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スマホ修理ビジネスは儲かる?リアル収入事情を解説 年収・副業・将来性まで丸わかり

スマホ修理ビジネスは儲かる?リアル収入事情を解説 年収・副業・将来性まで丸わかり

「スマホ修理って、本当に儲かるの?」

副業や独立を考え始めたとき、こんな疑問を持って検索してきた人は多いはずです。

スマホは今や一人一台が当たり前で、壊れたときに「修理して使い続ける」人も増えています。

その一方で、「競合が多くて厳しい」「フランチャイズで失敗した」という話も聞こえてきて、実際のところどうなのか、なかなか判断しづらいですよね。

この記事では、スマホ修理市場のデータや収支モデルの例をもとに、「どれくらい年収が狙えるのか」「どんな条件なら儲かりやすいのか」「将来性はあるのか」を、中学生でも分かるレベルの言葉でかみ砕いて解説しました。

読み終わるころには、「自分がこのビジネスに向いているかどうか」「始めるとしたら何からやるべきか」が、かなりハッキリ見えてくるはずです。

目次

スマホ修理は儲かる?儲からない?結論と前提条件

なぜ「スマホ修理 儲かる」と検索する人が増えているのか

ここ数年、「スマホ修理は儲かる?」「スマホ修理の年収は?」といったことについて調べる人が多くなってます。

理由はシンプルで、日本人のほとんどがスマホを持つようになり、壊れた時に「買い替えより修理」の選択肢が当たり前になったからです。

総務省の調査では、世帯のスマホ保有率は9割を超え、個人ベースでも8割以上がスマホを持っているとされています。

【参考】総務省|報道資料|令和6年通信利用動向調査の結果

つまり「ほぼ全員がお客さん候補」という状態です。

さらに、スマホ本体の価格は年々高くなり、新品で10万円前後する機種も珍しくありません。

物価高や円安の影響で、簡単に買い替えできない人も増えています。その結果、「壊れたら直して長く使う」という流れが強くなり、修理需要が増えました。

実際、日本のスマホ修理台数は年間300万台以上あり、今後も増えると予測されています。

一方で、ネット上には「スマホ修理はもう飽和」「フランチャイズで失敗した」などの声もあり、「本当に儲かるのか?」「どれくらい稼げるのか?」が気になって検索している人が多い状態です。

この記事では、そのモヤモヤを数字ベースでほどいていき、「どんな条件なら儲かりやすいのか」「自分に向いているのか」を判断できるようにすることがゴールです。

「儲かる/儲からない」のラインを月収・年収イメージで整理

まず大事なのは、「儲かる」の基準をぼんやりさせないことです。

例えば、個人経営のスマホ修理店の場合、平均的な月収イメージとしては20万〜40万円前後、年収にして300万〜500万円あたりを一つの目安と言われています。

このレンジなら「普通の自営業レベル」という感覚の人が多いはずです。

一方、多店舗展開したり、フランチャイズ本部として事業を広げれば、年収1,000万円以上を出している事例も存在しますが、それはかなり「うまくいった少数派」と考えた方が現実的です。

逆に、利益がほとんど出ず、実質時給にするとアルバイト以下というケースもあります。

このため、「スマホ修理 儲かるか?」という問いに対しては、

「条件がそろえば普通に食べていけるし、人によっては高収入も狙えるが、特に何も考えずに始めると“自分の給料が最後に残らない”状態にもなりやすい」

というのが現実に近い答えです。

この記事では、「月〇万円・年収〇〇万円を目指すならどのくらいの売上・件数が必要か?」も後半で具体的に逆算していきます。

個人開業・副業・フランチャイズで利益の出方はどう変わる?

スマホ修理で稼ぐ方法は、大きく分けて次の3パターンがあります。

  • 個人で店舗を構えて開業
  • 会社員などの本業を持ちながら副業として行う
  • フランチャイズに加盟してブランド・ノウハウを借りる

フランチャイズの例をみると、あるスマホ修理チェーンでは、商業施設内店舗で月売上150万〜200万円に対して、利益30万〜50万円程度というモデルが公表されています。

路面店では売上80万〜120万円、利益15万〜30万円というケースもあります。

利益率は高めですが、家賃や人件費、ロイヤリティなどの固定費が重くのしかかります。

個人開業であればロイヤリティは不要ですが、集客から仕入れ、マニュアル作りまで全部自分でやる必要があります。

副業の場合は「家賃ゼロの無店舗」「既存店舗の一角で受付だけ行い、実作業は別の工房に委託」といったスタイルが多く、リスクは低い代わりに単価が低くなりやすいです。

それぞれ一長一短で、「どれを選ぶか」で必要な準備資金も、月収・年収の上限も変わってきます。

2025年時点の市場環境と競合状況のリアル

市場環境をざっくり整理しておきましょう。日本では、スマホ・タブレット・ノートPCを合わせた修理市場規模は約0.12兆円規模と推計され、そのうちスマホが半分以上を占めています。

【参考】令和5年度経済産業政策関係調査事業(モバイル機器の修理市場等における競争環境整備の在り方に関する調査)|みずほリサーチ&テクノロジーズ

さらに、MM総研の調査では、2022年度のスマホ修理台数は約353万台で、2025年度には400万台を超える見込みという数字も出ています。

つまり、「市場全体はじわじわ増えている」のは間違いありません。

一方で、ショッピングモールや駅ビルなどを中心に、スマホ修理チェーンや独立系店舗の出店も増えています。

商業施設の出店動向を分析したデータでは、スマホ修理を含む「パソコン・携帯電話関連の修理店」の店舗数はここ数年で5倍以上に増えているという報告もあります。

このため、「市場が大きく、需要も増えている」のと同時に、「競合も増えていて簡単ではない」という両方の側面があります。

立地や料金だけで勝負すると、すぐ価格競争に巻き込まれるので、後半で紹介する「差別化」や「周辺ビジネスとの組み合わせ」がポイントになってきます。

「稼ぎやすい人」の特徴と「向いていない人」の共通点

スマホ修理で儲けやすい人には、いくつか共通点があります。

まず、細かい作業が苦にならないこと。スマホの分解や基板の取り扱いは、慣れれば難しくありませんが、手先の器用さと慎重さはそれなりに必要です。

次に、お客さんときちんと会話できるコミュニケーション力です。ほとんどのお客さんは「データが消えたら不安」「よく分からないから不安」という状態なので、分かりやすい説明ができるだけで信頼度が大きく変わります。

逆に、向いていない人のパターンとして多いのが、「数字を見るのが苦手」「原価や利益を把握せずに値付けする」タイプです。

部品代・家賃・広告費・人件費をきちんと把握していないと、「忙しいのにお金が残らない」状態になりやすいです。

また、クレームやトラブル対応が極端に苦手な人も、精神的に消耗しやすくなります。

技術自体は、未経験からでも数カ月の研修や実地トレーニングで習得している人が多いので、「文系だから無理」といった心配はそこまで必要ありません。

それよりも、「小さく数字を見ながら試していく」「お客さんに素直に謝れる」といった姿勢の方が、長期的には成功しやすいと言えます。

スマホ修理の年収のリアル(社員・独立・副業の違い)

スマホ修理スタッフの年収相場(正社員・アルバイト)の目安

まず、雇われて働く場合の年収イメージを整理しておきます。

スマホ修理店の正社員スタッフの場合、地域や会社規模にもよりますが、月給20万〜25万円前後、賞与を含めて年収300万円前後というケースが多いです。

経験者やリーダー職になると、年収350万〜400万円に届く場合もあります。アルバイトだと、時給1,100〜1,400円程度が一つの目安です。

専門スキルが必要な仕事に見えますが、未経験OKで採用している店舗も多いため、初任給は他のサービス業と大きく変わらないことも多いです。

その代わり、技術や接客が評価されると、店長やエリアマネージャーなどへの昇格で年収アップを狙える余地があります。

「とりあえず業界の中に入ってみたい」「いきなり独立するのは不安」という人は、まず社員やアルバイトとして半年〜1年働き、現場感覚をつかみながら、自分に合うかどうかを見極めるのも十分アリな選択肢です。

店長・エリアマネージャーになるとどれくらい年収が上がるのか

チェーン店やフランチャイズ本部が運営する店舗では、店長やエリアマネージャーになると、年収レンジが大きく変わることがあります。

店長クラスで年収400万〜500万円前後、複数店舗を管理する立場になると500万〜600万円超という求人も見られます。責任は増えますが、その分「売上や利益の作り方」を実地で学べるポジションでもあります。

ここで意識したいのは、「店長経験=将来の独立の材料」になるという点です。仕入れのルート、広告の打ち方、スタッフシフトの組み方、クレーム対応など、独立後に必ず必要になる要素を、給与をもらいながら経験できます。

もちろん、すべての会社で給与が高いわけではなく、「肩書きだけ店長で、待遇は一般社員とほぼ同じ」というケースもあるので、求人票や面接でしっかり確認する必要があります。

とはいえ、「独立を見据えて、数年間は店長として修行する」というキャリアは、かなり現実的なルートです。

独立開業した場合の年収レンジと「よくある勘違い」

独立開業した場合の年収は、売上とコストのバランス次第で大きく変わります。

例えば、あるスマホ修理フランチャイズのモデルでは、月売上150万〜200万円で月利益30万〜50万円という数字が公表されています。

別の収支モデルでは、修理台数90件(1日3件)、平均単価1.1万円で売上約99万円、部材や管理費を引いた後の利益約71万円という例もあります。

ここでよくある勘違いが、「売上=自分の給料」と思ってしまうことです。

実際には、ここから家賃・水道光熱費・通信費・広告費・保険・税金などがかかり、さらに将来の投資や非常事態に備えた内部留保も必要です。

月利益50万円出ている店舗でも、全部を自分の生活費に回すと、トラブルが起きた時に一気に資金が尽きてしまいます。

現実的なイメージとしては、「個人経営の1店舗で、年収300万〜600万円程度」「複数店舗を持ったり、研修事業やパーツ販売事業などを組み合わせて、1,000万円超を狙う人もいる」といったレンジ感です。

大事なのは、夢のある数字だけでなく、「最低限これだけ売れないと赤字」というラインを、開業前にきちんと計算しておくことです。

副業で月3〜10万円を目指すときの現実的なライン

最近は、副業としてスマホ修理を始める人も増えています。

例えば、以下のようなスタイルが代表的です。

  • 平日夜や土日に、自宅やレンタルスペースで予約制の修理を受ける
  • ECサイトやフリマアプリ経由で、郵送修理を受け付ける
  • 既存の店舗(パソコンショップや携帯ショップ)の一角を借りて、受付だけ担当する

副業でよく聞く目標ラインは「まずは月3万円、その次に月5万円、慣れたら月10万円」です。

1件あたりの粗利を5,000円〜7,000円とすると、月3万円なら月5〜6件、月10万円なら月15〜20件ほどの修理が必要というイメージになります。

現実的には、本業がある人の場合、集客に使える時間が限られるため、最初から高い目標を立てるより、「知人・家族・同僚」「SNSフォロワー」「地元の口コミ」など、身近なところから少しずつ広げていく方がうまくいきやすいです。

副業は「リスク小さく技術とお客さんを育てる期間」と割り切ると、焦らずに続けやすくなります。

年収を左右する5つの要素(立地・単価・件数・リピート・仕入れ)

スマホ修理の年収を決めるポイントは、ざっくり言うと次の5つです。

  1. 立地(人通り・客層・家賃のバランス)
  2. 単価(どのメニューをいくらで売るか)
  3. 件数(1日に何件こなせるか)
  4. リピート・紹介(口コミでどれだけ増えるか)
  5. 仕入れ(部品単価と品質のバランス)

例えば、同じ1日3件でも、平均単価が8,000円か1万2,000円かで売上が大きく違います。

MM総研の調査では、スマホ修理の平均金額は約1万2,000円というデータもあり、このあたりを基準に、自分のエリアの相場と照らし合わせて価格を決めるのが現実的です。

また、部品の仕入れ値が高いと利益が圧迫されますが、安さだけで選ぶと不良品率が上がり、クレームや再修理でかえって損をすることもあります。

あるフランチャイズ向けの解説では、「スマホ修理店は部品が安く仕入れられるため、利益率が高いビジネス」と紹介されていますが、実際には仕入れ先選びとクオリティ管理がカギになります。

この5つを、自分の目標年収と照らし合わせながら設計していくと、「どこを改善すれば年収アップに直結するか」が見えやすくなります。

スマホ修理ビジネスの収益モデルと損益分岐点

1件あたりの売上と粗利のイメージ(画面割れ・バッテリー交換など)

スマホ修理の代表的なメニューとして、「画面割れ修理」「バッテリー交換」「充電不良・水没対応」などがあります。

平均的な料金帯はエリアや機種で変わりますが、大まかには以下のようなイメージです。

内容料金の目安(税別)部品原価の目安粗利イメージ
画面割れ修理(iPhone)1万2,000〜2万円3,000〜8,000円4,000〜1万円
バッテリー交換6,000〜1万円2,000〜4,000円3,000〜6,000円
充電不良・軽度修理5,000〜1万円1,000〜3,000円3,000〜7,000円

これはあくまで一例ですが、1件あたりの粗利率は5〜7割と比較的高くなりやすいビジネスです。

一方で、ここから店舗の固定費や広告費、人件費などを差し引く必要があります。

例えば、1件あたりの平均単価が1万1,000円、部品や消耗品で4,000円かかるとすると、粗利は1件7,000円です。

1日3件こなせば、日当ベースで2万1,000円の粗利になります。これを1カ月25日ペースで続けると、粗利ベースで月52万5,000円。

この中から、家賃・光熱費・通信費・広告費などを支払い、自分の給料と将来の投資分を残す、という構造になります。

家賃・広告費・人件費…実際にどこにお金が消えていくのか

スマホ修理ビジネスでは、「表面的な粗利は高いのに、なぜか手元にお金が残らない」という声もよく聞きます。

その原因の多くは、「固定費のイメージが甘い」ことです。主な費用項目は以下のようなものがあります。

  • 家賃(テナント・共益費)
  • 水道光熱費・通信費
  • 広告費(ポータルサイト掲載費、リスティング広告、チラシなど)
  • 人件費(アルバイト・スタッフの給料)
  • ロイヤリティ(フランチャイズの場合)
  • 保険・税金・各種手数料

例えば、商業施設内に出店した場合、家賃や共益費が月20万〜30万円かかることも珍しくありません。

フランチャイズの場合、売上の数%〜10%程度のロイヤリティが発生する例もあります。広告費も、ポータルサイトや地図アプリで上位表示を狙うと、月数万円単位で必要になることがあります。

こうしたコストを合計すると、「思っていたよりも月に必要な売上が高い」と感じる人が多いはずです。

だからこそ、開業前に「最低限かかる固定費」と「現実的に見込める修理件数」を正直に計算しておくことが重要になります。

「フランチャイズ」「無店舗」「実店舗」3パターンの稼ぎ方の違い

収益モデルを考えるうえで、ビジネスの形をどうするかはとても大きなポイントです。

ざっくり3つのパターンを比べてみます。

形態初期費用の目安固定費リスク集客難易度メリット
フランチャイズ高め中〜高ブランド力・ノウハウ・研修がある
無店舗・出張低め家賃がかからない・副業向き
自前の実店舗中〜高中〜高自由度が高く長期的に資産になりやすい

フランチャイズは、ロイヤリティや加盟金がかかる一方で、研修やマニュアル、仕入れルート、Web集客などをまとめて提供してもらえるのが強みです。

初心者でもスタートしやすい代わりに、毎月の固定費が増えやすくなります。

無店舗・出張型は、在宅やレンタルスペース、出張サービスなどで、家賃を抑えながら始められるのが最大のメリットです。

その代わり、「人通り頼み」での集客ができないため、SNSや口コミ、ネット広告など自分で集客の仕組みを作る必要があります。

自前の実店舗は、うまく軌道に乗れば「店舗そのものの価値」が資産になりますが、初期投資と家賃の負担がそれなりに重くなります。

自分の資金力やリスク許容度に合わせて、どの形が良いかを選ぶことが大切です。

修理+αで利益を底上げする方法(買取・転売・アクセサリー販売など)

スマホ修理だけで勝負すると、近くの競合店との価格競争になりやすくなります。

そこで多くの店舗が取り入れているのが、「修理+周辺ビジネス」で利益を底上げするスタイルです。

具体的には、次のような組み合わせがあります。

  • 中古スマホの買取・販売
  • 保護フィルム・ケース・充電器などのアクセサリー販売
  • ガラスコーティングや防水加工サービス
  • タブレット・ゲーム機・ノートPCなどの修理

中古スマホの市場は、2023年度の販売台数が約272万台、2024年度には315万台と予測されていて、今後も右肩上がりで拡大する見込みです。

修理店は、「壊れたスマホを買取→修理→中古として販売」という流れを作ることで、一台から二度、三度の利益を生み出せる可能性があります。

アクセサリー販売も、在庫リスクを抑えながら始めやすい分野です。修理で来店したお客さんに、ついでにケースやフィルムを提案し、客単価を1,000〜3,000円上げるだけでも、月トータルでは大きな差になります。

「スマホ修理 儲かるのか?」を考えるとき、修理だけでなく「周辺でどれだけ売上を作れるか」が重要なポイントになってきます。

黒字店舗と赤字店舗の数字イメージと損益分岐点のケーススタディ

最後に、簡単な数字の例で損益分岐点をイメージしてみましょう。

例えば、次のような前提にします。

  • 平均単価:1万1,000円
  • 1件あたりの粗利:7,000円(部品などを差し引いた後)
  • 固定費(家賃・光熱費・通信費・広告費など):月30万円
  • 自分の最低限の生活費として取りたい額:月25万円

この場合、「固定費+自分の生活費」で月55万円が目標になります。1件あたりの粗利が7,000円なので、

必要な件数 = 55万円 ÷ 7,000円 ≒ 79件

となります。1カ月25日営業なら、1日あたり3〜4件です。ここからさらに将来の投資や予備費も考えると、現実的には「1日4〜5件」を安定して取れると、かなり余裕が出てくるイメージです。

逆に、1日1〜2件ペースにとどまっていると、粗利ベースで月20万〜30万円台にしかならず、家賃や生活費を払うとほとんど残らない、という状況になりがちです。

「スマホ修理は儲かる」と言われる数字の裏には、こうした件数シミュレーションがあります。

開業前に、自分のエリアでその件数が現実的かどうかを、冷静に考えてみることが重要です。

スマホ修理の将来性とこれから伸びるジャンル

スマホ修理市場の規模推移と今後の予測(台数・単価トレンド)

スマホ修理の将来性を考えるには、「端末の数」と「修理に回ってくる率」を押さえる必要があります。

日本ではスマホの契約数が1億件を超えており、毎年の修理台数は300万台以上というデータがあります。MM総研の予測では、2025年度には修理台数が約408万台に達すると見込まれています。

さらに、スマホ本体の価格は高止まりし、ハイエンドモデルでは15万円前後になる機種も出ています。その結果、「壊れたら即買い替え」ではなく、「できるだけ修理して長く使う」という考え方が広がっています。

修理費用の平均は1万円強というデータもあり、「新品を買うよりは安いが、それなりに払う価値のある価格帯」に位置しています。

世界的に見ても、スマホ修理市場は今後も緩やかに成長すると予測されており、日本市場も小さいながら成長が続くと見られています。

つまり、少なくとも「すぐに消えてしまう業種」ではなく、今後もしばらくは安定した需要が期待できる分野だと言えます。

端末価格高騰・キャリアショップ減少が与えるプラス・マイナス

スマホ修理の将来性にプラスに働く要因として最も大きいのが、本体価格の高騰と、買い替えサイクルの長期化です。新品端末の価格が上がると、「画面割れくらいなら修理した方が得」と考える人が増えます。

また、経済状況や物価高の影響もあり、「2年で買い替え」から「3〜4年使う」のが当たり前になりつつあります。

一方で、キャリアショップの統廃合や、メーカー保証・キャリア保証の充実は、町の修理店にとっては競合要因にもなります。

保証期間内のトラブルはキャリアやメーカーに流れやすく、町の修理店が扱うのは「保証が切れた端末」「格安SIMユーザー」「中古端末ユーザー」が中心になるケースが多いです。

このため、「保証対象外のユーザー」をしっかり取り込む工夫が重要になります。

具体的には、中古スマホ販売とセットのサポート、格安SIM乗り換えと合わせた相談窓口、ビジネス用途の法人サポートなど、「キャリアショップではカバーしきれない部分」に入り込むのがポイントです。

中古スマホ・ゲーム機修理・ガジェット系など周辺ニーズの広がり

スマホ修理に近い分野で、今後一緒に伸びそうなのが中古スマホ市場です。中古スマホの販売台数は、ここ数年で過去最高を更新し続けており、2023年度は約272万台、2024年度には315万台に達すると予測されています。

「あえて中古スマホを選ぶ」層が増えており、その整備・初期設定・アフターサポートの需要も伸びています。

また、Nintendo Switchなどのゲーム機や、タブレット、ノートPCといったガジェット類の修理も、スマホ修理店が扱うケースが増えています。

これらは単価が高く、技術的なハードルも少し上がりますが、その分ライバルが少なめです。

さらに、スマートウォッチやワイヤレスイヤホンなど、周辺機器のトラブル相談も今後増えていくと考えられます。

「スマホ修理店」という看板を入り口にしつつ、「デジタル機器全般のかかりつけ医」のようなポジションを取ることで、将来性を大きく広げることができます。

「オワコン」と言われる理由とまだチャンスがある分野

一部で「スマホ修理はオワコン」と言われる理由としては、次のようなものがあります。

  • 競合店舗が増え、価格競争が激しくなっている
  • 一部のチェーン店が値下げを進め、個人店が苦しくなっている
  • キャリアやメーカーのサポートが手厚くなった

確かに、ただ「修理料金が安い店」としてだけ戦うと、体力勝負になってしまいます。

しかし、先ほど見たように、中古スマホ市場やガジェット全般のニーズは拡大しており、修理を軸にしながらも、サービスの幅を広げることで、まだまだチャンスはあります。

具体的には、「データ移行やバックアップのサポート」「子ども向けスマホの初期設定」「高齢者向けスマホ教室」といった、“ちょっとした困りごと”をお金に変えるサービスです。

これらは大手が細かく対応しづらい部分なので、地域密着型の店舗ほど強みを発揮できます。

2025年以降も生き残るためのポジショニングとビジネスモデル

これからのスマホ修理店に求められるのは、「ただ壊れたスマホを直す店」から、「デジタルライフ全般の相談窓口」への進化です。具体的には、次のようなポジションが狙い目です。

  • スマホ修理+中古販売+ガジェット修理の総合ショップ
  • 法人向けのスマホ管理・キッティング・トラブル対応を請け負うBtoB型
  • 地域密着で高齢者やファミリー層のデジタル相談を受けるコミュニティ型

また、オンライン予約や郵送修理、チャット相談などを取り入れて、「近所の人だけでなく、全国から仕事を受けられる体制」を作ることも、今後の生存戦略の一つです。

世界的にも、「修理する権利」の議論が進んでおり、メーカー純正部品を入手しやすくなる流れが出てくれば、第三者修理業者の立場はむしろ強くなる可能性もあります。

大事なのは、「スマホ修理」というキーワードだけを見て「オワコンかどうか」を判断するのではなく、その周辺も含めて「自分がどんな役割で、どんなお客さんを助けたいのか」を決めることです。

これからスマホ修理で稼ぎたい人のためのロードマップ

開業前に絶対やっておきたいエリアリサーチと競合チェック

スマホ修理で「儲かるかどうか」を左右する最大のポイントは、実は技術よりも「場所選び」と言っても過言ではありません。

開業前に次のようなリサーチを徹底して行っておきましょう。

  • 自分が出店したいエリアの人口・年齢層・通勤通学の流れ
  • 半径1〜2km以内にあるスマホ修理店の数と料金
  • 家電量販店、キャリアショップ、中古スマホ店の位置関係
  • 商業施設や駅の人通り、曜日・時間帯ごとの差

実際に候補地を歩き、「平日昼」「平日夜」「土日」の3パターンで人通りを見ておくと、机上のデータだけでは見えないリアルが分かります。

また、競合店舗に実際に行ってみて、接客の雰囲気やメニュー構成、料金体系などをチェックするのもおすすめです。

この段階で、「同じような立地に同じような価格の店を出しても埋もれそうだな」と感じたら、思い切って別エリアを探すか、ターゲット層を変える(法人・高齢者向けなど)といった工夫が必要です。

「副業で様子見」か「本気で独立」かを決める判断基準

スマホ修理に興味を持ったとき、多くの人が迷うのが「まずは副業で始めるか、いきなり独立するか」です。判断基準としては、次のようなポイントがあります。

  • 今の本業の安定度と、今後の見通し
  • 生活費の半年〜1年分の貯金があるかどうか
  • 家族の理解と協力が得られるか
  • どのくらいのスピードで年収を増やしたいか

本業が安定していて、貯金もそこまで多くない場合は、「副業でスキルとお客さんを増やしながら、1〜2年かけて独立を目指す」というルートが現実的です。

逆に、「今の仕事がいつなくなるか分からない」「できるだけ早く自分のビジネスを持ちたい」という場合は、ある程度まとまった資金を準備した上で、フルコミットの独立を選ぶ人もいます。

どちらが正解というより、「自分のリスク許容度」と「家族の状況」に合ったルートを選ぶことが大切です。

そのうえで、「副業→独立」「社員→店長→独立」「FC加盟→のちにオリジナルブランド」といったステップを設計しておくと、迷いが減ります。

目標年収から逆算する売上・件数・必要客数のシミュレーション

最後に、「スマホ修理 儲かるか?」を自分の生活レベルに落とし込むための簡単なシミュレーションをしてみましょう。

例えば、次のような目標を立てたとします。

  • 目標年収:500万円(手取りベースではなく、事業主としての自分の取り分)
  • 固定費:月25万円(家賃・光熱費・通信費・広告費など)
  • 平均単価:1万1,000円、1件あたりの粗利7,000円

この場合、年間で必要な自分の取り分は500万円、固定費は年間300万円で、合計800万円の粗利が必要になります。

1件あたり7,000円の粗利なので、

  • 必要件数 = 800万円 ÷ 7,000円 ≒ 1,143件/年
  • 1カ月あたり ≒ 95件
  • 25日営業とすると、1日あたり ≒ 4件

という計算になります。これを自分のエリアの人口や競合状況と照らし合わせて、「現実的に1日4件を安定して取れそうか?」を考えてみてください。

もし厳しそうなら、平均単価を上げる(高付加価値メニューを増やす)、粗利率を上げる(仕入れの見直し)、固定費を下げる(小さめのテナントにする・無店舗にする)といった調整が必要になります。

こうやって、目標年収から逆算して具体的な数字を出すと、「儲かるかどうか」がかなりクリアになります。

スキル習得ルートと、失敗しにくい研修・スクール・FCの選び方

スマホ修理の技術は、独学でも学べますが、多くの人は以下のどれかのルートを選んでいます。

  • 修理スクールや講座に通う
  • フランチャイズの研修を受ける
  • 既存の修理店で働きながら実地で学ぶ

スクールや講座を選ぶときのポイントは、「実機を使った練習がどれだけできるか」「どの機種まで対応しているか」「卒業後のサポート(仕入れ先紹介・集客サポートなど)があるか」です。

料金だけで決めてしまうと、「座学ばかりで実務に生かせない」ということもあります。

フランチャイズの場合は、加盟金・ロイヤリティだけでなく、「具体的な収支モデル」「既存オーナーの声」「契約の縛り」をよく確認しましょう。

収支モデルで利益率が高く見えても、実際のエリアで同じ数字が出せるとは限りません。

いずれのルートにしても、「技術だけでなく、集客・数字管理・トラブル対応まで含めて学べるかどうか」を基準にすると、後悔が少なくなります。

1年・3年・5年でどう広げるか、小さく始めて伸ばすステップ

最後に、スマホ修理で稼ぎたい人のためのざっくりしたロードマップ例を示しておきます。

  • 1年目:技術習得と小さな実績作りの期間
    • スクールや研修で基礎技術を習得
    • 副業や小さなテナントで少しずつお客さんを増やす
    • 月3〜10万円の安定した利益を目指す
  • 3年目:安定化と差別化の期間
    • 口コミ・リピートで来店するお客さんを増やす
    • 中古販売やガジェット修理など周辺サービスを強化
    • 年収300万〜600万円レンジを安定させることを目標にする
  • 5年目:スケールと多角化の期間
    • 2店舗目の出店や、法人向けサービスの拡大を検討
    • スタッフ育成やマニュアル整備を進める
    • 年収1,000万円を現実的な視野に入れる

もちろん、これは一例に過ぎませんが、「最初から完璧を目指す」のではなく、「小さく始めて、数字を見ながら徐々に広げていく」スタイルの方が、リスクは小さく、続けやすくなります。

スマホ修理 儲かるのか?まとめ

「スマホ修理 儲かるのか?」という問いに対する答えは、「きちんと数字と戦略を考えれば、普通に食べていけるし、人によっては高収入も狙える。ただし、なんとなく始めると簡単に消耗する世界」です。

市場全体を見ると、スマホ修理のニーズは着実にあり、中古スマホやガジェット修理など周辺分野も伸びています。一方で、競合店舗の増加や価格競争、キャリア・メーカーとの競合といった課題も存在します。

この中で生き残っていくためには、

  • 立地とターゲットの選び方
  • 年収から逆算した件数・単価の設計
  • 修理+周辺ビジネスの組み合わせ
  • 技術だけでなく、集客・数字管理・トラブル対応まで含めたスキル

といった要素が欠かせません。

この記事で紹介した数字シミュレーションやロードマップを参考に、自分のライフスタイルやリスク許容度に合ったスタート方法を考えてみてください。

「スマホ修理で儲かるか?」ではなく、「どういう形なら自分にとってプラスになるか?」という視点に変えると、次に取るべき行動が見えやすくなるはずです。

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