「ゼロサイダー、体に悪いって本当?」
コンビニでよく見かける“ゼロ&ファイバー”の一本。
SNSでは「便秘に効いた」「人工甘味料が不安」など情報が飛び交います。
そこで今回は、最新の公的評価(JECFA/EFSA/WHO)や国内の表示ルール、セブン公式の製品情報まで横断して“いまの根拠”を整理。
安全性・メリット・注意点・適量の目安を、毎日の選び方に落とし込めるようシンプルに解説します。
読み終わる頃には、「いつ・どう飲むか」が自分で決められるようになります。
成分を徹底解説
含まれる食物繊維(ポリデキストロース)の特徴
ゼロサイダートリプルファイバーは、名前のとおり水溶性食物繊維がポイント。セブン公式では「500mlで1食分の食物繊維(栄養素等表示基準2025に基づく)」と案内されており、実際に流通品では1本で約7.5〜11gほどの食物繊維が入るロットが確認されています(時期により差あり)。
水溶性の代表格であるポリデキストロースは、腸内で一部が発酵され、便のかさ増しや排便を助けるはたらきが報告されています。
欧州食品安全機関(EFSA)は2021年の再評価で、ポリデキストロース(E1200)に数値のADI(許容量)を設ける必要はない=通常摂取範囲で安全性に懸念なしと結論づけつつ、大量摂取では緩下作用(お腹がゆるくなる)に注意としています。
まずは1日1本を上限に体調を見て、というスタンスが現実的です。
人工甘味料(アセスルファムK・スクラロース)の安全性
多くのゼロ系炭酸と同様、当商品でもアセスルファムKやスクラロースが使われたロットが確認できます。
これらは国際機関JECFAが長年評価しており、許容一日摂取量(ADI)はいずれも体重1kgあたり0〜15mg/日。通常の飲用量でこの上限を超えるのはかなり難しく、規格内での使用は「安全」と整理されています。
一方、WHOは体重管理の目的で“長期的に甘味料へ置き換えること”を推奨しないガイドラインを2023年に公表。安全性と「やせ効果」は別の話で、体重管理の主役は食習慣全体だと押さえておきましょう。
カロリー・糖質ゼロ表示の意味(“完全ゼロ”ではない)
日本の表示ルールでは、飲料の「0kcal/ノンカロリー」は100mlあたり5kcal未満ならOK、「糖類ゼロ」「糖質ゼロ」は100mlあたり0.5g未満で“ゼロ”と表示できます。
つまり表示がゼロでも、微量は含む可能性があるということ。たとえば500mlなら最大でもその5倍の微量が入る余地がある、と理解しておけば誤解が減ります。
日々の総量で考えると差は小さいですが、「ゼロだから無制限にOK」ではなく“使いどころを決める”のが賢い選択です。
「体に悪い」と言われる理由とリスク
食物繊維の摂りすぎで起こる症状
食物繊維は“多ければ多いほど良い”ではありません。
ポリデキストロースは比較的お腹にやさしい部類ですが、単回50g・1日90gあたりで緩下作用(下痢・腹部膨満など)の閾値が報告されています。
ゼロサイダートリプルファイバー1本の繊維量(約7.5〜11g)はこの閾値から見て余裕がありますが、普段の食事からも繊維を摂ることを考えれば、2本以上を日常的に続けると人によってはお腹がゆるくなる可能性があります。
子どもや胃腸が敏感な人、IBS傾向のある人は特に“少量から試す→様子を見る”が安心です。
甘味料の影響とよくある誤解
人工甘味料は“安全性(毒性)”と“ダイエットへの有効性”を分けて考えるとスッキリします。
毒性評価の観点ではJECFAやEFSAがADI内の摂取を繰り返し安全としています。
一方で、体重管理に役立つかは研究で賛否が混在。WHOガイドラインは「長期の体重コントロールには勧めない」としつつ、他方では砂糖の置き換えが体重維持に寄与した試験もあります。
要は“魔法の痩せドリンクではない”。
甘味への慣れ・依存を避けるためにも、普段は無糖飲料をベースに、甘いゼロ飲料は“たまの置き換え”に使うのが実務的です。
酸性の炭酸飲料による歯への影響
砂糖が入っていなくても、酸性度の高い炭酸飲料はエナメル質を溶かしやすいことが知られています。
研究では“シュガーフリーでも酸で歯が侵食されうる”という結果が複数報告され、飲み方(ちびちび長時間、就寝前など)によってはリスクが増します。
甘味料の有無とは独立した問題なので、歯を守るには「食事と一緒に短時間で飲む」「飲んだ後は水で口をすすぐ」などの習慣が効きます。
良い面も見逃さない!メリットを正しく理解
腸内環境サポートと便通の手助け
ポリデキストロースなどの水溶性食物繊維は、腸内で一部が発酵されて短鎖脂肪酸が産生され、便のかさが増え、排便回数や便のやわらかさの改善に寄与することが示されています。
日々の食事で繊維が不足しがちな人にとって、飲料で“手軽に1食分”を補えるのは実務的なメリット。
もちろん“飲めば即効”ではありませんが、食事(野菜・豆・海藻・きのこ)と合わせてトータルで摂取量を底上げすることで、便秘対策の選択肢になります。
ダイエットや糖質制限中の使い道
「ゼロ」表示は完全ゼロではないものの、砂糖入り炭酸(コーラ100ml=45kcal)と比べると、摂取カロリーや糖類の削減効果は明らか。
たとえば500mlの通常コーラは約225kcalですが、ゼロ系は実質的に極少。
間食や外食で“甘い炭酸を飲みたい”場面の置き換えとしては合理的です。
ただしWHOは“長期の体重管理目的の常用”は推奨していないため、日常は水や無糖茶、炭酸水を主役にし、どうしても甘い炭酸が欲しい日に限定するのがバランスの良い活用法です。
他の清涼飲料との比較で見える利点
ゼロサイダートリプルファイバーは、“ゼロ系×食物繊維”という点がユニーク。
同じゼロでも繊維が入らないダイエットコーラより、1本で食物繊維の実摂取量を稼げるのは差別化ポイントです。
さらにセブン公式は現行品の訴求として「6種のアミノ酸配合」も掲示。
栄養設計は時期で更新されることがあるため、店頭パッケージの表示を都度チェックするのがベストです(“○○配合”は切り替わることがある)。
飲み方の工夫と注意点
1日の適量の目安
食物繊維の目標量は、日本人の食事摂取基準2025年版で成人男性(30〜64歳)22g以上、成人女性(18〜74歳)18g以上。
1本で約7.5〜11gの食物繊維がとれるロットなら、目標の3〜5割をカバーできます。
まずは“1日1本まで”を上限に、食事の繊維(野菜・豆・海藻)と合わせてトータルで目標量に寄せるのが安全で効率的。
お腹が張る、軟便が続くなどのサインが出たら回数や量を減らしましょう。
飲むタイミングとおすすめシーン
おすすめは“食事と一緒、または食後”。
酸による歯のリスクを減らしやすく、食物繊維は食後血糖の上昇をゆるやかにする方向に働くことが期待されます(一般論)。
のどが渇いた時にちびちび長時間飲み続けるより、“飲むなら短時間で”が口腔ケア的にも有利。
また夜遅くに甘い味を習慣化すると、味覚的に“甘さ慣れ”が進みやすいので、就寝前は無糖の水やお茶に切り替えるのがおすすめです。
歯のための“最後に水でひと口すすぐ”も小さな工夫で効きます。
飲みすぎに注意したい人の特徴
胃腸が敏感な人、IBS傾向のある人、子ども、高齢者は、少量(コップ1杯)からテストするのが安全策。
水溶性繊維はやさしい一方で、急な増量はガス・膨満・軟便を招きやすいからです。
また、歯の酸蝕症リスクが高い人(エナメル質が弱い、逆流性食道炎で口腔が酸にさらされがち等)は、飲み方の工夫(食事と一緒+短時間+水ですすぐ)を徹底しましょう。
甘味料のADIは広い安全域があるものの、体重管理目的の“常用化”はWHOが勧めていない点も頭に入れておくと、使い分けが上手になります。
ゼロサイダートリプルファイバーは体に悪いの?
適量であれば“体に悪い”とは言い切れない
公的評価では、配合されがちな甘味料(アセスルファムK・スクラロース)はADI内の摂取で安全、ポリデキストロースも通常摂取範囲で安全性に懸念は示されていません。
問題は“量と使い方”。
毎日何本も、ちびちび時間をかけて飲むと、胃腸トラブルや歯の酸蝕リスクが上がりやすくなります。
まずは“1日1本を上限”にして、食事と合わせ短時間で飲む、というルールを守れば、メリットを活かしつつデメリットを小さくできます。
飲まない方が良い人の条件
明らかな下痢・腹痛などの不調が出る人、主治医から食事制限(低FODMAPなど)を受けている人、強い味覚過敏や歯の酸蝕症リスクが高い人は、まず控えめに。
子どもは食物繊維の目標量が大人より低く、ゼロ飲料の味の強さにも慣れやすいので、常飲は避け“たまのお楽しみ”に留めるのが無難です。
違和感が続く場合は摂取をやめて、医療機関で相談してください。
健康志向の人への上手な取り入れ方
基本は“水・無糖茶・炭酸水”をベースに、甘いものが欲しい瞬間の置き換えとして活用。
食物繊維の底上げ目的なら、1日1本を目安に、食事の繊維源(野菜・豆・海藻・きのこ・全粒穀物)も同時に増やすと◎。
体重管理の観点では甘味への依存を避けるため、週あたりの“ゼロ系炭酸デー”を決める、就寝前は避けるなど“習慣の設計”が効果的です。
参考:シンプル比較(500ml想定)
| 飲み物 | エネルギー | 糖類 | 食物繊維 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 通常のコーラ | 約225kcal | 約56g | 0g | 砂糖由来の高カロリー。 |
| ゼロサイダートリプルファイバー | 0kcal相当(表示基準内) | 0g相当(表示基準内) | 約7.5〜11g(時期差あり) | 繊維で満足感UP、酸性度と飲み方には配慮。 |
| 無糖炭酸水 | 0kcal | 0g | 0g | 常飲のベースに最適。 |
※「ゼロ」表示は“基準未満”であり完全にゼロを意味しません。
カラダに悪いのか?まとめ
ゼロサイダートリプルファイバーは、「ゼロ系炭酸のすっきり感+実用的な食物繊維」を両立した便利な選択肢です。
人工甘味料やポリデキストロースの安全性は国際的に評価済みで、日常の適量(目安1日1本)なら“体に悪い”とは言えません。
ただし万能ではなく、
①長期の体重管理は飲み物だけに頼らない、
②酸性飲料として歯への配慮をする、
③胃腸が弱い人は量を控える
の3点が実務的なコツ。
ふだんは水・無糖茶をベースにしつつ、甘い炭酸が欲しい日の“置き換え”として賢く使えば、満足感と健康の両立に役立ちます。
【参考サイト】
・ゼロサイダートリプルファイバー+α 500ml | セブンプレミアム公式
・原材料・栄養成分表示 | コカ・コーラ | 日本コカ・コーラ株式会社
・WHO | JECFA
・全国清涼飲料連合会
・Re‐evaluation of polydextrose (E 1200) as a food additive – – 2021 – EFSA Journal – Wiley Online Library
・WHO advises not to use non-sugar sweeteners for weight control in newly released guideline
・TikTok’s Alternative Soda Trend Could Be Tough on Teeth | American Dental Association
