「矢継ぎ早に話す」と聞くと、なんとなく「早口で話すことかな」と思う人も多いかもしれません。
たしかに似た意味はありますが、実は少し違います。
この言葉のポイントは、話すスピードそのものよりも、言葉や話題が次々と続くことです。
たとえば、質問を一つ答える前にまた次の質問が来たり、説明がどんどん続いて聞く側が追いつかなかったりする場面で使われます。
この記事では、「矢継ぎ早に話す」の意味、語源、使い方、例文、似た言葉との違いをわかりやすく解説します。
ビジネスメールで使ってよいのか、やわらかく言い換えるにはどうすればよいのかも紹介します。
読み終わるころには、この言葉をただ知っているだけでなく、場面に合わせて自然に使い分けられるようになります。
「矢継ぎ早に話す」の意味をわかりやすく解説
読み方は「やつぎばやに話す」
「矢継ぎ早に話す」は、「やつぎばやにはなす」と読みます。
「矢継ぎ早」は少し硬い言葉ですが、日常会話でも文章でも使われる表現です。
読み方で迷いやすいのは、「矢継ぎ」の部分です。
「やつぎ」と読み、「やつぎばや」と続けて読みます。
「矢継ぎ早」という言葉は、辞書では「続けざまに早く行うこと」や「矢を続けて射る技の早いこと」と説明されています。
そのため、会話に使うと「話す内容が次から次へと出てくる様子」を表します。
たとえば、相手が質問に答える間もなく、次の話題をどんどん出してくる場面です。
「矢継ぎ早に話す人」と言うと、ただ早口なだけではなく、言葉や話題が間を置かずに続く人をイメージするとわかりやすいでしょう。
少し古風で文章向きの言葉ではありますが、意味を知っておくとニュース記事やビジネス文書でも読み取りやすくなります。
意味は「次々と続けざまに話すこと」
「矢継ぎ早に話す」とは、言葉を次々と続けざまに出して話すことです。
大事なのは、「一つ話したら、すぐ次を話す」という連続した感じです。
辞書では「矢継ぎ早」は「続けざまに早く行うこと」とされています。
また、集英社のイミダスでも「続けざまに行うこと」「あとからあとから」と説明されています。
この意味から考えると、「矢継ぎ早に話す」は「あとからあとから言葉が出てくるように話す」というイメージになります。
たとえば、上司が部下に対して「これは確認したのか」「資料は送ったのか」「相手には連絡したのか」と続けて聞く場面があります。
この場合、「上司は矢継ぎ早に話した」と表現できます。
一つひとつの言葉が短くても、間を置かずに続けば「矢継ぎ早」と言えます。
反対に、話すスピードが少し速くても、きちんと間を取りながら話しているなら、必ずしも「矢継ぎ早」とは言いません。
「早口で話す」とは少し違う
「矢継ぎ早に話す」と「早口で話す」は似ていますが、同じ意味ではありません。
「早口」は、辞書で「しゃべり方が早いこと」と説明されています。
つまり、「早口」は声に出すスピードそのものに注目した言葉です。
一方で「矢継ぎ早」は、話す内容が続けざまに出てくることに注目した言葉です。
たとえば、一文をものすごく速く話す人は「早口な人」と言えます。
しかし、その人が一つ話してからしっかり間を取るなら、「矢継ぎ早に話す」とは言いにくいです。
反対に、話すスピードは普通でも、質問や説明を休みなく続けるなら「矢継ぎ早に話す」と言えます。
この違いを知っておくと、文章で表現するときに自然になります。
「早口」はスピードです。
「矢継ぎ早」は連続です。
このように覚えると、かなり使い分けやすくなります。
良い意味・悪い意味のどちらでも使われる
「矢継ぎ早に話す」は、使う場面によって良い意味にも悪い意味にもなります。
良い意味では、頭の回転が速く、次々と説明できる様子を表せます。
たとえば、専門家が質問に対して迷わず答えを重ねる場面では、「矢継ぎ早に説明した」と書くことで、知識の豊富さや対応の速さが伝わります。
一方で、悪い意味では、相手に考える時間を与えない話し方として受け取られることがあります。
質問を続けすぎると、相手は責められているように感じるかもしれません。
「矢継ぎ早に問い詰める」と書くと、かなり強い圧迫感が出ます。
つまり、この言葉そのものに必ず悪い意味があるわけではありません。
ただし、「話す」「質問する」「問い詰める」など、後ろにつく言葉によって印象が変わります。
やさしく言いたいときは、「次々と話す」「続けて説明する」などの表現に変えると、きつさを抑えられます。
まず覚えておきたい一言まとめ
「矢継ぎ早に話す」は、「間を置かず、次々と続けて話す」という意味です。
単に口の動きが速いのではなく、話題や言葉が連続して出てくる様子を表します。
そのため、「早口」と完全に同じ意味で使うと、少しずれることがあります。
会話のスピードを言いたいなら「早口で話す」が自然です。
話す内容が次から次へと続く感じを言いたいなら「矢継ぎ早に話す」が合います。
たとえば、「彼は早口で自己紹介した」と言えば、話すスピードが速かった印象になります。
「彼は矢継ぎ早に質問した」と言えば、質問が次々と続いた印象になります。
まずは、「速さよりも連続」と覚えておけば大きく間違いません。
この言葉は少し硬めなので、友達との会話よりも、文章、ニュース、ビジネス場面で使うと自然に見えます。
「矢継ぎ早」の語源とニュアンス
もとは弓で矢を続けて射る様子
「矢継ぎ早」は、もともと弓に関係する言葉です。
辞書では、「矢を続けて射る技の早いこと」という意味も示されています。
弓を射るときは、一本の矢を放ったあと、すぐ次の矢を用意して射ます。
この動作が素早く続く様子から、何かを続けざまに行う意味へ広がったと考えるとわかりやすいです。
現代では、本当に弓を射る場面だけでなく、質問、説明、連絡、発表などにも使われます。
たとえば、「記者が矢継ぎ早に質問した」という表現では、矢を射るように質問が次々と飛んでくるイメージがあります。
この語源を知ると、「矢継ぎ早」がただの速さではなく、次の動作にすぐ移る感じを含んでいることがわかります。
「早い」と書くのでスピードだけに注目しがちですが、実際には「続けざま」という意味が中心です。
「矢を継ぐ」から生まれたスピード感
「矢継ぎ」の「継ぎ」は、次のものをつなぐことを表します。
矢を放ったあとに、次の矢をすばやくつがえるような動きが「矢継ぎ早」のもとのイメージです。
この言葉には、休まずに次へ進むスピード感があります。
たとえば、話し手が「それから」「さらに」「もう一つ」と続けて話すと、聞き手は少し追いかけるような感覚になります。
その感覚が「矢継ぎ早に話す」に近いです。
話し方そのものが速い場合もありますが、それ以上に「止まらない感じ」が大事です。
会議で一人が次々と論点を出す場面にも使えます。
先生が授業中に大事なポイントを続けて説明する場面にも使えます。
ただし、聞き手が理解する前に話が進むと、置いていかれた印象になります。
だからこそ、「矢継ぎ早」は便利な表現であると同時に、少し圧のある言葉にもなります。
現代では会話・質問・連絡にも使う
現代の使い方では、「矢継ぎ早に質問する」が特によく合います。
辞書の例文にも「矢継ぎ早に質問する」という形が示されています。
質問は一つずつ答える時間が必要です。
それなのに、次から次へと質問が来ると、答える側は落ち着きにくくなります。
このような状況を表すのに「矢継ぎ早」はぴったりです。
また、会話だけでなく連絡にも使えます。
たとえば、チャットで短いメッセージを何通も送ったり、メールで追加の連絡を続けたりする場面です。
ただし、メールやチャットで使う場合は、「矢継ぎ早に失礼します」よりも「続けてのご連絡失礼いたします」のほうがやわらかく伝わることがあります。
「矢継ぎ早」は意味が正しくても、少し硬く、相手によっては大げさに感じる可能性があります。
場面に合わせて、自然な言い方を選ぶことが大切です。
「急いでいる感じ」が伝わる言葉
「矢継ぎ早に話す」と聞くと、落ち着いてゆっくり話している印象にはなりません。
むしろ、急いでいる、焦っている、勢いがある、といった印象が出ます。
これは「続けざまに早く行う」という意味があるためです。
たとえば、「彼女は矢継ぎ早に説明した」と書くと、説明がどんどん進んでいく様子が浮かびます。
「彼は矢継ぎ早に事情を話した」と書くと、何か急いで伝えたいことがあるように感じます。
このように、言葉の意味だけでなく、文章全体にスピード感を加える効果があります。
ただし、急いでいる感じは、必ずしも良い印象だけではありません。
相手に余裕がないように見えることもあります。
また、聞き手を置き去りにしている印象になることもあります。
文章で使うときは、その人物をどう見せたいのかを考えて選ぶとよいでしょう。
使う場面によって印象が変わる
「矢継ぎ早」は、同じ言葉でも場面によって印象が変わります。
たとえば、スポーツの実況で「矢継ぎ早に攻撃を仕掛けた」と言えば、勢いのある良い印象になります。
ビジネスの報告で「矢継ぎ早に対応した」と言えば、行動の早さが伝わります。
一方で、「矢継ぎ早に責めた」と言えば、相手を追い込むような強い印象になります。
「矢継ぎ早に話した」も、文脈によっては熱心に説明したようにも、落ち着きなく話したようにも読めます。
この言葉は、読み手にスピード感を伝える力があります。
そのぶん、冷静さや丁寧さを伝えたい場面では、別の表現を選んだほうが自然な場合もあります。
「続けて説明した」「順を追って話した」「一気に説明した」などに言い換えると、印象を調整できます。
言葉の意味だけでなく、読んだ人がどう受け取るかまで考えると、より上手に使えます。
「矢継ぎ早に話す」の使い方と例文
日常会話で使う例文
日常会話で「矢継ぎ早に話す」を使うなら、少し説明的な場面が自然です。
たとえば、友人が旅行の思い出を止まらない勢いで話したときに使えます。
「彼は帰ってくるなり、旅先で起きた出来事を矢継ぎ早に話した。」
この文では、旅の話が次々と出てきた様子が伝わります。
また、家族の会話でも使えます。
「母は今日あったことを矢継ぎ早に話し、私は相づちを打つだけで精いっぱいだった。」
この場合は、話す側の勢いと、聞く側が少し圧倒されている感じが出ます。
日常会話で使うと少し硬く聞こえることもあるので、話し言葉では「次々に話した」「一気に話した」のほうが自然なこともあります。
ただし、文章にすると「矢継ぎ早に話した」のほうが場面をはっきり描写できます。
小説、エッセイ、感想文などで使うと、人物の勢いが伝わりやすくなります。
ビジネスで使う例文
ビジネスでは、「話す」よりも「質問する」「確認する」「説明する」と組み合わせると自然です。
たとえば、会議の場面では次のように使えます。
「担当者は新しい方針について、要点を矢継ぎ早に説明した。」
この文では、説明が素早く連続して行われたことが伝わります。
質問の場面なら、次のように使えます。
「取引先から仕様や納期について矢継ぎ早に質問を受けた。」
この文では、質問が次々に出され、対応する側に少し負荷がかかった印象があります。
社内のやり取りなら、次の文も自然です。
「部長は会議の終盤で、今後の課題を矢継ぎ早に挙げた。」
ビジネス文では、相手を批判しているように見えないか注意が必要です。
「相手が矢継ぎ早に話した」と書くと、少しせわしない印象になることがあります。
社外向けの文章では、「続けてご説明いただきました」「複数の点についてご説明いただきました」のように、やわらかく書くほうが無難です。
会議・面接・電話で使う例文
会議では、議論が活発な場面を表すのに使えます。
「参加者から改善案が矢継ぎ早に出され、会議は予定より早く具体策に進んだ。」
この文では、意見が次々と出る良い流れが伝わります。
面接では、少し緊張感のある場面に使えます。
「面接官から志望理由や経験について矢継ぎ早に質問され、頭の中を整理する時間がなかった。」
この場合は、質問の連続によって応募者が少し焦った様子が伝わります。
電話では、相手が一気に用件を伝える場面に使えます。
「電話口の相手は、変更点と注意事項を矢継ぎ早に話した。」
電話は表情が見えないため、連続して話されると情報を聞き逃しやすくなります。
そのため、電話で「矢継ぎ早に話す」状態になったときは、「一点ずつ確認させてください」と言うと落ち着いて対応できます。
このように、会議、面接、電話では、話の連続性と緊張感を表す言葉として使いやすいです。
「矢継ぎ早に質問する」との違い
「矢継ぎ早に話す」と「矢継ぎ早に質問する」は、似ていますが少し印象が違います。
「話す」は広い言葉です。
説明する、報告する、雑談する、事情を伝えるなど、いろいろな内容を含みます。
一方で「質問する」は、相手に答えを求める行動です。
そのため、「矢継ぎ早に質問する」と言うと、相手が答える前に次の質問を重ねるような圧が出やすくなります。
辞書でも「矢継ぎ早」の例として「矢継ぎ早に質問する」が示されています。
たとえば、「記者は大臣に矢継ぎ早に質問した」と書くと、質問が連続して飛ぶ緊迫した場面が浮かびます。
「彼は事情を矢継ぎ早に話した」と書くと、話し手が一方的にどんどん説明している印象になります。
質問は相手の返答が必要なため、「矢継ぎ早」と組み合わせると、やや強めの表現になります。
相手への配慮を出したいときは、「続けて質問してしまい恐縮ですが」のような表現に変えるとやわらかくなります。
不自然になりやすい使い方
「矢継ぎ早に話す」は、どんな会話にも使えるわけではありません。
まず、ゆっくりした会話には合いません。
「彼は一語一語かみしめながら、矢継ぎ早に話した」と書くと、意味がぶつかります。
「一語一語かみしめる」はゆっくり丁寧な印象で、「矢継ぎ早」は次々と続く印象だからです。
また、一回だけの発言にも合いません。
「彼はおはようと矢継ぎ早に話した」は不自然です。
「矢継ぎ早」は、複数の言葉や行動が続くときに使う表現です。
さらに、相手をほめるつもりで使うときにも注意が必要です。
「矢継ぎ早に話してくださり、ありがとうございました」と言うと、相手が急ぎすぎたように聞こえる場合があります。
感謝を伝えるなら、「詳しくご説明いただき、ありがとうございました」のほうが自然です。
「矢継ぎ早」は便利ですが、やや勢いの強い言葉です。
丁寧さを大切にする場面では、別の言い方にしたほうが安心です。
類語・言い換え・似た言葉との違い
「次々に話す」との違い
「次々に話す」は、「矢継ぎ早に話す」よりもやわらかく、日常的な表現です。
「次々」は、あとからあとから物事が現れる様子を表す言葉です。
「矢継ぎ早に話す」は少し硬く、スピード感や勢いが強く出ます。
一方で「次々に話す」は、単に話題が続くことを表しやすいです。
たとえば、「子どもたちは今日あったことを次々に話した」と言えば、明るく自然な印象になります。
これを「子どもたちは今日あったことを矢継ぎ早に話した」とすると、かなり勢いがあり、聞く側が少し圧倒された感じになります。
つまり、やさしく言いたいときは「次々に話す」が向いています。
文章にスピード感を出したいときは「矢継ぎ早に話す」が向いています。
会話の内容が楽しいものなのか、緊張感のあるものなのかで使い分けると自然です。
迷ったときは、まず「次々に話す」を選ぶと、きつい印象になりにくいです。
「立て続けに話す」との違い
「立て続け」は、辞書で「同じことや似たことが間を置かずに続けて行われること」と説明されています。
この意味から見ると、「立て続けに話す」は「間を置かずに話が続く」という点で「矢継ぎ早に話す」とかなり近いです。
ただし、ニュアンスには少し違いがあります。
「立て続け」は、出来事が連続していることを広く表します。
たとえば、「立て続けに電話が来た」「立て続けに失敗した」のように、会話以外にも自然に使えます。
「矢継ぎ早」は、より勢いとスピード感が強い言葉です。
矢が次々と飛ぶようなイメージがあるため、ただ連続するだけでなく、少し忙しい印象になります。
「立て続けに話した」は、連続して話した事実を落ち着いて伝える表現です。
「矢継ぎ早に話した」は、話し方の勢いまで伝える表現です。
ビジネスメールでは、「矢継ぎ早に失礼します」より「立て続けのご連絡失礼いたします」のほうがやわらかく見えることがあります。
「まくし立てる」との違い
「まくし立てる」は、「矢継ぎ早に話す」よりも強い表現です。
辞書では、「勢いよく続けざまにしゃべる」と説明されています。
また、精選版日本国語大辞典では「息もつかせず、はげしく言い立てる」といった意味も示されています。
このため、「まくし立てる」は相手に強く迫るような印象があります。
たとえば、「店員に不満をまくし立てた」と書くと、かなり感情的に話している感じが出ます。
一方で、「矢継ぎ早に話した」は、必ずしも怒っているとは限りません。
説明が続いた場合にも使えますし、質問が続いた場合にも使えます。
つまり、「まくし立てる」は感情や勢いの強さが目立つ言葉です。
「矢継ぎ早に話す」は、連続して話す様子を表す言葉です。
相手を批判したいわけではないなら、「まくし立てる」は避けたほうがよいでしょう。
やや冷静に表現したいなら、「矢継ぎ早に話す」や「立て続けに話す」が向いています。
「早口で話す」との違い
「早口で話す」は、話すスピードが速いことを表します。
辞書でも「早口」は「しゃべり方が早いこと」と説明されています。
そのため、「早口で話す」は、声に出すテンポそのものに注目する言葉です。
一方で、「矢継ぎ早に話す」は、話の内容や発言が続けざまに出ることに注目します。
たとえば、アナウンサーのように滑らかで速い話し方は「早口」と言えます。
しかし、話題が一つだけなら「矢継ぎ早」とは言いにくいです。
反対に、話すスピードは普通でも、質問や説明を休みなく続ければ「矢継ぎ早」と言えます。
この違いはとても大切です。
「早口」は口の速さです。
「矢継ぎ早」は内容の連続です。
「彼は早口で話した」は、聞き取りにくかった印象につながることがあります。
「彼は矢継ぎ早に話した」は、情報が次々と出てきて追いつきにくかった印象につながります。
「五月雨式」と混同しないポイント
「五月雨式」は「さみだれしき」と読みます。
辞書では、「断続的に物事が行われること」や「一度で終わらず、とぎれながらも何度か続けて行うこと」と説明されています。
ここで大事なのは、「断続的」という点です。
「矢継ぎ早」は、間を置かずに次々と続く感じです。
「五月雨式」は、少し途切れながら何度か続く感じです。
たとえば、短時間で連続して質問するなら「矢継ぎ早に質問する」が自然です。
一方で、時間を空けながら何度もメールを送るなら「五月雨式に連絡する」が合います。
ビジネスでは「五月雨式に失礼いたします」という表現を見ることがありますが、これは連絡が一度にまとまらず、何度かに分かれるときの表現です。
「矢継ぎ早に失礼いたします」は、連続して急に連絡している印象が強くなります。
どちらも「続く」意味を持ちますが、連続しているのか、途切れながら続いているのかが違います。
ビジネスで使うときの注意点と印象をやわらげる表現
「矢継ぎ早に申し訳ございません」は使える?
「矢継ぎ早に申し訳ございません」は、意味としては通じます。
連続して質問したり、続けて連絡したりすることに対して、申し訳なさを伝える表現です。
ただし、いつでも最適とは限りません。
「矢継ぎ早」は少し硬く、勢いの強い言葉です。
そのため、相手によっては「かなり急かされている」と感じる可能性があります。
社内のチャットやメールなら、「続けてのご連絡となり失礼いたします」のほうが自然でやわらかいです。
質問が続く場合は、「続けての確認で恐縮ですが」とすると、相手への配慮が伝わります。
会話中なら、「一度にたくさん聞いてしまってすみません」と言うほうが親しみやすいです。
「矢継ぎ早に申し訳ございません」は間違いではありませんが、少し文章向きです。
相手との距離が近いなら、もっと平たい言い方にしたほうが伝わりやすいでしょう。
相手を急かしている印象になる場合がある
「矢継ぎ早に話す」は、相手に考える時間を与えない印象につながることがあります。
特に、質問や依頼と組み合わせると注意が必要です。
「矢継ぎ早に質問する」は、質問が次々と飛ぶ場面を表します。
そのため、聞かれる側は急かされているように感じるかもしれません。
仕事では、相手にも確認、判断、返答の時間が必要です。
自分では効率よく進めているつもりでも、相手にはプレッシャーになることがあります。
たとえば、チャットで短文を何度も送ると、相手の通知が続きます。
その結果、相手は「すぐ返さなければ」と感じやすくなります。
急ぎのときほど、内容を一度まとめることが大切です。
「確認したい点は三つあります」と先に伝えるだけでも、相手は落ち着いて読めます。
「矢継ぎ早」な印象を避けたいなら、質問を整理し、順番をつけ、返答の期限も明確にするとよいでしょう。
メールで使うときの注意点
メールで「矢継ぎ早」という言葉を使うときは、相手との関係と文面の硬さに注意しましょう。
メールは文章だけで印象が決まります。
そのため、少し強い言葉を使うと、思ったより冷たく見えることがあります。
たとえば、「矢継ぎ早にご連絡してしまい申し訳ございません」は、丁寧ではあります。
しかし、やや大げさに感じる人もいるかもしれません。
より自然にするなら、「続けてのご連絡となり失礼いたします」が使いやすいです。
追加で確認したいときは、「追加で一点確認させてください」がわかりやすいです。
何度もメールを送ってしまった場合は、「何度もご連絡してしまい申し訳ございません」が自然です。
重要なのは、言葉のかっこよさよりも、相手が読みやすいことです。
ビジネスメールでは、難しい表現を使うより、状況がすぐ伝わる表現を選ぶほうが親切です。
「矢継ぎ早」は文章表現として便利ですが、謝罪や依頼ではやわらかい言い換えも覚えておくと安心です。
やわらかい言い換えフレーズ
「矢継ぎ早に話す」をやわらかく言い換えるなら、場面ごとに表現を選ぶのがコツです。
会話なら、「一気に話す」「続けて話す」「次々に話す」が自然です。
ビジネスなら、「続けてご説明する」「複数の点をまとめてお伝えする」「順にご説明する」が使いやすいです。
質問なら、「続けて質問する」よりも「いくつか確認させていただく」のほうが丁寧です。
謝罪を入れるなら、「続けての確認となり恐縮ですが」が便利です。
メールでは、「立て続けのご連絡となり失礼いたします」も使えます。
「立て続け」は、間を置かずに続けて行われることを表す言葉です。
そのため、短い時間に複数回連絡した場合に合います。
ただし、何度か時間を空けて連絡する場合は、「五月雨式に失礼いたします」のほうが合うことがあります。
「五月雨式」は、途切れながら何度か続くことを表すためです。
相手にやさしく伝えたいなら、「矢継ぎ早」をそのまま使うより、状況に合わせて言い換えるのがよいでしょう。
迷ったときの使い分け早見表
| 伝えたいこと | 自然な表現 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 話が次々と続く | 矢継ぎ早に話す | 文章、描写、ニュース調の表現 |
| 話すスピードが速い | 早口で話す | 会話のテンポを説明するとき |
| 質問が連続する | 矢継ぎ早に質問する | 緊張感のある場面 |
| やわらかく連続を伝える | 続けて話す | 日常会話、説明 |
| 連絡が短時間で続く | 立て続けに連絡する | メール、チャット |
| 連絡が途切れながら続く | 五月雨式に連絡する | 複数回に分かれる連絡 |
| 強い勢いで話す | まくし立てる | 怒り、不満、圧のある場面 |
「矢継ぎ早に話す」を使うか迷ったら、「相手に圧を感じさせたい表現かどうか」を考えると判断しやすくなります。
勢いや緊張感を出したいなら、「矢継ぎ早に話す」が合います。
やわらかく伝えたいなら、「続けて話す」や「次々に話す」が自然です。
会話のスピードだけを言いたいなら、「早口で話す」を使いましょう。
質問の連続を表したいなら、「矢継ぎ早に質問する」がぴったりです。
ただし、ビジネスメールで自分の行動をへりくだって伝えるときは、「続けてのご連絡」「立て続けのご連絡」のほうが無難です。
言葉は意味が合っているだけでなく、相手にどう響くかも大切です。
「矢継ぎ早に話す」の意味と使い方まとめ
「矢継ぎ早に話す」とは、間を置かず、次々と続けざまに話すことです。
辞書では「矢継ぎ早」は「続けざまに早く行うこと」と説明されており、もともとは矢を続けて射る様子にも関係する言葉です。
「早口で話す」と似ていますが、完全に同じではありません。
「早口」は話すスピードに注目する言葉です。
「矢継ぎ早」は、話や質問が連続することに注目する言葉です。
また、「まくし立てる」は勢いが強く、相手を圧倒する印象が出やすい表現です。
「立て続け」は間を置かず続くことを表し、「五月雨式」は途切れながら何度か続くことを表します。
ビジネスで使う場合は、相手に急かす印象を与えないように注意しましょう。
自分の連絡や質問について使うなら、「続けてのご連絡となり失礼いたします」「追加で一点確認させてください」のように言い換えると、やわらかく伝わります。
文章でスピード感を出したいときは「矢継ぎ早に話す」が便利です。
丁寧に伝えたいときは、相手との関係や場面に合わせて、より自然な表現を選びましょう。
