「急がば回れって、どういう意味なの。」と聞かれると、何となくはわかっていても、うまく説明できないことがあります。
とくに小学生の国語では、意味だけでなく、例文や使い方までわかっていると、作文やテストでぐんと使いやすくなります。
この記事では、このことわざの意味をやさしく整理しながら、学校や家で使いやすい例文、まちがえやすいポイント、言葉の由来までわかりやすくまとめました。
読み終わるころには、この言葉を自分のことばとして自然に使えるようになっているはずです。
急がば回れってどんなことば?
小学生向けに意味をやさしく説明
このことわざは、急いでいるときほど、近くて危ないやり方よりも、遠回りでも安全で確実なやり方を選んだほうが、結局はうまくいくという意味です。
辞書でも、危険な近道より、遠くても安全で確実な方法をとったほうが早く目的を達することができるたとえだと説明されています。
つまり、このことわざが教えているのは、あわてないことだけではありません。
失敗しにくい方法を選ぶことが、結果としていちばんの近道になるという考え方です。
たとえば、漢字を急いで雑に書いて何度も消しゴムで直すより、はじめからていねいに書いたほうが早く終わることがあります。
算数でも、暗算で急いでまちがえるより、式を書いて確かめながら解いたほうが、正しく早く終わることがあります。
だからこのことわざは、のんびりしようという言葉ではありません。
急いでいるときこそ、落ち着いて、確かなやり方を選ぼうという言葉です。
国語では、ことわざは小学校の学習内容に入っていて、文部科学省の資料でも、三年生と四年生で意味を知って使うこと、五年生と六年生で言葉の由来に関することを理解することが示されています。
そのため、この言葉は意味だけでなく、使い方や生まれた理由まで知っておくと、授業や作文でとても役立ちます。
ことばのイメージを簡単に理解しよう
このことわざの大事なところは、急いでいるのに、あえて回るという少しふしぎな言い方にあります。
これは、一見すると反対のことを言っているようで、実は大事な真理を表す逆説的な表現だと説明されています。
たしかに、ふつうは急ぐなら近道を選びたくなります。
でも、その近道が暗くて歩きにくかったり、道に迷いやすかったりすると、かえって時間がかかることがあります。
反対に、少し遠くても、明るくて歩きやすい道なら、安心して早く進めます。
この感じを頭の中で絵にすると、とても覚えやすくなります。
ひとつは、ぬかるんだ近道をあわてて走ってすべってしまう場面です。
もうひとつは、遠回りでも広くて歩きやすい道をしっかり進んで、先に着く場面です。
この二つを比べると、どちらが本当に早いかがよくわかります。
勉強でも生活でも、うまくいかないときは、近道っぽく見えるやり方に飛びついていないか考えると、このことわざの意味がはっきり見えてきます。
ひとことで覚えるコツ
いちばん覚えやすい言い方にすると、このことわざは、急ぐときほど確実に進もうという意味です。
この短い言いかえを覚えておくと、テストで意味を書くときにも役立ちます。
さらに覚えやすくするなら、次の形で頭に入れるのがおすすめです。
| 気持ち | えらびがちな行動 | 本当におすすめの行動 | 伝えたいこと |
|---|---|---|---|
| 早く終わらせたい | 近道や手抜きをしたくなる | 安全で確実な方法を選ぶ | 結局そのほうが早い |
この表の形で見ると、意味が一気に整理しやすくなります。
ただし、ただ遅くすればよいという意味ではありません。
大事なのは、時間をむだにしないために、失敗しにくいやり方を選ぶことです。
言いかえるなら、急ぐ気持ちをなくすのではなく、急ぐ気持ちにふり回されないことが大切です。
この考え方がつかめると、例文を読むときも、作文を書くときも、意味から外れにくくなります。
小学生でもわかる使い方
どんな場面で使うの?
このことわざは、急いでいる人に、あわてて危ない方法を選ばないように伝えるときに使います。
だから、ただ時間がかかるだけの場面ではなく、遠回りでも確実な方法を選ぶときにぴったり合います。
たとえば、宿題を終わらせたいからといって問題をよく読まずに進めると、あとで全部直すことになるかもしれません。
そんなときは、最初に問題文をしっかり読んだほうが、結局は早く終わります。
これなら、このことわざを自然に使えます。
ほかにも、工作で急いでのりを多くつけすぎて紙がずれたり、忘れ物をしないように走って家を出たのに大事なものを置いてきたりする場面でも使えます。
反対に、ただゆっくり歩いているだけの人に向かって言うのは、少しずれています。
この言葉には、急ぎたい気持ちと、失敗しやすい状況の両方があるほうが自然です。
使う場面を考えるときは、急ぐ、あわてる、近道したくなる、でも確実な方法を選ぶ、という流れがあるかどうかを見るとわかりやすいです。
この流れがそろっていれば、かなり上手に使えています。
学校や家で使いやすい言い方
日常で使うなら、長く言うより、短く言うほうが自然です。
たとえば、「あわてないで、急ぐときこそ確実にやろう。」とひと言そえるだけでも、このことわざの考え方が伝わります。
ことわざそのものを使うなら、「ここは急がば回れだね。」という形がいちばん言いやすいです。
宿題の場面なら、「答えを急いで書くより、問題をよく読んだほうがいいよ。ここは急がば回れだね。」のように言えます。
家での場面なら、「出かける前に持ち物を一度確かめよう。急がば回れだよ。」という言い方が自然です。
大事なのは、言葉だけを急に入れないことです。
どこが遠回りで、どこが確実なのかがわかる文にすると、読み手にも伝わりやすくなります。
たとえば、「ノートを見直してから出した。急がば回れだと思った。」のように、行動と気持ちをセットで書くと、作文でもきれいにまとまります。
ふだんから短い形で口にしておくと、国語の問題でも使いやすくなります。
使うときの注意点
このことわざは、何でもゆっくりやればよいという意味ではありません。
辞書の説明にある通り、大切なのは安全で確実な方法を選ぶことであって、ただ時間をかけることそのものではありません。
そのため、「朝ねぼうしたので、急がば回れと思って二度ねした。」のような文は不自然です。
これは確実な方法を選んだのではなく、ただ行動をおくらせているだけだからです。
また、相手をしかるように強く使いすぎると、きつい言い方に聞こえることがあります。
友だちに使うなら、「あわてなくて大丈夫だよ。」や「ここはていねいにやろう。」のように、やわらかい言葉を前につけると話しやすくなります。
作文では、このことわざを書いたあとに、なぜそう思ったのかを一文入れるのがコツです。
理由がないと、ことわざだけが浮いて見えるからです。
意味を正しく使うためには、急いで失敗しそうな場面と、確かな方法を選ぶ場面の二つを、必ず文の中に入れるようにしましょう。
すぐ使える例文
宿題・勉強の例文
勉強の場面では、このことわざはとても使いやすいです。
小学生にとっていちばん身近なのは、宿題、テスト、漢字、計算の場面です。
まずは短い文から見ていきましょう。
「計算を急いでまちがえるより、式を書いたほうが早い。まさに急がば回れだ。」
「漢字をあわてて書くと書き直しになるので、ていねいに書いた。急がば回れだと思った。」
「テストで見直しをとばしたらまちがいが増えるので、先に確かめた。急がば回れだ。」
「読書感想文をすぐ書き始めるより、心に残った場面をメモしてから書いた。急がば回れだった。」
「自由研究は、先にテーマを決めてから調べたほうが、あとで困らなかった。急がば回れだと感じた。」
このことわざが勉強で使いやすいのは、急ぐと失敗しやすい場面が多いからです。
とくに、問題を読み飛ばす、見直しをしない、考えずに答えを書く、という失敗はよくあります。
そんなときに、いったん立ち止まって手順を整えることが、結果としていちばん早い方法になります。
作文で使うなら、「わたしは算数のテストで、早く終わらせようとしてよくまちがえていた。けれど、式を書いて順番に考えるようにしたら、前より正しく解けるようになった。そのとき、このことわざの意味がよくわかった。」のように書くと、体験と結びついて自然です。
登校・生活の例文
生活の中でも、このことわざはよく合います。
学校へ行く前や、外へ出る前の準備は、急ぐほどまちがえやすいからです。
使いやすい例文を見てみましょう。
「早く学校に行こうとして走り出す前に、時間わりを見直した。急がば回れだと思った。」
「近道を通ろうとしたが、工事をしていたので、いつもの道を通った。急がば回れだった。」
「出かける前に持ち物をもう一度たしかめたら、連絡帳のわすれものに気づいた。急がば回れだ。」
「そうじを早く終わらせようとして、物をまとめて運んだら落としそうになった。少しずつ運ぶほうが早かった。急がば回れだ。」
「くつひもを急いで結んでほどけるより、しっかり結ぶほうが安心だ。急がば回れである。」
このことわざは、ただ遠い道を選ぶ話だけではありません。
安全でたしかなやり方を選ぶ話なので、生活のいろいろな場面に広げて使えます。
たとえば、ランドセルの用意、雨の日の道えらび、そうじの進め方、体育の準備なども、全部この考え方につながります。
作文では、できごとが目に浮かぶように、「いつ」「どこで」「何を急いでいたのか」を先に書くと、ことわざが自然に入ります。
短い文なら、「雨の日は走らず、ゆっくり階段を下りた。急がば回れだ。」のようにまとめると、すっきりした一文になります。
作文に使いやすい例文
作文では、ただ一文だけ入れるより、前後に理由や気持ちを書くとぐっと上手に見えます。
まずはそのまま使いやすい形の例文をいくつか紹介します。
「わたしは、早く終わらせたいと思うと、ついあわててしまいます。けれども、そんなときほど、ていねいに進めたほうがよいことに気づきました。急がば回れとは、このようなときにぴったりの言葉です。」
「図工の時間に、早く完成させようとして急いだら、紙がずれてしまいました。そこで、次からは順番をたしかめながら作ることにしました。遠回りに見えても、そのほうがうまくいくので、急がば回れだと思いました。」
「朝、急いで家を出ようとしていたとき、母に持ち物を見直すように言われました。少し時間はかかりましたが、水とうをわすれていたことに気づきました。そのとき、急ぐときほど落ち着くことが大切だとわかりました。」
「テストで早く終わったので安心していたら、見直しでまちがいを二つ見つけました。はじめから落ち着いて考えていればよかったと思いました。急がば回れという言葉を、これからはもっと大切にしたいです。」
「わたしは、何でも早くしたほうがよいと思っていました。しかし、急ぐと失敗することもあります。遠回りでも、たしかなやり方をえらぶことが、結局はいちばんよい方法だと学びました。」
作文でいちばん大切なのは、自分の体験に近い場面を選ぶことです。
むずかしい話を書くより、宿題、登校、片づけ、遊びの約束など、身近な場面で書いたほうが言葉が自然になります。
ことわざは、使うだけで作文がよくなる魔法の言葉ではありません。
意味に合った場面で、自分の気づきといっしょに書くからこそ、心に残る文章になります。
似たことばと間違えやすい使い方
「急いては事を仕損じる」との違い
「急いては事を仕損じる」は、あまり急ぐとうまくいかず、失敗してしまうという意味のことわざです。
辞書でも、あまり急ぐとかえって失敗に終わると説明されていて、このことわざと近い意味をもつ言葉として扱われています。
二つはとてもよく似ていますが、少し見方がちがいます。
前者は、急ぎすぎると失敗するという点を強く言っています。
一方で、今ここで扱っていることわざは、失敗をさけるために、遠回りでも確実な方法を選ぼうという点まで入っています。
つまり、一つは失敗への注意で、もう一つは上手な進み方の提案です。
たとえば、「走って階段を下りると危ないよ。」というのは前者の感じに近いです。
「急がず手すりを持って下りたほうが安全だよ。」というのは後者の感じに近いです。
どちらも似ていますが、後者のほうが、どう行動すればよいかまで示していると覚えるとわかりやすいです。
間違えやすい例文
ことわざは意味がわかっていても、文にすると少しずれてしまうことがあります。
たとえば、「早く行きたいので、近道を走った。急がば回れだ。」という文は不自然です。
この文では、近道を走っていて、遠回りでも確実な方法を選んでいません。
だから、このことわざの意味とは合いません。
自然な文に直すなら、「早く行きたい気持ちはあったが、あぶない細い道は通らず、明るい道を選んだ。急がば回れだと思った。」となります。
また、「何もしないで待っていた。急がば回れだ。」も不自然です。
行動をやめただけでは、この言葉のよさが出ません。
大切なのは、失敗しにくい方法を自分で選び直していることです。
文を作るときは、急ぐ気持ち、失敗しそうなやり方、確実なやり方、この三つが入っているかを確かめると、かなりまちがいにくくなります。
テストで役立つ覚え方
テストでは、意味を書く問題、使い方を選ぶ問題、短文を作る問題が出やすいです。
意味を書くときは、「急ぐときほど、遠回りでも安全で確実な方法を選んだほうが、結局はうまくいくこと。」とまとめると書きやすいです。
短くするなら、「急ぐときほど、確実な方法を選ぶこと。」でも通じやすいです。
覚え方のコツは、近道と遠回りを比べる絵を頭に浮かべることです。
近道には、あわてる、あぶない、失敗しやすい、という言葉をつけます。
遠回りには、落ち着く、安全、確実、結局早い、という言葉をつけます。
この二つをセットで覚えると、似た意味のことわざと混ざりにくくなります。
もう一つのコツは、自分の失敗した経験と結びつけることです。
たとえば、「問題をよく読まなかったせいでまちがえた。」という経験があれば、その場面を思い出すだけで意味がよみがえります。
国語では、ことわざは意味を知るだけでなく使うことが大切だと示されているので、短文作りまで練習しておくと力になります。
由来と覚え方
「急がば回れ」の由来
このことわざは、古い和歌に見られる表現と深く結びついています。
辞書では、室町時代にはすでに広く知られていた古いことわざで、古歌「もののふのやばせの船は早くともいそがば廻れ瀬田の長橋」がよく出典として挙げられると説明されています。
また、精選版日本国語大辞典では、この表現の初出実例として、1514年の『雲玉和歌抄』が示されています。
この歌に出てくる矢橋は、琵琶湖を渡る船の出る場所として知られていました。
一方の瀬田の長橋は、今の瀬田の唐橋につながる橋で、古くから交通の大切な場所でした。
つまり、このことわざは、ただ頭の中で作られた話ではなく、実際の交通の知恵と結びついた言葉として伝わってきたのです。
由来まで知ると、近道と遠回りのイメージがぐっとはっきりします。
言葉は短いですが、その後ろには昔の人の経験がつまっています。
どうしてこの意味になったの?
滋賀県の文化財関係資料では、矢橋の渡しは大津と草津方面を東西に結ぶ短縮ルートであり、瀬田橋を渡る陸路は大回りのルートだったことが説明されています。
そのため、見た目には船で渡るほうが近くて早そうに見えました。
ただし、地域の歴史資料では、湖上交通は風や波の影響を受けやすく、ことわざの語源として知られる歌も、そうした危険のある航路より橋を回るほうがよいという感覚と結びつけて紹介されています。
だからこそ、急ぐなら船、ではなく、急ぐなら橋を回れ、という逆の言い方が生まれたのです。
この考え方は、今の生活にもそのまま当てはまります。
早そうに見える方法が、ほんとうに早いとは限りません。
準備不足のまま始めること、確認をとばすこと、手順を省くことは、どれも近道のように見えて、あとで時間を失いやすいです。
昔の橋と船の話は、今の宿題やテストや生活の場面にもつながっています。
このつながりがわかると、ことわざは昔のむずかしい言葉ではなく、自分の毎日に使える言葉になります。
覚えやすくする工夫
覚えるときは、意味だけを暗記しようとすると忘れやすいです。
おすすめは、場面、絵、短い言いかえの三つをいっしょに使うことです。
場面は、宿題を急いでまちがえる場面でも、雨の日に安全な道を選ぶ場面でもかまいません。
絵は、ぬかるんだ近道と、広くて安全な道を頭の中でくらべれば十分です。
短い言いかえは、「急ぐときほど、確実に。」がおすすめです。
さらに、由来まで知っておくと記憶に残りやすくなります。
文部科学省の資料でも、三年生と四年生ではことわざの意味を知って使うこと、五年生と六年生では言葉の由来に関することを理解することが示されています。
そのため、意味だけ覚えるより、どこから生まれた言葉なのかまで知っておくほうが、学習としても深くなります。
最後は、自分の言葉で一文作れたら合格です。
「急いでいても、ていねいに進めたほうが結局は早い。」と自分で言えれば、もう意味はしっかり身についています。
「急がば回れ」まとめ
このことわざは、急ぐときほど、危ない近道ではなく、安全で確実な方法を選んだほうが、結局はうまくいくという教えです。
小学校の国語でも、ことわざは意味を知って使うことが大切にされているので、意味だけでなく、短文や作文で使えるようにしておくと力になります。
また、この言葉は琵琶湖の矢橋の渡しと瀬田の長橋に結びつく歴史をもち、昔の人の交通の知恵が今の生活にも通じることを教えてくれます。
宿題でも、テストでも、出かける準備でも、早く終わらせたいときほど落ち着いて確かな方法を選ぶことが、本当の意味での近道になります。
