、誰にでも使いやすい実用品も人気です。
それぞれの特徴を簡単にまとめると、次のようになります。
| 品物の種類 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 菓子折り | みんなで分けやすい、価格が読みやすい | 好み・アレルギーに少し注意 |
| タオル・日用品 | 好みが分かれにくく、長く使える | 個別向きで、部署全体には配りにくい場合も |
| 商品券・ギフトカード | 実用性が高い | 会社の規定でNGの場合がある |
| コーヒー・紅茶セット | オフィスで使いやすい | 好みが分かれる可能性あり |
「部署みんなでワイワイ食べてもらえたらうれしい」という気持ちがあるなら菓子折りが一番選びやすく、「特にお世話になった担当者に長く使ってもらえるものを」と考えるなら、タオルなどの実用品も候補になります。
あなたが伝えたい気持ちと、渡し方のイメージに合わせて選ぶと失敗しにくいです。
失敗しない菓子折りの選び方【具体商品イメージつき】
基本は「常温・日持ち・個包装」これだけは外さない
新築引き渡しのお礼として菓子折りを選ぶときは、「常温保存できる」「日持ちする」「個包装」の3つを押さえておけば大きな失敗は避けられます。
まず、現場や事務所で受け取ることが多いため、冷蔵・冷凍が必要な生菓子は避けた方が安心です。
業務の合間に冷蔵庫を確保したり、すぐに配ったりするのは手間がかかるためです。常温で数週間以上日持ちする焼き菓子やクッキー、せんべいなどなら、忙しいタイミングでもゆっくり食べてもらえます。
個包装になっているかどうかも重要なポイントです。部署の人数は日によって変わりますし、全員が同じタイミングで食べられるとは限りません。個包装なら、それぞれが好きなタイミングで1つずつ持っていけるので、衛生面でも安心です。
具体的には、フィナンシェやマドレーヌ、バウムクーヘンの詰め合わせ、和風ならせんべいや豆菓子のセットなどが選びやすいでしょう。
「箱を開けた時にちょっと華やか」「パッと見て人数分がわかりやすい」ことも意識すると、渡す側も安心できます。
甘いものが苦手な担当さん向けのセレクト例
「担当さんが甘いもの苦手らしい」と分かっている場合は、甘さ控えめのお菓子や、甘くない系の詰め合わせを選ぶのも気配りになります。たとえば、塩味のおせんべいや、ナッツ・豆菓子のセット、クラッカー系のスナックなどです。
また、コーヒーや紅茶のドリップパック・ティーバッグの詰め合わせも、オフィスで使いやすく、甘いものが苦手な人でも楽しめる可能性があります。
コーヒーと焼き菓子が少しずつ入ったギフトは、どちらか一方だけ食べてもらうこともできて便利です。
迷ったときは、「甘い系3〜4割・しょっぱい系6〜7割」のように、少し塩味寄りの詰め合わせを選ぶのも一つの方法です。
最近は和洋ミックスのギフトも多いので、「どの年齢層でも食べられそうか」「男女問わず好まれそうか」を想像しながら選んでみてください。
ハウスメーカー・工務店に喜ばれる系統と避けたいNG例
ハウスメーカーや工務店の事務所では、スタッフが入れ替わり立ち替わり仕事をしていることが多く、休憩スペースにお菓子が置かれて、みんなでつまむスタイルがよくあります。
そのため、「さっとつまめる」「手がベタベタしない」「ゴミが少なめ」なお菓子が喜ばれやすいです。
逆に避けたいのは、次のようなタイプです。
- 生クリームたっぷりのケーキなど、冷蔵が必要なもの
- 強い香りが残る食品(にんにくの効いたスナックなど)
- 一つがとても大きく、人数分に分けにくいもの
- アレルギーリスクが高いナッツぎっしり系を大量に含むものだけに偏るギフト
また、匂いが強すぎる食品は、事務所で食べるには向かないことがあります。お昼休みにサッと食べることを想像すると、「一口サイズ」「手や書類を汚しにくい」という条件を優先して選ぶと安心です。
地元銘菓にするか、有名ブランドにするかの選び方
菓子折りを選ぶとき、「せっかくだから地元の銘菓にしようか」「誰でも知っている有名ブランドにしようか」と迷う人も多いと思います。
地元銘菓のメリットは、「この地域らしさ」が伝わりやすいことです。担当者さんが同じエリアに住んでいる場合でも、「いつも気になっていたけど自分では買ったことがなかった」というお菓子は意外と多く、話のきっかけにもなります。
一方で、遠方から通っているスタッフも多い会社だと、「帰りの荷物が重くならないか」「常温で持ち帰れるか」も一応気にしておきたいポイントです。
有名ブランドのメリットは、「パッと見て価格帯や内容が想像しやすい」ことです。受け取る側も、「だいたいこのくらいの金額かな」と分かるので、過度な気遣いをせずに済みます。
また、個包装・賞味期限・箱のサイズなどが分かりやすく、ネットでも選びやすいのが利点です。
迷ったときは、「地元らしさを出したいか」「とにかく無難さ優先か」で決めてしまって大丈夫です。どちらを選んでも、「常温・日持ち・個包装」の軸さえ守っていれば、大きな失敗にはなりにくいです。
ネット注文で菓子折りを用意するときの注意ポイント
忙しくてお店まで買いに行く時間がない場合、ネット注文で菓子折りを用意する人も増えています。
その場合に気をつけたいのは、次のような点です。
- 引き渡し日の数日前に届くよう、余裕をもって手配する
- 賞味期限を確認し、引き渡し日から見て十分な余裕がある商品を選ぶ
- のし対応が可能かどうか、名入れができるかを事前にチェックする
- 外箱のサイズが大きすぎないか(持ち運びやすさも大事)
最近は「のし対応」「メッセージカード同梱」などに対応したオンラインショップも多く、注文画面で「表書き:御礼」「名入れ:○○(苗字)」と入力するだけで、きれいに仕上げてくれます。
配送トラブルに備えて、引き渡し日の前日ギリギリではなく、2〜3日前には手元に届くようにしておくと安心です。
届いたら、のしの内容に誤りがないか、中身が割れていないかなど、簡単にチェックしておくと当日バタバタせずに済みます。
「のし」とメッセージの書き方完全ガイド
新築引き渡しのお礼で使う水引の種類と基本マナー
新築引き渡しのお礼で菓子折りを渡す場合、多くはお祝いに準じた「慶事用ののし」を使います。具体的には、紅白の蝶結び(花結び)の水引が一般的です。
蝶結びは「何度あっても良いこと」の場面で使われる結び方で、新築や引っ越しなどの慶事に広く用いられます。水引の本数は5本が基本で、より丁寧にしたい場合は7本を用いることもあります。
お店で頼むときは、「新築の引き渡しでお世話になった方に渡すお礼なので、紅白の蝶結びでお願いします」と伝えれば、適切なのし紙を選んでもらえます。
のし紙の位置は、手渡しの場合は外のし(包装紙の上)にするケースも多いですが、厳密な決まりではありません。
相手が複数人いる場合は、外のしの方が表書きが見えやすく、誰宛てか一目で分かるので分かりやすいです。
表書きは「御礼」?「感謝」?迷わない文言の選び方
表書きに何と書くか迷ったときは、基本的に「御礼」としておけば問題ありません。
新築のお祝いを「もらった側」が返すわけではなく、「お世話になった人へ感謝を伝える場面」なので、「御礼」が最も汎用的に使える表現です。
もし少し柔らかい表現にしたい場合は、「感謝」「謝意」などの言葉を使うパターンもありますが、ビジネス上のお付き合いであることを考えると、「御礼」が一番無難でフォーマルです。
まとめると、次のようなイメージです。
| シーン | 表書きの例 |
|---|---|
| ハウスメーカー・工務店全体へのお礼 | 御礼 |
| 特にお世話になった担当者個人へのお礼 | 御礼 |
| かなりカジュアルな関係(友人の工務店など) | 感謝 なども可だが、基本は御礼でOK |
どれか一つに正解があるというより、「迷ったら御礼」と覚えておくのがシンプルで安心です。
名前の書き方・夫婦連名や家族連名にする場合のルール
のし紙の下段には、贈り主の名前を書きます。新築の施主が一人の場合は、フルネームまたは苗字のみで問題ありません。
夫婦で名義を共有している場合や、家族全体としての感謝を伝えたい場合は、連名にしても構いません。たとえば、「山田」「山田太郎・花子」「山田家」などの書き方があります。
ビジネス的な場面で渡すお礼の場合、あまりカジュアルになりすぎないよう、「山田家」よりは「山田」または「山田太郎・花子」といった書き方の方が無難です。
お店でのしをお願いする場合は、「下段は『山田』でお願いします」のように指定すれば、きれいなバランスで印字してもらえます。
菓子折りに添える一言メッセージの文例集(フォーマル&ちょっとカジュアル)
菓子折りとのしだけでも十分ですが、さらに印象を良くしたいなら、短いメッセージを添えるのもおすすめです。ここでは、フォーマル寄りと少しカジュアル寄りの文例をいくつか紹介します。
【フォーマル寄りの例】
この度は新築工事に際し、大変お世話になりました。
無事に引き渡しの日を迎えることができ、家族一同感謝しております。
ささやかではございますが、お礼の品をお納めください。
いつも丁寧にご対応いただき、ありがとうございました。
おかげさまで安心して家づくりを進めることができました。
これからも末永いお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
【少しカジュアル寄りの例】
打ち合わせから工事まで、長い間本当にありがとうございました。
新しい家での暮らしが今からとても楽しみです。
ささやかですが、皆さまで召し上がっていただければうれしいです。
たくさんのわがままを聞いていただき、ありがとうございました。
おかげさまで、とても満足のいく家になりました。
お茶の時間にでも、皆さんでお召し上がりください。
長文にする必要はなく、「ありがとうございました」「これからもよろしくお願いします」という2点が入っていれば十分です。
品物を渡せないときに使える「メール・手紙だけのお礼」文例
会社の規定で贈り物を受け取れない場合や、遠方でオンライン打ち合わせのみだった場合など、物を渡しにくいケースもあります。その場合は、メールや手紙だけでも十分にお礼の気持ちは伝わります。
【メールでのお礼の例】
件名:新築工事の御礼
○○株式会社
△△様お世話になっております。○○邸新築工事の山田です。
この度は、打ち合わせから引き渡しまで、大変お世話になりました。
おかげさまで無事に新居にての生活をスタートすることができました。こちらの要望にも丁寧に対応していただき、安心して家づくりを進めることができました。
改めて感謝申し上げます。今後とも、定期点検等でお世話になるかと存じますが、よろしくお願いいたします。
山田 太郎
物を渡せないからと言って、失礼にあたるわけではありません。むしろ、丁寧なメールや手紙は、かえって印象に残ることも多いです。
状況に合わせて、無理のない方法で感謝の気持ちを伝えていきましょう。
渡すタイミングと渡し方のコツ【当日の動きをイメージしよう】
いつ渡すのがベスト?引き渡し当日の流れとタイミング
お礼の菓子折りを渡すタイミングで、一番多いのは「引き渡し作業がすべて終わって、一息ついた頃」です。
引き渡し当日は、設備の説明やキズのチェック、書類の確認など、やることがたくさんあります。その合間に菓子折りを渡してしまうと、相手も置き場所に困ってしまうことがあります。
具体的には、次のような流れがイメージしやすいです。
- 室内のチェックや鍵の受け渡し、設備説明が一通り終わる
- 「これで引き渡しは完了です」といった案内がある
- そのタイミングで、「本日はありがとうございました」と菓子折りを渡す
ただし、必ず最後でなければいけないわけではなく、担当者が途中で先に帰る場合などは、その人がいるタイミングで渡してしまって大丈夫です。
大事なのは、「慌ただしい場面ではなく、相手と会話できる落ち着いたタイミングを選ぶ」ことです。
誰にどう渡す?代表者にまとめて渡すパターンと個別パターン
渡し方には、「まとめて1つを代表者へ渡す方法」と、「個別に小さな品を渡す方法」があります。
代表者にまとめて渡す場合は、現場監督や営業担当など、全体を取り仕切ってくれた人に向かって、
「皆さまで召し上がってください」
「これまで大変お世話になりました。よろしければ、皆さんでどうぞ」
と一言添えて渡すとスムーズです。
個別に渡す場合は、事前に人数を把握しておく必要があります。営業・設計・インテリアコーディネーターなど、打ち合わせでよく顔を合わせた2〜3人に、1人ずつ小さめの焼き菓子セットやコーヒーギフトを渡すパターンが多いです。
その際も、「他の方にも大変お世話になりましたので、こちらは皆さまで召し上がってください」と、別に1箱用意しておくとバランスが良くなります。
どの渡し方が正解ということはないので、「自分たちの予算」と「関わった人数」を考えて、一番しっくりくる形を選んでOKです。
「会社の規定で受け取れない」と言われたときの代わりの伝え方
実際の現場では、「お気持ちだけで十分です」「会社の規定で贈り物は受け取れないことになっていまして」と、丁寧に辞退されることもあります。
この場合は、無理に押し付けようとせず、次のような言葉で返すとスマートです。
「そうでしたか、失礼いたしました。お気持ちだけ受け取っていただければうれしいです」
「それでしたら、改めてメールでお礼をお送りさせていただきますね」
その場で受け取ってもらえなかったとしても、あなたの感謝の気持ちが伝わらないわけではありません。
むしろ、会社のルールを守りながらきちんと対応している姿勢に、信頼感を持てるはずです。後日、メールや手紙で改めてお礼を伝えておけば、十分に丁寧な対応になります。
小さな子どもと一緒でもスムーズに渡せる工夫
小さな子どもを連れて引き渡しに行く場合、当日はバタバタしがちです。荷物を持ちながら、子どもも見ながら、書類にサインして、とやっていると、お礼の菓子折りを渡すタイミングを逃してしまうこともあります。
そんな時は、次のような工夫をしておくと安心です。
- 菓子折りだけを入れた紙袋を一つにまとめ、玄関付近の分かりやすい場所に置いておく
- 渡すタイミングになったら、パートナーか家族のどちらかが菓子折り担当になると決めておく
- 子どもにも「最後に『ありがとう』って言おうね」と事前に話しておく
子どもが「このお菓子、みんなで食べてください」と一緒に渡してくれたら、相手にとっても忘れられないシーンになります。
完璧なタイミングを狙いすぎず、「引き渡しが一通り終わって、少し落ち着いたかな」と感じたところで、自然な形で感謝を伝えられれば十分です。
当日までの準備チェックリスト【これだけ押さえれば安心】
最後に、引き渡し当日までに準備しておきたいことを、チェックリスト形式でまとめておきます。
菓子折り・品物の準備
- 予算(目安2,000〜5,000円)を決めた
- 常温・日持ち・個包装のお菓子を選んだ
- のしを「御礼」名入れで依頼した
- 引き渡し日の2〜3日前には手元に届くよう手配した
渡し方のイメージ
- 誰に渡すか(代表者1人か、数人か)を決めた
- まとめて1箱か、複数に分けるかを決めた
- もし断られたときの言葉をなんとなく考えておいた
メッセージ関係
- 短いお礼の言葉(口頭で伝える内容)をイメージしておいた
- 可能なら、簡単なメッセージカードやお礼メールの文面を準備
このチェックリストを一通り確認しておけば、当日は落ち着いて引き渡しに集中できます。
万が一、用意していたお礼を渡しそびれてしまっても、後日郵送したり、メールで改めてお礼を伝えたりすれば、十分フォローが可能です。
菓子折りは感謝を形にしたい人が無理のない範囲で
新築引き渡しのお礼は、「必ずしなければならないもの」というよりも、「感謝を形にしたい人が、無理のない範囲でするもの」というのが今のスタンダードです。
ハウスメーカーや工務店の中には、会社の規定で贈り物を受け取れないところもあり、お礼の有無そのものがマナー違反になることはありません。
それでも、多くの人が菓子折りなどを用意するのは、打ち合わせや工事を通して関わってくれた人たちに、「ありがとうございました」「これからもよろしくお願いします」という気持ちを伝えたいからです。
相場としては2,000〜5,000円程度の品を選ぶのが一般的で、常温保存できて日持ちし、個包装になっているお菓子を選べば、大きな失敗はありません。
のしは紅白の蝶結び、水引は5本または7本、表書きは「御礼」としておけば問題なく、名前は施主の苗字またはフルネームで入れるのが一般的です。
さらに短いメッセージやメールを添えれば、品物以上にあなたの気持ちがしっかり伝わります。
渡すタイミングは、引き渡しの説明や書類手続きがひととおり終わり、少し落ち着いたタイミングがベストです。
もし受け取りを辞退された場合でも、無理に渡そうとせず、言葉やメールで感謝を伝えれば十分です。
何より大切なのは、金額の多い少ないではなく、「お世話になりました」という気持ちをきちんと伝えること。この記事を参考にしつつ、あなたらしい形で、新居のスタートを気持ちよく迎えてください。
