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高級時計のクオーツは「もったいない」と言われる理由 後悔しない選び方と損しない考え方

高級時計のクオーツは「もったいない」と言われる理由 後悔しない選び方と損しない考え方

電池で動く腕時計に高いお金を払うのって、ちょっと勇気がいりますよね。周りから「それ、電池なの?」と言われたら、心が揺れることもあると思います。

けれど、腕時計の価値は方式だけで決まりません。正確さで毎日のストレスを減らすのか、手間をかけて相棒感を育てるのか。あなたが欲しいのはどちらなのか。

この記事では、買ってから後悔しないための考え方と、長く気持ちよく使うための現実的なコツを、分かりやすく整理していきます。

目次

「もったいない」と言われる本当の理由

中古で値落ちしやすいと言われるワケ(資産価値の現実)

高い時計を買うとき、「もし手放すなら、いくらで売れる?」が気になりますよね。ここでよく出てくるのが、クオーツは中古価格が伸びにくい、という話です。これは必ずしもクオーツが悪いというより、「時計好きの市場がどこを評価しやすいか」の問題です。

コレクター層は、ムーブメントの構造や仕上げ、歴史的な系譜にお金を払う傾向があります。すると、電池で動く仕組みは説明が短くなりがちで、価格の物語が伝わりにくい。その結果、売買の場で「同じブランドなら機械式のほうが人気」となりやすく、相場もそちらに引っ張られます。

ただし例外もあります。たとえば年差クラスの高精度モデルは、性能そのものが強い価値になります。グランドセイコーの9Fは、公式情報として年差±10秒がうたわれています。ここまでくると「電池だから安い」では片づけられません。
つまり資産価値は「クオーツかどうか」より、ブランドの人気、モデルの定番性、コンディション、付属品、整備の履歴といった総合点で決まります。後半で具体的に整理します。

「電池=安い」のイメージが強すぎる問題

「電池で動く」と聞くと、千円台の腕時計を思い浮かべる人が多いです。ここがイメージのズレの出発点。実際、一般的なアナログのクオーツは月差±15〜20秒程度という説明がよく見られます。
十分すごい精度なのに、日常に溶け込みすぎて「当たり前」になっているんです。

一方で高価格帯のクオーツは、外装の仕上げ、針や文字盤の作り、ケースの立体感、ブレスのフィット感など、目に見える部分に手間がかかります。さらに高精度タイプだと、温度差や経年変化を見ながら精度を追い込む工夫も入ってきます。たとえば9Fは高精度を前提にした調整機能がある、と公式に説明されています。

それなのに「電池だから安い」と一刀両断される。ここに、もったいないと言われる違和感があります。要は、中身の違いが伝わりにくいジャンルだということ。だからこそ、買う側が「どこにお金を払うのか」を言葉にできると、満足度が一気に上がります。

修理・部品・メーカー対応への不安が出やすいポイント

クオーツの不安として多いのが「電子部品が壊れたら終わりでは?」という心配です。機械式は歯車やゼンマイを交換して延命できそうなイメージがあるのに対し、電子回路は交換部品がなくなると困りそう、と感じやすい。

ここは、正直に言うと「モデルとメーカー次第」です。メーカーは補修用部品を一定期間保有しますし、交換前提のユニット設計になっている場合もあります。とはいえ、長い年月がたてば、どの方式でも部品供給は課題になります。機械式だって専用パーツが枯渇することはあります。

現実的な対策は、購入前に「メーカーのサービス網が強いか」「正規の修理ルートがあるか」「今も現行に近いムーブメントか」を見ることです。特に高価格帯なら、電池交換ひとつでも防水検査やパッキン交換を含めて頼める体制かどうかが重要になります。セイコーは電池が切れたまま放置すると漏液による故障リスクがあるため、早めの交換が望ましいと案内しています。

「壊れるかも」より、「壊さない運用」を先に決めておくと、不安はかなり減ります。

後悔しやすい人の共通点:スイープ運針・シースルー・ロマン重視

買ってから「やっぱり違ったかも」と感じやすいのは、性能より体験に価値を感じる人です。たとえば、秒針がなめらかに流れる動きが好き、裏ぶたが透明で中の機械が見えるのがたまらない、毎日巻き上げて相棒感を育てたい。こういう楽しみは、機械式の得意分野です。

クオーツは、正確で、止まりにくく、手間が少ない。その分「いじる楽しさ」は薄くなりがちです。もちろん、仕上げや設計思想で惚れさせるクオーツもあります。ですが、買う前に「自分が欲しいのは時計の便利さか、儀式としての楽しさか」を決めておかないと、後悔の芽が残ります。

簡単な判断方法があります。もしあなたが、時計の写真を見るときに「文字盤より裏側」を先に探すタイプなら、機械式のほうが満足しやすい可能性が高いです。逆に、遅刻が怖い、時間合わせが面倒、仕事で分単位の正確さが欲しいなら、クオーツのストレスの少なさが刺さります。一般的にクオーツは月差クラスで精度が安定しやすいという説明が多く、日常での安心感につながります。

高級価格の中身が見えにくい(何にお金を払うの?)

最後の理由はこれです。高価格帯のクオーツは、値札の理由が見えにくい。機械式なら「部品点数が多い」「調整が難しい」「歴史がある」と説明しやすいのに、クオーツは一言で終わってしまう。

ここで役に立つのが、価格の中身を分解する視点です。たとえば以下のように見ます。

  • 外装:ケースの稜線がシャープか、研磨の面が整っているか
  • 文字盤:立体感、インデックスの精度、光の反射の美しさ
  • 針:長さのバランス、先端の切れ、秒針のブレ
  • 精度:一般的なクオーツの範囲か、高精度タイプか
  • サービス:正規の電池交換や防水検査の体制があるか

特に精度は分かりやすい指標です。一般的なクオーツの目安として月差±15〜20秒程度という資料や説明があり、これだけでも機械式よりかなり実用的です。

さらに高精度クラスでは、年差を公式にうたうモデルもあります。9Fの年差±10秒は、その象徴です。
「どこに払っているか」が見えてくると、もったいないという感覚は薄れていきます。

逆に「高級クオーツが刺さる人」の特徴

時間に正確=毎日のストレスが減る

時計の本業は、時間を伝えること。ここを一番きれいにやってくれるのが、クオーツの強みです。一般的なアナログクオーツでも、月差±15〜20秒程度という説明があり、1日あたりに直すと誤差はごくわずかです。
この「いつ見てもだいたい合っている」安心は、想像以上にストレスを減らします。

たとえば、会議が詰まっている日。駅のホームで時計を見て、遅れていないと確信できるだけで心が落ち着きます。スマホがある時代でも、腕元で完結するのは強い。しかも、機械式のように姿勢差や巻き上げ残量で日差が揺れやすい心配が少ない、と説明されることが多いです。

高精度タイプならさらに強力です。年差クラスのモデルは、季節が変わってもズレが小さく、時刻合わせの回数そのものが減ります。正確さを「趣味」ではなく「生活の快適さ」として欲しい人には、これ以上に分かりやすいメリットはありません。

つけっぱなし派に強い(止まらない・合わせ直しが少ない)

時計を毎日つける人ほど、クオーツの気楽さが効きます。朝に手に取って、そのまま腕につければいい。止まっていない。合わせ直しもほぼ不要。忙しい人にはこれが最大の価値です。

もちろん機械式でもパワーリザーブが長いモデルはありますが、外した日数が増えると止まってしまうことはあります。そこから日付も時刻も合わせ直す。これが好きな人もいますが、面倒な人も多い。

クオーツは、電池寿命の範囲内なら基本的に動き続けます。例えばグランドセイコーの9Fの取扱説明書では、電池寿命が「約3年」や「約5年」など、キャリバーによって目安が示されています。

つまり、日々の運用が軽い。その軽さが、結果的に「買ったのに使わなくなる」リスクを下げます。高い時計ほど、使ってこそ価値が出ます。つけっぱなし派の人にクオーツが向くのは、ここが理由です。

薄型・軽さ・着け心地で勝つケース

ムーブメントの構造がシンプルなぶん、薄く作りやすいのもクオーツの強みです。薄いと袖口に引っかかりにくく、シャツの収まりがきれいになります。重さも抑えやすいので、長時間つけても疲れにくい。

ここはスペック表だけでは分かりません。実際の差は、ケースの厚みだけでなく、ラグの形、ブレスのコマの作り、バックルの位置、重心の置き方で決まります。でも、薄くできる余裕があるぶん、着け心地の設計に振りやすいのは確かです。

また、薄型の時計はドレス寄りの見た目になりやすく、スーツにも合わせやすいです。高級時計を日常の道具として使いたい人ほど、精度やブランドより先に「着け心地」で選ぶと失敗しにくい。クオーツはその土俵で強いことが多いです。

高精度クオーツという別ジャンルの魅力

クオーツといってもピンキリです。一般的なクオーツが月差の目安なら、高精度クラスは年差の世界に入ります。グランドセイコーの9Fは年差±10秒と公式に示されていて、精度を大きな価値として前面に出しています。
このレベルになると、楽しみ方は機械式とは別になります。

たとえば、季節が変わってもズレが少ないことを実感できる。仕事で複数の時計を使い分けても、どれも時間が揃っていて気持ちがいい。時間に対して神経質な人ほど、この快感が分かりやすいです。

高精度モデルには、精度を支えるための調整機構や設計思想が入ることがあります。9Fには、高精度を前提とした微調整の機能があると公式に説明されています。
つまり「クオーツだから退屈」ではなく、「精度を極めた別ジャンル」として面白い。ここに気づくと、買い物の見え方が変わります。

デザイン・仕上げ・ケース品質は機械式と同じ土俵

最後にいちばん大事な話です。高級時計の満足感は、ムーブメントだけで決まりません。腕に乗せたときの品の良さ、光の反射、インデックスの立体感、針の鋭さ、ケースのエッジ、ブレスのしなやかさ。これらは機械式もクオーツも同じ土俵です。

そして、日々の生活では「見た目」と「使い勝手」が満足度を左右します。クオーツは、正確で、扱いが楽で、しかも外装の品質が高いモデルを選べる。これが刺さる人は確実にいます。

また、メンテ面でも現実的です。電池交換を急がないと漏液のリスクがあるため早めの交換が望ましい、という案内がメーカーから出ています。
逆に言うと、ここさえ守れば、日常の道具として長く付き合いやすい。高い買い物ほど、生活の中で気持ちよく使えることが一番の正解になります。

後悔しない選び方チェックリスト(買う前に5分で判断)

「資産価値」重視か「使い倒す」重視かを先に決める

最初に決めたいのは、「将来の売りやすさ」を優先するのか、「毎日気楽に使う道具」として割り切るのか、という軸です。ここがブレると、買ったあとに心が落ち着きません。たとえば売りやすさを気にする人が、日常でガンガン使って小キズが増えると、結局モヤモヤします。逆に、使い倒したい人が相場ばかり見ていると、腕に巻く楽しさが減ってしまいます。

分け方はシンプルで大丈夫です。売りやすさ重視なら「人気が落ちにくいブランド」「定番モデル」「状態を保ちやすい仕様」を優先します。使い倒す重視なら「精度の安心感」「薄さ・軽さ」「電池切れまでの運用の楽さ」を優先します。一般的なクオーツが月差で語られることが多いのは、生活の中でズレが気になりにくいからです。

迷ったら、次の質問を自分に投げてみてください。「1年後に手放す可能性は高い?」「腕時計を週に何回つける?」「時刻合わせが面倒に感じる?」。この答えで、あなたの正解はかなり絞れます。

使用頻度で最適解が変わる(毎日/週末/式典だけ)

腕時計は、使う頻度で満足度が大きく変わります。毎日使うなら、時間が合っていて止まりにくいことが最大の価値になります。アナログのクオーツは一般に月差で精度が説明されることが多く、日常のズレが小さいのが強みです。
この「いつ見てもだいたい合っている」は、忙しいほど効きます。

週末だけ使う人は少し話が変わります。外している間に止まるのが嫌なら電池式が楽ですし、逆に「止まったら合わせ直すのも儀式」と思えるなら機械式でも満足できます。式典だけの人は、見た目の完成度と着け心地が優先です。薄くて袖に収まりやすい時計は、場面を選ばず助けてくれます。

簡単な表にすると、考えやすいです。

使い方失敗しにくい優先順位
毎日精度、着け心地、アフター体制
週末中心止まりにくさ、合わせ直しの手間、見た目
式典中心薄さ、デザイン、ブレスやバックルの質

自分の生活に合わせて選ぶだけで、「高い買い物なのに出番が少ない」という残念な未来をかなり避けられます。

“高級”の中身を分解して見る(外装・文字盤・針・精度)

高価格帯の電池式で後悔しないコツは、「どこが良いのか」を分解して確認することです。値札の理由が見えにくいジャンルだからこそ、見える部分を丁寧に見るのが効きます。

まず外装。ケースの角がダルくないか、光の線がスッと通るか。次に文字盤。印刷がきれいか、インデックスが立体的か、光の反射が雑に見えないか。針も重要です。長さのバランス、先端のキレ、秒針が目盛りにきちんと合うか。ここは店頭で見れば意外と分かります。

そして精度。一般的なクオーツは月差で説明され、目安として±15秒前後という記述が多いです。
さらに上の高精度タイプは年差で語られ、たとえばグランドセイコーの9Fは年差±10秒が公式に示されています。
「外装の完成度」と「精度の安心感」を両方チェックすると、価格に納得しやすくなります。

メーカー保証とアフター体制を最優先にする

高い時計ほど、買った後の安心が価値になります。電池式の場合、電池交換の品質、防水の再検査、パッキンの扱いなど、アフターの差が満足度に直結します。特に防水モデルは、裏ぶたを開けたあとの再密閉が雑だと不安が残ります。

メーカーや正規サービスを使う意味は、純正部品と手順が整っていること、そして不具合が起きたときの責任の所在が明確なことです。セイコーは、電池が切れたまま長く放置すると漏液が起きる可能性があるため、早めの交換が望ましいと案内しています。
この「早め」と「正しい手順」をセットで守れる環境を作るのが大事です。

購入前にできるチェックは簡単です。正規保証が付くか、サービスセンターが国内にあるか、見積もりの流れが分かりやすいか。ここを軽視すると、後からの出費や不安が増えやすいので、最初に固めておくのがおすすめです。

値落ちしにくい買い方:ブランド/定番/付属品/状態/購入先

売る前提でなくても、「値落ちしにくい買い方」を知っておくと、買うときの心の負担が減ります。ポイントは、選び方を感覚ではなく条件に落とすことです。

まずブランドとモデル。幅広い層に知られていて、定番として長く売られているものは強いです。次に状態。キズが少ないほど有利なのは当然ですが、電池式は「電池切れ放置」が嫌われやすいので、交換履歴や点検履歴があると安心材料になります。メーカーは漏液リスクに触れており、放置が避けたい行為であることは明確です。

付属品も重要です。箱、保証書、余りコマ、購入時の明細。これらが揃っていると、次の人が安心して買えます。購入先は、できれば保証と説明がしっかりしているところ。短期的に安くても、アフターが弱いと結局高くつくことがあります。買う前に「自分が次の買い手だったら何が不安か」を考えると、揃えるべき条件が自然に見えてきます。

寿命とメンテで損しない:電池交換だけでOKは本当?

電池切れ放置が一番危ない(やりがちな失敗)

電池式でいちばん避けたいのは、止まったまま放置することです。理由はシンプルで、電池が劣化すると漏液が起きる可能性があるから。セイコーは、漏液によるダメージを避けるため、電池が切れたら早めに交換するのが望ましいと案内しています。
グランドセイコーの注意事項でも、切れた電池を長く入れたままにしないよう書かれています。

ここでよくあるのが「忙しいから今度でいいや」が続くパターンです。止まっている間は使わないので、つい後回しになります。でも、修理になると費用も時間も増えやすい。高い時計ほど、ここは手間を惜しまないほうが結果的に得です。

対策は簡単で、止まったらカレンダーに交換予定を入れること。電池交換は特別なイベントではなく、歯医者の定期検診みたいなもの、と考えると習慣になります。もし複数本持っているなら、月に一度、全部動いているかだけ確認する。これだけでリスクは大きく下がります。

防水とパッキンは“定期点検枠”で考える

「電池交換だけすれば大丈夫」と思いがちですが、防水モデルはもう一段意識したい部分があります。裏ぶたを開けるときに、パッキンというゴムの輪が関わります。この部品が劣化すると、水や湿気が入りやすくなります。

だから、電池交換のタイミングは、防水の見直しチャンスでもあります。実際、時計店のサービスでは「電池交換と再シール」をセットで扱うことが多く、バッテリー交換の工程に再密閉やテストを含める説明も見られます。
防水が必要ない生活でも、汗や湿気はゼロではありません。日本の夏は特に、腕元が蒸れやすいので油断しないほうが安心です。

購入時に「生活防水だから大丈夫」と言われても、長年の使用で状態は変わります。水に触れないつもりでも、手洗い、雨、汗は避けにくい。電池交換を単なる部品交換にせず、点検の機会として扱うと、長持ちしやすくなります。

電池交換・点検・OHの目安(メーカー推奨の考え方)

目安が分からないと、不安は増えます。まず電池寿命。モデルによりますが、グランドセイコー9Fの取扱説明では電池寿命の目安が示されています(キャリバーによって約3年、約5年など)。
この「だいたい何年」が分かるだけでも、予定が立てやすくなります。

次に点検。電池交換の際に防水の再確認やパッキンの状態確認をしておくと安心です。サービス提供側の説明では、電池交換と再シールをセットで行う案内があり、防水性を維持する考え方が読み取れます。
そしてオーバーホール。電池式でも歯車は動いていますし、潤滑の状態はゼロではありません。ただし、どこまでを定期的に行うべきかは、メーカーやムーブメントで差があります。

ここでのコツは、「壊れてから考える」ではなく「交換タイミングで一緒に点検する」を基本にすること。電池交換のときに、必要なら見積もりを取る。そうすれば、突然の高額請求になりにくいです。高い時計ほど、計画的に面倒を見るのが結局いちばん安上がりです。

修理費の目安が読めると怖くなくなる

メンテの不安は、だいたい「いくらかかるか分からない」から生まれます。そこでおすすめなのが、費用を「小さな定期コスト」と「もしものコスト」に分ける考え方です。

小さな定期コストは、電池交換と点検です。防水モデルなら、再シールや検査が入ることがあります。サービスの説明で、電池交換後に再密閉を行う案内があるのは、この部分です。
もしものコストは、漏液や浸水で内部にダメージが出たケース。だからこそ、メーカーが「電池切れ放置を避けて」と言うわけです。

実際の金額はブランドや依頼先で変わるので、ここで断言はしません。ただ、考え方としては、定期コストを払って「もしもの確率」を下げるのが合理的です。購入前に、正規サービスの問い合わせ窓口が分かるか、見積もりの流れがあるかを確認しておくと、金額の見通しが立てやすくなります。怖さは、分からなさから来ます。分かるところまで分解すると、一気に落ち着きます。

長持ちする保管と扱い(磁気・湿気・衝撃の基本)

電池式でも、扱い方で寿命は変わります。まず湿気。防水性があっても、温泉やサウナのような高温多湿は避けたほうが安心です。次に衝撃。腕時計は思っている以上にぶつけます。机の角、ドアノブ、満員電車。ケースに傷が付くだけでなく、内部にも影響が出ることがあります。

磁気も注意点です。スマホやイヤホンのケース、バッグのマグネットなど、日常の磁気源は増えています。メーカーの注意事項には、強い磁気のある場所を避けることが書かれていることがあります。
保管は、乾燥した場所で、できれば箱やポーチに入れて、他の金属とぶつからないようにする。これだけでも小キズが減ります。

そして最後に、止まったら早めに交換。メーカーが漏液リスクに触れている以上、ここは習慣化がいちばん効きます。
丁寧すぎる必要はありません。日常でできる範囲のルールを決めて、それを守る。長く使うコツは、気合いではなく仕組みです。

“もったいなくない”一本の見つけ方:おすすめの方向性

国産の高精度クオーツで「一生もの」ルート

「電池式でも一生ものにしたい」という人に分かりやすいのが、高精度を強みにした国産の方向性です。代表例としてグランドセイコーの9Fは、年差±10秒という精度が公式に示されています。
精度の高さは、毎日の生活で体感しやすい価値です。時刻合わせの回数が減り、時計に気を取られる時間が減る。これが積み重なると、満足度が静かに上がっていきます。

さらに、精度を支えるために水晶振動子の選別やエージング工程が説明されているのもポイントです。仕組みの背景が見えると、価格への納得が強くなります。
選ぶときは「年差が公式に明記されているか」「サービス体制が明確か」を確認しましょう。精度が魅力の時計は、長く使って初めて良さが出ます。だからこそ、買う時点で長く付き合える条件を揃えるのが大切です。

一生ものは、最初から完璧に扱うことではありません。定期的に電池を交換し、必要な点検をして、腕に巻く回数を増やす。これだけで、時計はちゃんと相棒になります。

スイス系のラグジュアリークオーツで「デザイン勝ち」ルート

一方で、見た目の完成度とブランドの世界観を優先したいなら、スイス系のラグジュアリー路線もあります。ここで重要なのは、ムーブメントの方式だけで価値を判断しないことです。高価格帯の時計の満足感は、外装の仕上げ、ケースの造形、文字盤の立体感、ブレスの質感といった「目で見て触って分かる部分」に大きく宿ります。

この路線の良いところは、「合わせやすさ」と「所有感」が両立しやすい点です。服装やシーンにスッと馴染み、しかし安っぽくは見えない。時計に詳しくない人から見ても、きちんとした印象を作れます。精度面でもクオーツは月差で語られることが多く、普段使いでの安心感につながります。

注意点はアフターです。ブランドによって修理費や納期の感覚が違います。買う前に、国内での正規サービスの流れが分かるか、保証がどこまで効くかを確認しておくと、あとで困りにくいです。デザインで選ぶほど、長く使いたくなるからこそ、最後まで面倒を見てもらえる道を確保しておきましょう。

ドレス用途はクオーツがむしろ合理的な理由

スーツや式典で使う時計は、実は電池式が合理的になりやすいです。理由は三つあります。まず薄さ。袖口に収まりやすく、見た目がきれいです。次に正確さ。遅刻が許されない場面ほど、腕元の時間が信頼できるのは安心です。一般的なクオーツが月差で説明されることが多いのも、実用上の強みが大きいからです。
そして最後に、扱いが楽なこと。久しぶりに使うときでも止まっていなければ、そのまま着けられます。

ドレス用途は「毎日ガンガン」ではない人も多いので、機械式だと止まって合わせ直す手間が出がちです。その作業が嫌いな人は少なくありません。電池式なら、その心理的ハードルが下がります。

ただし、ドレス用途ほど油断しやすい落とし穴もあります。着ける回数が少ないと、電池が切れたことに気づきにくい。メーカーが漏液リスクを案内している以上、止まったまま放置は避けたいところです。
使う頻度が低い時計ほど、月一の動作チェックをルールにすると安心です。

ヴィンテージクオーツは向き不向きがハッキリ(買い方注意)

古い電池式には、独特の魅力があります。デザインが尖っていたり、サイズ感が今と違ったり、当時の空気がそのまま残っていたり。ただし、ここは向き不向きがはっきりします。理由は部品とサービスです。電子部品は代替が効きにくい場合があり、修理が難しくなることがあります。

だから買い方は慎重に。最低限確認したいのは、「直近で動いているか」「電池交換で復帰する状態か」「防水は期待しすぎないか」「修理の相談先があるか」。動作品でも、内部の状態は見えません。購入店が整備内容を説明できるか、保証を付けるかは大きな差になります。

また、電池切れ放置がリスクになり得る点は、現行品と同じです。メーカーは漏液の可能性に言及しています。
古い個体ほど、その影響を受けやすいと考えて、電池管理は早め早めで動くのが安全です。

ヴィンテージで失敗しないコツは、「安いから試す」ではなく、「修理できなくても納得できる価格で買う」こと。ロマンの買い物ほど、出口戦略を決めておくと心が穏やかです。

買う店・売る店で結果が変わる(保証/明細/真贋/整備)

同じモデルでも、どこで買うかで満足度は大きく変わります。特に電池式は「電池交換を誰がどうやったか」「防水の再確認をしたか」が、あとから効いてきます。サービス事業者の案内では、電池交換と再シールをセットで行う説明があり、防水性の維持が重要視されているのが分かります。
この工程が雑だと、気持ちよく使いにくい。

買う店で見たいのは、保証の内容、明細の有無、整備の説明が筋が通っているか。真贋についても、説明がはっきりしている店が安心です。売る店については、付属品の扱いが丁寧で、状態の評価が明確なところを選ぶと、納得しやすい取引になります。

そして意外に効くのが「書類を残す」ことです。電池交換をいつしたか、防水検査をしたか、交換した部品があるか。こうした履歴は、次の買い手への安心材料にもなります。セイコーは電池切れ後の早めの交換を推奨しており、適切な管理が時計の保護につながることが読み取れます。
結局、時計の価値は本体だけでなく、扱い方と記録でも作られます。

まとめ

高価格帯の電池式が「もったいない」と言われる背景には、売買市場の好み、電池への先入観、修理や部品への不安、そして機械式の体験価値との比較があります。けれど、日常での正確さや扱いやすさという実利は強く、一般的なクオーツが月差で語られることが多いのも、その価値が生活で体感しやすいからです。

さらに、年差クラスの高精度モデルのように、精度そのものが大きな魅力になる世界もあります。グランドセイコー9Fの年差±10秒は公式に示されており、電池式でも高級として成立する根拠になります。

損を避ける鍵は、買う前に「売りやすさ」か「使い倒す」かを決め、アフター体制を確認し、電池切れ放置をしないこと。セイコーやグランドセイコーの注意事項でも、切れた電池を長く入れたままにしないよう案内されています。
この基本を守れれば、「もったいない」どころか、むしろ賢い選択になります。

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