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親族・親戚・家族・姻族の違いとは?法律上の範囲と親等をわかりやすく解説

親族・親戚・家族・姻族の違いとは?法律上の範囲と親等をわかりやすく解説

家族、親戚、親族、姻族は、普段何気なく使っている言葉です。

しかし、「配偶者の兄弟は親族なのか」「いとこの配偶者は姻族なのか」「連れ子は法律上の子になるのか」と聞かれると、すぐには答えられない人も多いのではないでしょうか。

これらの違いは、日常会話だけでなく、相続、税金、忌引き休暇、公的な申請などにも関係します。

特に注意したいのは、親戚と呼んでいる人が必ずしも法律上の親族とは限らず、法律上の親族であっても法定相続人になるとは限らないことです。

この記事では、4つの言葉の違いを比較表で整理し、民法上の親族の範囲、親等の数え方、義父母やいとこの配偶者などの具体例を分かりやすく解説します。

家系図を頭に思い浮かべながら読み進めると、自分と相手の関係を正しく判断できるようになります。

目次

親族・親戚・家族・姻族の違いを最初に確認

親族・親戚・家族・姻族の違いが分かる比較一覧表

親族、親戚、家族、姻族は、どれも人と人とのつながりを表す言葉です。

ただし、法律で範囲が決められている言葉と、日常的な感覚で使われる言葉が混ざっています。

最初に、4つの違いを一覧で確認しておきましょう。

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言葉主な意味法律上の範囲使用例
家族生活や感情のつながりが深い人一律の範囲はない同居する親子、夫婦、パートナー
親戚血縁や結婚でつながる人を広く表す言葉一律の範囲はないおじ、おば、いとこ、配偶者の親族
親族民法で範囲が決められた人6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族父母、子、兄弟姉妹、配偶者、義父母
姻族結婚によって生じる関係3親等以内なら民法上の親族義父母、配偶者の兄弟姉妹、子の配偶者

民法第725条では、親族を「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」の3つに分けています。

家族や親戚は、この条文で範囲を定められた法律用語ではありません。

そのため、「家族ではあるが民法上の親族ではない」「親戚と呼んでいるが、法律上の親族の範囲外」というケースもあります。

日常会話では厳密に区別しなくても困らないことが多いものの、相続や税金、会社の休暇、公的な手続きでは意味の違いが重要になります。

「家族」は生活上のつながりを表すことが多い言葉

家族という言葉には、すべての場面に共通する一つの範囲があるわけではありません。

夫婦と子どもを家族と考える人もいれば、同居している祖父母、離れて暮らす親、事実婚のパートナー、ペットまで家族と考える人もいます。

血縁や婚姻だけではなく、一緒に生活していることや、お互いを支えていることを重視して使われる言葉です。

一方、公的な制度や会社の規則で「家族」と書かれている場合は、その制度ごとに対象者が決められていることがあります。

たとえば、年金制度の一部では、婚姻届を出していない事実婚の相手が配偶者として扱われる場合があります。

これに対して、所得税の配偶者控除では、事実婚の相手は民法上の配偶者に含まれないため、控除の対象にはなりません。

つまり、「家族だから同じ制度を利用できる」とは限りません。

申請書や会社の規定に家族という言葉が出てきたら、その書類に書かれた対象範囲を確認する必要があります。

「親戚」は血縁や婚姻によるつながりを広く表す言葉

親戚は、血縁や結婚によってつながっている人を広く表す日常的な言葉です。

おじ、おば、いとこ、はとこ、配偶者の両親などをまとめて親戚と呼ぶことがあります。

どこまでを親戚と呼ぶかは、人や家庭によって変わります。

付き合いの深いいとこを「近い親戚」と感じる人もいれば、ほとんど会ったことのないおじやおばを「遠い親戚」と感じる人もいるでしょう。

法律上の親族には、親等による明確な境界があります。

しかし、親戚には「何親等まで」という全国共通の決まりはありません。

そのため、親戚は人間関係を表すときには便利ですが、法律上の権利や義務を判断するときには不向きです。

相続、扶養、税金などを確認するときは、「親戚かどうか」ではなく、具体的な続柄や親等を確かめる必要があります。

「親族」は民法で範囲が定められている法律用語

親族は、民法で対象範囲が決められている法律用語です。

民法第725条による親族は、次の人たちです。

  • 6親等内の血族
  • 配偶者
  • 3親等内の姻族

血族とは、親子や兄弟姉妹のような血縁関係にある人だけを意味するわけではありません。

養子縁組によって法律上の親子関係が生じた養親と養子も、法律上は血族として扱われます。

姻族は、配偶者の血族と、自分の血族の配偶者を指します。

たとえば、配偶者の父母、自分の子の配偶者、自分の兄弟姉妹の配偶者などです。

ただし、姻族の全員が民法上の親族になるわけではありません。

親族に含まれるのは、3親等以内の姻族です。

法律上の親族であるかどうかは、相続以外にも、婚姻できる範囲、扶養、成年後見などの場面で関係します。

「姻族」は結婚によって生まれる親族関係

姻族とは、結婚をきっかけに生じる関係です。

国税庁は、姻族を「配偶者の血族」と「自己の血族の配偶者」と説明しています。

自分から見た配偶者の父母や兄弟姉妹は、配偶者の血族なので姻族です。

自分の子どもの配偶者や兄弟姉妹の配偶者は、自分の血族の配偶者なので、こちらも姻族です。

一方、配偶者の兄弟姉妹の配偶者は、配偶者の血族ではありません。

自分の血族の配偶者でもないため、自分とは姻族関係になりません。

日常会話では、どちらも「義理の兄」「義理の姉」と呼ばれることがありますが、法律上の関係は同じではないのです。

また、姻族と親族も完全に同じではありません。

いとこの配偶者は姻族ですが、4親等の姻族となるため、民法上の親族には含まれません。

法律上の親族はどこまで含まれる?

民法上の親族は6親等内の血族・配偶者・3親等内の姻族

民法上の親族は、際限なく広がるわけではありません。

血族は6親等以内、姻族は3親等以内という境界があります。

配偶者は、血族や姻族とは別に親族として定められています。

代表的な親族を整理すると、次のようになります。

関係親等民法上の親族
父母・子1親等の血族含まれる
祖父母・孫2親等の血族含まれる
兄弟姉妹2親等の血族含まれる
おじ・おば・甥・姪3親等の血族含まれる
いとこ4親等の血族含まれる
はとこ6親等の血族含まれる
配偶者親等なし含まれる
配偶者の父母1親等の姻族含まれる
配偶者の兄弟姉妹2親等の姻族含まれる
配偶者のおじ・おば3親等の姻族含まれる
いとこの配偶者4親等の姻族含まれない

血族については、普段ほとんど交流がない遠い相手でも、6親等以内であれば法律上の親族です。

反対に、長年家族同然に暮らしている相手でも、血族、法律上の配偶者、3親等内の姻族のいずれにも当たらなければ、民法第725条の親族には含まれません。

血族とは血縁または養子縁組でつながる人

血族には、自然な血縁によってつながる人と、法律によって血族と同じ関係が生じる人がいます。

実の父母、子ども、祖父母、兄弟姉妹などは、血縁による血族です。

養親と養子は、養子縁組によって法律上の親子関係が生じます。

民法第727条では、養子と養親、その血族との間には、養子縁組の日から血族間と同じ親族関係が生じると定められています。

法務省も、養子縁組を「養親と養子との間に法律上の親子関係を作り出す制度」と説明しています。

普通養子縁組では、原則として実親との親子関係も続きます。

そのため、養子は実親側と養親側の両方に法律上の親族関係を持つことがあります。

特別養子縁組では、原則として実親側との法律上の親子関係が終了し、養親との親子関係が成立します。

養子縁組の種類によって親族関係の残り方が異なるため、相続などでは戸籍をもとに確認することが大切です。

配偶者は親族に含まれるが親等は付かない

法律上の配偶者は、民法第725条で親族として明記されています。

ただし、配偶者を1親等や0親等と数えるわけではありません。

民法では、血族、配偶者、姻族を分けて示しており、配偶者は親等とは別の立場で親族に含められています。

親等は、基本的に親子の世代を一つずつ数える仕組みです。

夫婦は親子のように世代を上り下りしてつながっているわけではないため、親等による距離を付けません。

ただし、配偶者の血族との親等を計算するときは、配偶者を通じて考えます。

配偶者の父母は1親等の姻族です。

配偶者の祖父母と兄弟姉妹は2親等の姻族になります。

なお、ここでいう配偶者は、原則として婚姻届を提出した法律上の夫または妻です。

事実婚の相手を配偶者に含める制度もありますが、すべての法律や制度で同じ扱いになるわけではありません。

姻族には配偶者の血族と自分の血族の配偶者が含まれる

姻族の範囲を理解するときは、結婚によるつながりがどちら向きに生じているかを確認します。

一つ目は、配偶者の血族です。

配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、おじ、おばなどが該当します。

二つ目は、自分の血族の配偶者です。

子どもの配偶者、兄弟姉妹の配偶者、おじやおばの配偶者などが該当します。

ただし、民法上の親族になるのは3親等以内の姻族です。

自分の父母の配偶者は1親等、兄弟姉妹の配偶者は2親等、おじやおばの配偶者は3親等なので、いずれも法律上の親族に含まれます。

いとこの配偶者は4親等の姻族なので、姻族関係はあっても、民法上の親族には含まれません。

また、結婚したからといって、両家のすべての人同士が姻族になるわけではありません。

自分の親と配偶者の親は、子ども同士が結婚していても、お互いに血族でも姻族でもありません。

直系・傍系・尊属・卑属の違い

親族関係を説明するときは、直系、傍系、尊属、卑属という言葉も使われます。

直系とは、親子関係が上下にまっすぐ続く関係です。

父母、祖父母、曾祖父母は直系尊属です。

子、孫、曾孫は直系卑属です。

尊属は自分より前の世代、卑属は自分より後の世代を表します。

傍系とは、同じ祖先から枝分かれした関係です。

兄弟姉妹、おじ、おば、甥、姪、いとこなどが傍系血族に当たります。

兄弟姉妹は同じ父母から枝分かれし、いとこは同じ祖父母から枝分かれしていると考えると分かりやすいでしょう。

配偶者の父母は直系姻族、配偶者の兄弟姉妹は傍系姻族です。

「直系だから近い」「傍系だから遠い」とは限らず、実際の近さは親等で判断します。

親等の意味と正しい数え方

親等は親族関係の近さを表す数字

親等は、親族関係を世代数で表す仕組みです。

民法第726条では、親等は親族間の世代数を数えて定めるとされています。

傍系親族の場合は、一方から共通の祖先までさかのぼり、そこからもう一方まで下る世代数を合計します。

親等は、普段の付き合いの深さを表す数字ではありません。

毎週会っているいとこでも4親等です。

ほとんど会わない兄弟姉妹でも2親等です。

また、数字が小さいほど法律上の関係が近いことを示します。

親子は1親等、兄弟姉妹は2親等、おじやおばは3親等、いとこは4親等です。

「自分から相手まで何人いるか」ではなく、「親子関係を何回たどるか」と考えるのがポイントです。

自分自身は数えず、親子の線を一つ通るたびに1親等を加えます。

父母と子どもは1親等

自分と父母の間には、親子関係が一つあります。

そのため、父母は1親等の直系尊属です。

自分と子どもの間にも親子関係が一つあるので、子どもは1親等の直系卑属です。

配偶者の父母は、配偶者から見ると1親等の血族です。

自分から見ると1親等の姻族になります。

自分の子どもの配偶者も、1親等の姻族です。

「義理の父母は配偶者を挟むから2親等ではないか」と考えがちですが、配偶者そのものを1親等として加算するわけではありません。

配偶者の血族との親等は、その配偶者と血族との親等を基準に考えます。

また、養子縁組が成立した養親と養子も、法律上は親子なので1親等です。

養子縁組によって法律上の親子関係が作られることは、法務省の案内でも明確にされています。

兄弟姉妹・祖父母・孫は2親等

祖父母は、自分から父母までが1親等、父母から祖父母までがもう1親等です。

合計して2親等の直系尊属になります。

孫も、自分から子までが1親等、子から孫までがもう1親等なので、2親等の直系卑属です。

兄弟姉妹は、自分から父母に一つ上がり、父母から兄弟姉妹に一つ下がります。

合計で2親等の傍系血族です。

配偶者の祖父母や兄弟姉妹は、2親等の姻族になります。

自分の兄弟姉妹の配偶者も2親等の姻族です。

同じ「2親等」でも、祖父母は直系尊属、孫は直系卑属、兄弟姉妹は傍系血族という違いがあります。

制度によっては、親等だけではなく、直系か傍系か、同居しているか、生計が同じかといった条件も確認されます。

おじ・おば・甥・姪は3親等、いとこは4親等

おじやおばとの親等は、自分から祖父母まで2親等さかのぼり、祖父母からおじやおばまで1親等下ります。

合計で3親等です。

甥や姪は、自分から兄弟姉妹まで2親等進み、兄弟姉妹からその子まで1親等進みます。

合計で3親等になります。

いとこは、自分から祖父母まで2親等さかのぼり、祖父母からおじやおばに1親等、その子であるいとこにもう1親等下ります。

合計で4親等です。

おじ、おば、甥、姪は3親等以内なので、その配偶者も3親等の姻族として民法上の親族に含まれます。

いとこは4親等の血族なので、6親等以内の血族として親族に含まれます。

しかし、いとこの配偶者は4親等の姻族です。

姻族は3親等以内までしか民法上の親族に含まれないため、いとこの配偶者は法律上の親族ではありません。

姻族の親等は配偶者や血族を基準に数える

姻族の親等は、結婚を一回通るたびに数字を加える仕組みではありません。

配偶者の血族については、配偶者とその血族との親等を、自分との姻族の親等として考えます。

配偶者の父母は1親等、兄弟姉妹は2親等、おじやおばは3親等です。

自分の血族の配偶者については、自分とその血族との親等が基準になります。

子どもの配偶者は1親等、兄弟姉妹の配偶者は2親等、おじやおばの配偶者は3親等です。

注意したいのは、結婚によるつながりが二つ続くケースです。

配偶者の兄弟姉妹の配偶者は、「配偶者の血族」ではなく、その血族の配偶者です。

また、「自分の血族の配偶者」にも該当しません。

そのため、自分との姻族関係はなく、親等も付きません。

呼び方が同じ「義兄」「義姉」であっても、法律上の関係は異なることがあります。

この人は親族・親戚・家族・姻族のどれ?

義父・義母と配偶者の兄弟姉妹は姻族になる

配偶者の父母は、自分にとって1親等の姻族です。

配偶者の兄弟姉妹は、2親等の姻族になります。

どちらも3親等以内なので、民法上の親族です。

配偶者の祖父母も2親等の姻族として、法律上の親族に含まれます。

配偶者のおじやおばは3親等の姻族なので、ここまでは民法上の親族です。

配偶者のいとこは4親等の姻族となるため、姻族ではあっても民法上の親族には含まれません。

なお、「義父」「義母」という呼び方は、配偶者の父母だけでなく、実親の再婚相手や養親を指す場合もあります。

同じ呼び方でも、法律上の関係は異なる可能性があります。

公的な書類では「義父」とだけ書かず、「夫の父」「母の夫」「養父」など、具体的な関係を確認することが大切です。

兄弟姉妹の配偶者と子どもの配偶者も姻族になる

自分の兄弟姉妹の配偶者は、自分の血族の配偶者です。

そのため、2親等の姻族となり、民法上の親族に含まれます。

自分の子どもの配偶者も、自分の血族の配偶者です。

子どもは1親等の血族なので、その配偶者は1親等の姻族になります。

孫の配偶者は2親等の姻族です。

甥や姪の配偶者は3親等の姻族になります。

ここまでは3親等以内なので、法律上の親族です。

一方、いとこの配偶者は4親等の姻族となるため、民法上の親族の範囲外です。

姻族の親等は、結婚相手本人との心理的な近さではなく、もとになる血族との親等によって決まります。

会う機会が多い相手でも、法律上の親族に含まれないことはあります。

いとこの配偶者は姻族だが法律上の親族には含まれない

いとこは、自分にとって4親等の血族です。

血族は6親等以内まで親族に含まれるため、いとこ本人は民法上の親族です。

いとこの配偶者は、自分の血族の配偶者なので姻族に当たります。

ただし、親等はもとになるいとこと同じ4親等です。

民法上の親族に含まれる姻族は3親等以内なので、いとこの配偶者は法律上の親族には含まれません。

ここでは、「姻族」と「親族」が同じ意味ではない点が重要です。

すべての3親等内の姻族は親族ですが、4親等以上の姻族は民法上の親族ではありません。

日常的には、いとこの配偶者を親戚と呼んでも不自然ではありません。

しかし、法的な手続きで親族に該当するかを問われた場合は、親戚という感覚ではなく親等で判断します。

配偶者の兄弟姉妹の配偶者は自分の姻族ではない

配偶者の兄弟姉妹は、自分にとって2親等の姻族です。

しかし、その兄弟姉妹の配偶者まで自動的に自分の姻族になるわけではありません。

配偶者の兄弟姉妹の配偶者は、配偶者の血族ではありません。

自分の血族の配偶者でもありません。

国税庁が示す姻族の範囲である「配偶者の血族」と「自己の血族の配偶者」のどちらにも該当しないため、自分との姻族関係はありません。

たとえば、妻の兄は夫にとって2親等の姻族です。

妻の兄の配偶者は、夫にとって法律上の姻族ではありません。

日常会話では妻の兄も、その配偶者も「義理の兄」「義理の姉」と呼ぶことがあります。

呼び方だけでは法律上の関係を判断できないため、誰の血族で、誰の配偶者なのかを一つずつ整理する必要があります。

養子・連れ子・事実婚のパートナーはどう扱われる?

養子縁組が成立すると、養親と養子の間に法律上の親子関係が生じます。

養子は養親にとって1親等の血族となり、法律上の子として扱われます。

配偶者の連れ子は、婚姻しただけでも配偶者の血族なので、再婚相手にとって1親等の姻族です。

国税庁も、子どものいる人と再婚した場合、その子は再婚相手の1親等の姻族に当たると説明しています。

ただし、婚姻しただけでは、再婚相手と連れ子の間に法律上の親子関係は生じません。

連れ子を法律上の子にするには、原則として養子縁組が必要です。

養子縁組をしていない連れ子は、再婚相手の法定相続人である「子」には自動的になりません。

事実婚のパートナーも、民法上の法律婚の配偶者とは同じ扱いではありません。

ただし、年金など個別の制度では、一定の条件を満たす事実婚の相手を配偶者に含める場合があります。

親族関係で間違えやすい疑問と注意点

離婚すると配偶者や姻族との関係はどうなる?

離婚すると、元夫婦は法律上の配偶者ではなくなります。

さらに、民法第728条第1項では、姻族関係は離婚によって終了すると定められています。

そのため、離婚前の配偶者の父母や兄弟姉妹との姻族関係も、離婚によって終了します。

特別な届け出をしなければ姻族関係が残るわけではありません。

離婚の成立に伴って終了します。

一方、元夫婦の間に子どもがいる場合、離婚しても親子関係はなくなりません。

父母と子どもは引き続き1親等の血族です。

また、子どもから見た父方と母方の祖父母、兄弟姉妹などとの血族関係も、父母の離婚だけではなくなりません。

夫婦関係と親子関係、姻族関係は別々に考える必要があります。

個別の養育費、相続、面会、親権などについては、それぞれの制度に従って確認しましょう。

配偶者と死別しても姻族関係は自動では終了しない

配偶者が亡くなっても、亡くなった配偶者の血族との姻族関係は自動的には終了しません。

民法第728条第2項では、夫婦の一方が死亡した場合、生存している配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときに終了すると定められています。

つまり、夫が亡くなった後も、妻と夫の父母や兄弟姉妹との姻族関係は原則として残ります。

姻族関係を終了させたい場合は、市区町村に姻族関係終了届を提出します。

この手続きは一般に「死後離婚」と呼ばれることがありますが、亡くなった配偶者との離婚をする手続きではありません。

配偶者の死亡によって婚姻関係そのものはすでに終了しているため、残っている姻族関係を終了させる手続きです。

なお、姻族関係終了届を提出しても、亡くなった配偶者との間の子どもと、その血族との関係は変わりません。

子どもと祖父母などとの血族関係はそのままです。

親族であっても必ず法定相続人になるわけではない

法律上の親族と法定相続人は、同じ範囲ではありません。

民法上の親族には、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族が含まれます。

しかし、法定相続人になれる人は、さらに限られています。

亡くなった人の配偶者は常に相続人になります。

血族では、子が第1順位、父母や祖父母などの直系尊属が第2順位、兄弟姉妹が第3順位です。

先の順位の人がいる場合、後の順位の人は原則として相続人になりません。

義父母、子どもの配偶者、兄弟姉妹の配偶者などは親族ですが、姻族であることだけを理由に法定相続人にはなりません。

いとこも4親等の血族として親族に含まれますが、通常の法定相続人の順位には入っていません。

甥や姪は、亡くなった人の兄弟姉妹が先に死亡しているなど、代襲相続の条件を満たした場合に相続人になることがあります。

「親族だから財産を相続できる」と考えず、相続順位と戸籍を確認する必要があります。

会社の忌引きや公的制度では独自の範囲が定められることがある

親族の範囲が民法で決められていても、会社の忌引き休暇が同じ範囲になるとは限りません。

慶弔休暇などの特別休暇は、法律で一律の対象者や日数を定めた法定休暇ではなく、労使の話し合いによって任意に設けられる法定外休暇です。

そのため、配偶者や父母なら5日、祖父母や兄弟姉妹なら3日など、会社ごとに対象者と日数が異なることがあります。

法律上は親族に含まれるいとこでも、会社の忌引き休暇では対象外になるかもしれません。

反対に、事実婚のパートナーなど、民法上の親族ではない人を会社が対象に含めることも可能です。

税金や年金などの公的制度でも、それぞれの法律に独自の条件があります。

事実婚の相手は所得税の配偶者控除の対象にはなりませんが、一定の年金制度では配偶者として扱われる場合があります。

制度を利用するときは、「親族」「家族」という言葉だけで判断せず、対象者の定義を確認しましょう。

家族・親戚・親族・姻族を場面ごとに使い分ける方法

普段の会話では、一緒に暮らす人や支え合っている人を家族と呼ぶのが自然です。

結婚や血縁でつながる人たちを広く話題にするときは、親戚という言葉が使いやすいでしょう。

法律、税金、相続、公的手続きでは、民法上の範囲が問題になるため、親族という言葉を正確に理解する必要があります。

配偶者の父母や、自分の子どもの配偶者など、結婚による関係を説明するときは姻族を使います。

迷ったときは、次の順番で整理すると分かりやすくなります。

  • 血縁による関係か
  • 養子縁組による法律上の親子関係か
  • 法律上の配偶者か
  • 配偶者の血族か
  • 自分の血族の配偶者か
  • 血族なら6親等以内か
  • 姻族なら3親等以内か

書類に記入するときは、「親戚です」と伝えるだけでは十分ではありません。

「妻の父」「夫の姉」「自分のいとこ」「子の配偶者」のように、具体的な続柄を確認すると間違いを減らせます。

親族・親戚・家族・姻族の違いまとめ

親族、親戚、家族、姻族は似ていますが、意味と対象範囲は異なります。

家族は、生活や感情のつながりを表すことが多く、すべての場面に共通する一律の範囲はありません。

親戚も日常的な言葉で、血縁や結婚によるつながりを広く表します。

親族は民法上の言葉で、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族に限られます。

姻族は、配偶者の血族と、自分の血族の配偶者です。

義父母や配偶者の兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者などは姻族であり、3親等以内なら法律上の親族にも含まれます。

一方、配偶者の兄弟姉妹の配偶者は、自分の姻族ではありません。

いとこの配偶者は4親等の姻族なので、民法上の親族の範囲外です。

また、親族であることと、法定相続人になることは別の問題です。

相続、税金、忌引き休暇、公的制度では、それぞれ対象範囲が異なるため、親等だけでなく制度の規定も確認しましょう。

個別の相続や身分関係を正確に判断する必要がある場合は、戸籍などの資料をそろえ、弁護士、司法書士、税理士、市区町村の担当窓口などに確認することが大切です。

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