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「いらない」の丁寧な断り方 失礼なく伝える例文とNG表現まとめ

「いらない」の丁寧な断り方 失礼なく伝える例文とNG表現まとめ

「いらない」と言いたいだけなのに、なぜか心がザワザワする。言い方を間違えると、相手を傷つけそうで怖い。でも、断れずに受け取ってしまうと、自分のストレスが積み上がって、結局は関係も疲れてしまう。

この記事では、「いらない」を角を立てずに伝えるための型、すぐ使える言い換え、仕事とLINEの例文、断った後のフォローまで、今日から使える形でまとめました。言いにくい場面ほど、言葉に迷わなくなるはずです。

目次

まず押さえる「角が立たない断り」の型

感謝→結論→理由→フォローの順番が最強

「いらない」を丁寧に伝えるコツは、順番でほぼ決まります。

おすすめは、

感謝 → 結論 → 理由 → フォロー

ここで大事なのは、結論(受け取れない/不要)を先に出すことです。理由から入ると、相手は「じゃあ解決すれば受け取ってくれる?」と希望を持ちやすく、やり取りが長引きがちです。

例えば、以下のようになります。

「ご提案ありがとうございます。今回は見送らせてください。現状は社内で十分に足りており、追加導入の予定がありません。また必要になりましたらこちらからご相談します。」

理由は“相手の人格”ではなく、“状況”に寄せると角が立ちにくいです。

たとえば「あなたの案が合わない」ではなく「今は要件が満たせている」「予算が確保できない」のように、変えにくい事情で止めるイメージ。最後にフォローを置くと、断りながらも関係を守れます。

“クッション言葉”で空気を柔らかくする

断りの前に、ひと言だけ“やわらかい前置き”を入れると、印象がガラッと変わります。これがクッション言葉。お願いだけでなく、断りにも効きます。

たとえば「恐れ入りますが」「申し訳ないのですが」「お気持ちはありがたいのですが」などです。クッション言葉は、相手の時間や気持ちを尊重しているサインになり、結論が同じでも刺さり方がやさしくなります。

使い方のコツは、長くしすぎないこと。クッション言葉を重ねるほど丁寧に見えますが、増やしすぎると逆に「言いにくい話=重い話」に見えてしまうこともあります。

おすすめの型はこれです。

・「恐れ入りますが、今回は不要です」
・「お気持ちはありがたいのですが、今回は辞退します」

このくらい短い方が、誠実で伝わりやすいです。

理由は「短く・事実だけ」でOK(言いすぎ注意)

理由を丁寧に説明しようとして、つい“言いすぎ”になる人が多いです。けれど実は、断るときの理由は短い方が安全です。なぜなら、理由が長いほどツッコミどころが増え、「じゃあこうすれば?」と交渉の入口になってしまうからです。

安全な理由の特徴は、次の3つ。

  • 事実ベース(主観の評価を入れない)
  • 変えにくい条件(予算、方針、規約、保管場所など)
  • 相手を採点しない(能力やセンスに触れない)

例は以下の通り。

「保管場所が限られていて、これ以上増やせないんです」

「今期は新規導入を止めていて、検討できません」

「体質的に合わないので、いただけません(食べ物の断り)」

短く言うのは冷たいのではなく、相手をこれ以上巻き込まない配慮でもあります。

優しさと誠実さの境界線(期待を持たせない)

やさしく断ろうとして「今は難しいかも」「また今度ね」と濁すと、相手は“可能性あり”と受け取ることがあります。

結果として何度も同じ提案が来て、あなたも相手も疲れます。大事なのは、優しさと誠実さを両立すること。ポイントは、言葉は柔らかく、結論ははっきりです。

たとえば、こう変えるだけで誤解が減ります。

「また今度」→ 「今回は見送ります」
「考えておく」→ 「現時点では不要です」
「都合が合えば」→ 「参加はしません(参加できません)」

もし関係を守りたいなら、結論のあとに“次の一手”を添えます。

例:「別件で力を借りたいときは、こちらから声をかけますね」

これなら希望を持たせず、相手の価値も否定しません。

対面・電話で角を立てない言い方(間・声量・一言目)

文章で丁寧でも、対面や電話だと印象がズレることがあります。コツはテクニックというより“見せ方”。一言目で空気が決まります。

まず、言い出しは短く。

  • 「ありがとうございます」
  • 「お気持ちはうれしいです」

この一言を置いてから、結論に入ります。早口で結論を言うと“拒絶感”が強くなるので、一拍おいて、声量を少し落として言うのが無難です。

さらに、語尾の工夫も効きます。

「いりません」より「今回は大丈夫です」
「不要です」より「今回は不要です」

“今回は”を付けるだけで、人ではなく状況の話に寄ります。

ビジネスで「させていただく」を使う場合は乱発注意。文化庁の指針では、基本的に「相手の許可を得て行う」「そのことで恩恵を受ける」条件がある場面で使われる形と整理されています。

断りの場面は、無理に入れずシンプルにまとめる方が伝わります。

「いらない」の言い換え辞典:丁寧度別フレーズ

最敬語:不要でございます/辞退いたします/結構でございます

かっちり丁寧にしたい場面(取引先、式典、改まったお礼の辞退など)では、言い切りを“硬め”に整えると失礼が起きにくいです。

おすすめは「辞退いたします」「辞退申し上げます」「不要でございます」。特に「辞退」は“丁寧に断る”ニュアンスがあり、ビジネスにも日常にも使いやすい言葉です。

例は以下のとおり。

  • 「お心遣いありがとうございます。誠に恐縮ですが、今回は辞退いたします。」
  • 「ご案内ありがとうございます。今回は不要でございますので、見送らせてください。」

注意点は、硬い表現ほど“冷たく”見えやすいこと。そこで、冒頭の感謝や「お心遣い」「お気遣い」といった言葉を添えると、人としての温度が戻ります。

文章が短いほど硬さが目立つので、最敬語のときほど「ありがとうございます」を削らないのがコツです。

仕事の定番:必要ございません/対応いたしかねます/見送ります

仕事でよくある「いらない」は、だいたい3種類に分かれます。

  1. 物や機能が不要(追加オプション、資料、サンプル)
  2. 提案が不要(営業、協業、企画)
  3. 依頼が不可(引き受けられない)

それぞれの定番がこちら。

  • 不要: 「現状は十分です」「必要ございません」
  • 提案を止める: 「今回は見送ります」「検討の予定はありません」
  • 引き受け不可: 「対応いたしかねます」「お受けできません」

「対応いたしかねます」は丁寧ですが、強めの拒否にもなります。初回は「難しい状況です」と少し柔らかくし、繰り返される場合に「いたしかねます」に上げると角が立ちにくいです。段階を持たせると、自分の線引きも守りやすくなります。

やわらかめ:お気遣いなく/大丈夫です/今は足りています

家族、友人、近い同僚など、距離が近い相手には“硬すぎる敬語”が逆効果になることもあります。そんなときは、柔らかい断りを使うと自然です。

よく使えるのはこの3つ。

  • 「お気遣いなく」:相手の好意を立てながら止める
  • 「大丈夫です」:重さを減らして止める
  • 「今は足りています」:理由を状況に寄せる

例は以下の通り。

「ありがとう!でも今は足りてるから大丈夫だよ」

「気持ちだけ受け取るね。今回はお気遣いなく」

「助かるけど、今日は自分でやるね」

柔らかい表現の落とし穴は、曖昧になって“押し返される”こと。相手が引かないタイプなら、「大丈夫」だけで終わらせず、「受け取れない」「しない」を一度は入れると伝わり切ります。

地雷になりやすい表現(「結構です」が誤解される場面)

断りのつもりで言った「結構です」が、相手には“承諾”に聞こえることがあります。理由は単純で、「結構です」には肯定にも否定にも取れる曖昧さがあるからです。

だから対面や電話、店頭など即時に判断が必要な場面ほど、事故が起きやすいです。

誤解を避けるコツは、“要不要”を言葉で固定すること。

  • 「不要です。今のままでお願いします」
  • 「遠慮します。今回はいただきません」
  • 「追加はしません。元のプランでお願いします」

逆に、相手から「結構です」と言われた側も要注意。「では付けますね」なのか「付けませんね」なのかがブレるので、確認の一言を挟むのが安全です。曖昧な言葉は便利ですが、断りの場面ではコスパが悪いことが多いです。

迷ったらコレ:そのまま使える“無難フレーズ”10選

「とにかく失礼なく、でもちゃんと断りたい」なら、下の10個が“事故りにくい”セットです。硬さの違いも混ぜてあるので、相手との距離で選べます。

使う場面そのまま使える一言
提案を止めたい「ご提案ありがとうございます。今回は見送ります。」
追加を断る「今回は不要です。現状のままでお願いします。」
プレゼントを断る「お気持ちだけありがたく頂きます。今回は辞退します。」
依頼を断る「申し訳ありませんが、今回はお受けできません。」
店頭で誤解回避「不要です。結構です、ではなく不要です。」
LINEで軽く「ありがとう!でも大丈夫だよ。」
続けて来る相手に「今後も受け取れません。ご理解ください。」
断り+関係維持「また必要になったら、こちらから連絡します。」
期限のある断り「今月は難しいです。来月も予定はありません。」
お礼を添える「お心遣いに感謝します。ですが今回は辞退します。」

迷ったら、感謝+今回は不要です+今のままでお願いします。これだけで、ほとんどの場面は乗り切れます。

シーン別テンプレ&例文(仕事・メール編)

3-1. 提案・営業を断る(角が立たない定型文)

提案や営業は、相手が時間を使って準備しているぶん、いきなり「不要です」だけだと刺さりやすいです。

ここでは、相手の努力を受け止めつつ、結論はブレずに伝える形にします。ポイントは「検討した」感を出しつつ、次の一手を残しすぎないこと。ビジネスの断りメールは、感謝→結論→理由→結び、の流れが基本です。

例文はこちら。

件名:ご提案の件(回答)
〇〇株式会社 〇〇様
いつもお世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。
このたびはご提案をお送りいただき、誠にありがとうございます。
社内で検討いたしましたが、誠に恐縮ながら、今回は見送らせていただくこととなりました。
現在は既存の運用で要件を満たしており、追加の導入予定がないためです。
せっかくのお声がけにもかかわらず、ご期待に沿えず申し訳ございません。
また機会がございましたら、その際は何卒よろしくお願いいたします。

「見送らせていただく」は丁寧ですが、使いすぎると回りくどく感じる人もいます。文章を短くしたいときは「今回は見送ります」でも十分丁寧です。

依頼を断る(キャパ・納期・品質を守る言い方)

依頼を断るときは、「やりたくない」ではなく「今は品質を守れない」に寄せると角が立ちにくいです。特に社外なら、理由を言いすぎず、受けられない結論を先に置くのが安全。曖昧にすると、相手は期待して待ってしまいます。

例文(納期が厳しい場合)はこちら。

件名:ご依頼の件(回答)
〇〇様
お世話になっております。〇〇の〇〇です。
ご依頼いただきありがとうございます。大変申し訳ありませんが、今回はスケジュールの都合によりお受けできません。
短納期で進めますと品質面でご迷惑をおかけする可能性があるためです。
もし差し支えなければ、来月以降であれば調整のうえ対応可能ですので、ご希望の時期をお知らせください。

「代案を出せるなら出す、出せないなら出さない」が大切です。断るのに慣れていない人ほど代案を盛り込みすぎて、結局また抱え込んでしまいがち。自分のキャパを守ることは、相手の成果を守ることにもつながります。

追加資料・オプションを断る(「今は不要」をスマートに)

追加資料、追加オプション、追加機能。ここでよく起きる失敗が「結構です」で済ませて誤解されることです。「結構です」は肯定にも否定にも聞こえる場合があり、トラブルのもとになりやすいので、仕事では「不要です」「追加はしません」と固定するのが安全です。

例文(オプションを断る)はこちら。

〇〇様
ご案内ありがとうございます。
今回は追加オプションは不要ですので、基本プランのままで進めてください。
現状の運用で要件を満たしており、追加費用をかけた改善が必要ないためです。
もし将来、要件が変わりましたらこちらからご相談いたします。

例文(資料を断る)はこちら。

〇〇様
資料送付のご提案ありがとうございます。
現時点では手元の情報で十分なため、追加資料は不要です。
必要になりましたら改めてお願いすることがあるかもしれません。その際はよろしくお願いいたします。

「今後こちらから相談します」を入れると、相手は次のアクションを止めやすくなります。断る側も、相手の手間を増やさずに済みます。

社内で断る(上司/同僚/他部署で言い方を変える)

社内の断りは、社外より気まずくなりやすいので「結論+条件」をセットにすると揉めにくいです。ポイントは、人格ではなくルールや優先順位の話にすること。

上司に(今は無理だが、条件次第でやる)

「承知しました。今週は締め対応が優先のため、そのままだと難しいです。来週月曜着手でもよろしければ対応できます。」

同僚に(手伝えない)

「ごめん、今日は自分の締切が詰まっていて手が空かない。明日の午前なら少し見れるよ。」

他部署に(依頼を減らしたい)

「依頼ありがとうございます。今月は工数が上限に達しているため、追加対応は難しい状況です。来月以降で優先度を整理してから再度ご相談いただけますか。」

強めに線を引く必要があるなら「対応いたしかねます」もありますが、これは最終カード寄りです。最初から出すより、段階を踏んで言葉を固くしていく方が社内関係は保ちやすいです。

お客様に伝える「不要」(失礼にならない言い回し)

お客様相手に「いらない」「できない」を言うときは、まず相手の目的を受け止めてから、できる範囲に着地させると揉めにくいです。クッション言葉を添えると柔らかくなります。

例文(要望を断るが、代替案を出す)はこちら。

〇〇様
お問い合わせありがとうございます。
恐れ入りますが、ご希望の仕様は現在のサービス範囲では対応できません。
代わりに、同じ目的であれば〇〇の機能をご案内できますので、よろしければ使い方をご説明いたします。

例文(追加対応を断る)

〇〇様
ご連絡ありがとうございます。
今回の追加作業は契約範囲外のため、無償での対応はいたしかねます。
有償でのお見積もりは可能ですので、ご希望でしたら条件をお伺いできますでしょうか。

なお、断り文で「させていただく」を多用すると、読みにくくなることがあります。文化庁の「敬語の指針」では、「させていただく」は基本的に許可と恩恵の条件が関わる場面で用いられる形だと整理されています。断りメールでは、必要なところだけに絞ると自然です。

シーン別テンプレ&例文(プライベート・LINE編)

友だちの誘いを断る(関係を壊さない返し)

友だちの誘いを断るときは、正しさより「温度」が大事です。冷たく見える原因は、断る理由よりも“言い方の薄さ”。だから型はシンプルでOKで、うれしい→行けない→代案(出せたら)の順が一番安全です。

例文(行けないけど関係は続けたい)はこちら。

「誘ってくれてありがとう!行きたいんだけど、その日は予定が入ってて行けないや。来週なら空いてる日あるよ、どう?」

例文(今は気分じゃない)はこちら。

「声かけてくれてうれしい。今日はちょっと休みたい気分だから、また落ち着いたら連絡するね」

例文(距離を取りたい相手)は以下のとおり。

「誘ってくれてありがとう。今回は遠慮しておくね」

ポイントは「ごめん」より「ありがとう」を先に置くこと。謝りすぎると相手が気を使い、逆に関係がギクシャクすることがあります。

代案が出せないときは、無理に捻り出さなくて大丈夫。その代わり「今回は行けない」を濁さずに置くと、変な誤解が減ります。

プレゼント/差し入れを断る(ありがたいけど受け取れない)

贈り物を断るのは、相手の好意にブレーキをかける行為なので、言葉選びが少し難しいですよね。ここは「気持ちは受け取る」を前に出すと丸く収まります。おすすめは 感謝→受け取れない→理由(軽め)→代わりの提案

例文(基本形)

「本当にありがとう!気持ちだけで十分うれしいよ。ただ、いま物を増やせなくて受け取れないんだ。ごめんね」

例文(食べ物や体質の事情)

「ありがとう、すごくうれしい。でも体質的に合わなくて、食べられないんだ。気持ちだけ受け取らせて」

例文(お返し負担を減らしたい)

「ありがとう!でも気を使わせたくないから、今回は辞退するね。今度会えたら、それが一番うれしい」

「辞退」は“勧められたことを遠慮して断る”意味として辞書でも説明される言葉なので、丁寧に断りたいときに使いやすいです。

断りづらいときほど、理由を長く書きがちですが、プレゼントは理由を言いすぎると相手がへこむこともあります。「保管できない」「今は十分」くらいで止めるのが優しさです。

連絡先・LINE交換を断る(濁さずに失礼なく)

LINE交換を断るのは、相手によっては「拒否された」と感じやすい場面です。ここは、相手の価値を否定しないように“ルール”に寄せるのがコツ。たとえば「個人的な連絡先は控えている」「連絡はこの場(アプリ)だけにしている」など、自分の方針として伝えると角が立ちにくいです。

例文(やわらかいが、結論は明確)

「ありがとう。でも個人的なLINE交換は控えてるんだ。ここでやり取りできたらうれしい」

例文(職場や取引先で)

「お気持ちはありがたいのですが、連絡は業務用のメールにまとめています。こちらに送ってもらえますか?」

例文(しつこい相手に)

「ごめんね、LINEは交換しないって決めてるんだ。理解してもらえると助かる」

断るときに「そのうちね」と言うと、相手は待ってしまいます。関係を壊したくないなら、代わりに「連絡するならこの方法で」と“通る道”だけ残すのがおすすめです。通る道があると、断りが拒絶に見えにくくなります。

しつこいお願い・勧誘を断る(同じ文で“繰り返す”技)

しつこい勧誘や押しの強いお願いは、テクニックより“姿勢”で止めます。コツは、言い方を変えないこと。言い方を変えると相手は「どこが弱点だろう」と探しやすくなり、交渉が続きます。

おすすめは 短文で固定して、同じ文を繰り返す です。

テンプレ(LINE向け)は以下のとおりです。

「ありがとう。でも不要です。今後も受け取りません」

「お誘いありがとう。でも参加しません」

「勧めてくれてありがとう。ただ、買いません」

ここで注意したいのが「結構です」。断りのつもりでも、文脈次第で承諾に取られることがあります。特に電話や対面では事故が起きやすいので、「不要です」「しません」と言い切る方が安全です。

もし怖さを感じる相手なら、やり取りを増やさず、返信は短く、必要ならブロックや相談などの安全策を優先してください。

家族の過干渉・助言を断る(角を立てずに線を引く)

家族の「これがいいよ」「こうしなさい」は、善意だからこそ断りにくいですよね。ここで大事なのは、家族を否定せずに、決定権だけ自分に戻すこと。

おすすめの型は 感謝→気持ちは受け取る→決めるのは自分→必要なら相談する です。

例文(やさしく線を引く)

「心配してくれてありがとう。気持ちはすごく助かる。でも今回は自分で決めたい。困ったら相談するね」

例文(しつこいとき)

「助言はありがたいけど、この件はもう決めたよ。ここからは自分で進めるね」

例文(同居で距離が近いとき)

「聞いてくれるのはうれしい。けど毎日は疲れちゃうから、週末にまとめて話したい」

家族は「言えば変わる」と思って言い続けることがあります。だから、あなたのルールを短く固定し、同じ言葉で返すと落ち着きます。やさしさは、全部受け入れることではなく、続けられる距離に整えることです。

断った後が勝負:関係を守るフォロー術

代案の出し方(別日・別方法・別担当)

断りの後に関係が良くなる人は、代案の出し方が上手です。代案は万能ではないけれど、出せる場面では強い味方になります。コツは「代案=妥協」ではなく、「相手の目的は尊重する」という姿勢を見せること。

代案の型は3つ。

  • 別日:「今日は無理。でも来週の火曜なら行ける」
  • 別方法:「今は電話できない。メッセージなら返せる」
  • 別担当:「私では無理。〇〇さんなら詳しいよ」

ビジネスなら、「今回は見送るが、条件が変わったら再検討」は使えます。ただし、相手が営業の場合、希望を持たせすぎるとまた来ます。再提案を避けたいなら、「今期は予定がありません」と期限を入れると伝わりやすいです。

代案が出せないときは、無理に出さないのが誠実です。代案を出して受けられないと、断りが二回になって余計に疲れます。

お礼の一言テンプレ(短くても効く)

断りの文は、長さより“最後の一言”が印象を決めます。ここで使えるのが、お礼のテンプレ。短くても、相手の気持ちをちゃんと扱えます。

すぐ使える一言集は以下のとおりです。

・「お声がけありがとうございました」
・「お気遣いに感謝します」
・「時間を取ってくださりありがとうございます」
・「お気持ちだけで十分うれしいです」
・「また別の機会にお願いします」

特に「お気遣いに感謝します」は万能で、贈り物、誘い、提案のどれにも使えます。お礼を言うときは、過剰にへりくだる必要はありません。大げさに謝り続けると、相手が「こちらが悪いのかな」と感じてしまうこともあります。お礼は、相手の行動に対して言う。これだけ意識すると、自然で丁寧になります。

しつこさ対策:同じ言葉でブレずに断る

しつこい相手に一番効くのは、立派な言い回しではなく「ブレない」ことです。相手は、あなたの言い方が変わると「いけるかも」と思います。だから、返答を固定します。

固定文の例は以下の通り。

・「ありがとうございます。ただ、不要です」
・「お誘いありがとうございます。ただ、参加しません」
・「今回はお受けできません」

これに、必要なら“期限”や“今後”を加えます。

「今後も受け取りません」
「今期は検討しません」
「これ以上は返信できません」

ここでも「結構です」は便利ですが、誤解のリスクがあります。誤解させないためには、不要、しない、受け取らない、のように動詞で止めるのが安全です。

ブレない断りは冷たさではなく、相手の時間をこれ以上奪わない配慮でもあります。

すぐ返せない時は“返事する日”を先に伝える

断りたいときほど返事が遅れて、気まずさが増えることがあります。でも、すぐ答えられないのは悪ではありません。問題は「いつ返すかが分からない」こと。だから、返事が遅れる場合は、結論の前に“返事する日”を伝えるだけで空気が落ち着きます。

テンプレ(忙しいとき)

「連絡ありがとう。今日中に確認できないから、明日の夜までに返事するね」

テンプレ(断る可能性が高いときでも使える)

「連絡ありがとう。いったん予定を確認して、土曜までに返事するね」

テンプレ(仕事)

「承知しました。本日中の回答が難しいため、明日15時までにご連絡します」

ここで大事なのは、返事する日を守ること。守れないと信頼が落ちやすいです。もし間に合わないなら、先にもう一度だけ連絡して日程を更新します。

短い連絡でいいので、沈黙にしない。これだけで、断りを含むコミュニケーションが一気にラクになります。

再提案されにくい締め方(またの機会/今後は不要)

最後の締めは、相手の次の行動を決めます。やさしく終えたいなら「またの機会に」でOK。ただし、相手が営業や勧誘、押しが強いタイプの場合は「またの機会に」が“次も行ける”に聞こえることがあります。状況で使い分けましょう。

やさしい締め(関係を保つ)なら以下の通り。

「今回は難しいけど、またタイミングが合ったら誘って」

「また会えるのを楽しみにしてる」

再提案を止める締め(線を引く)は以下の通り。

「今後も必要になりません」

「今期は検討予定がありません」

「これ以上のご提案は不要です」

ビジネスで「させていただく」を入れたくなる場面もありますが、文化庁の「敬語の指針」では「させていただく」は基本的に許可や恩恵が関係する場面で用いる形として整理されています。

断りの文章は、無理に飾らず、短く正確にする方が誤解が減ります。

まとめ

「いらない」を丁寧に言うコツは、言葉選びより順番です。基本は 感謝→結論→理由→フォロー

理由は短く、事実だけ。あいまいな表現は便利に見えて誤解を生みやすいので、特に仕事や勧誘対応では「不要です」「受け取りません」「参加しません」と動詞で止めるのが安全です。

また、しつこい相手ほど、言い方を変えず同じ文で返すのが効きます。断りは冷たさではなく、あなたと相手の時間を守る技術。できる範囲で代案やお礼を添えれば、関係はむしろ安定します。

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