「萩」と「荻」を並べて見ると、どちらが「はぎ」で、どちらが「おぎ」なのかわからなくなることがあります。
名字の萩原さんと荻原さんを間違えそうになったり、住所や地名を入力するときに迷ったりした経験がある人もいるでしょう。
二つの漢字は、くさかんむりと火が共通しているため、右側だけを見ていると区別できません。
見分けるポイントは、漢字の左下です。
秋が入っているものが萩で、けものへんが入っているものが荻です。
さらに、植物としての萩と荻は、花の形も分類も生える場所も異なります。
この記事では、二つの漢字の読み方、形、成り立ち、植物としての特徴、覚え方、名字や身近な言葉での使われ方まで、わかりやすく解説します。
萩と荻の違いを最初に確認
萩は「はぎ」、荻は「おぎ」と読む
「萩」と「荻」は、どちらも上に「くさかんむり」があり、右下に「火」が見えるため、ぱっと見ただけでは区別しにくい漢字です。
しかし、読み方はまったく異なります。
「萩」は「はぎ」と読み、「荻」は「おぎ」と読みます。
音読みでは、萩が「シュウ」、荻が「テキ」です。
公益財団法人日本漢字能力検定協会の漢字ペディアでも、萩の訓読みは「はぎ」、荻の訓読みは「おぎ」とされています。
まずは、次のように覚えてください。
「秋」が入っているほうが「はぎ」です。
「けものへん」が入っているほうが「おぎ」です。
日常生活では、音読みの「シュウ」や「テキ」を使う機会はあまり多くありません。
そのため、萩は「はぎ」、荻は「おぎ」という訓読みを先に覚えるのがおすすめです。
読み方と漢字の形をセットにすると、記憶に残りやすくなります。
たとえば「萩の花」「山口県萩市」「萩原さん」には、秋という漢字が入った「萩」が使われます。
一方で「荻という植物」「荻原さん」「荻野さん」には、けものへんを含む「荻」が使われます。
ただし、人名や名字の読み方には例外があります。
萩原を「はぎわら」「はぎはら」、荻原を「おぎわら」「おぎはら」と読む場合があるため、名前については漢字だけで判断せず、本人の読み方を確認することが大切です。
単独の漢字として見分けるときは、萩が「はぎ」、荻が「おぎ」と押さえておけば問題ありません。
「秋」が入っているのが萩、「けものへん」があるのが荻
二つの漢字を見分ける最大のポイントは、くさかんむりの下にある部分です。
萩は「くさかんむり」と「秋」を組み合わせた漢字です。
荻は「くさかんむり」と「狄」を組み合わせた漢字です。
「狄」は、左側のけものへんと、右側の火で構成されています。
つまり、漢字の左下を確認すれば、かなり簡単に区別できます。
左下が「のぎへん」なら萩です。
左下が「けものへん」なら荻です。
「秋」という漢字をそのまま見つけられる場合は、さらに簡単です。
くさかんむりをいったん外して考え、下に「秋」が残れば萩です。
萩は秋の七草の一つとして知られる植物なので、「秋の植物だから萩」と覚えると忘れにくくなります。
ただし、この覚え方は見分けるための語呂合わせです。
漢字の成り立ちとしては、漢字ペディアでは萩も荻も形声文字とされており、萩の「秋」と荻の「狄」は音を表す部分として説明されています。
そのため、「萩という字は秋の草という意味だけで作られた」と断定するのは正確ではありません。
漢字の由来と覚え方は分けて考えましょう。
成り立ちを正確に理解したうえで、日常では「秋が入っているほうが萩」と覚えるのが実用的です。
荻の場合は、左下に動物を表すけものへんがあります。
「おぎには、けものへんがいる」とイメージすると見分けやすくなります。
文字が小さくて迷ったときは、右側の火ではなく左下を見るのがコツです。
右側にはどちらも火があるため、火だけでは判断できません。
読み方・漢字・植物の違いがわかる比較表
萩と荻の違いを一覧にすると、次のようになります。
| 比較する点 | 萩 | 荻 |
|---|---|---|
| 主な読み方 | はぎ | おぎ |
| 音読み | シュウ | テキ |
| 漢字の構成 | くさかんむり+秋 | くさかんむり+狄 |
| 左下の形 | のぎへん | けものへん |
| 画数 | 12画 | 10画 |
| 植物の分類 | 主にマメ科ハギ属の総称 | イネ科ススキ属の多年草 |
| 主な見た目 | 赤紫色や白色の小さな花 | 白や銀色に見える大きな穂 |
| 生え方 | 枝を伸ばす低木 | 地下茎を伸ばして群生 |
| 覚え方 | 秋が入るのが萩 | けものへんがあるのが荻 |
萩はマメ科の落葉低木の総称で、初秋に紅紫色や白色の蝶のような形をした花を咲かせます。
荻はイネ科の多年草で、湿り気のある場所に生え、秋になるとススキに似た銀白色の穂をつけます。
つまり、漢字が似ているだけで、植物としてはかなり違います。
萩には赤紫色や白色の小さな花が咲きます。
荻にはイネ科らしい、ふわふわした大きな穂ができます。
実物を並べれば、同じ植物と間違えることはほとんどありません。
それでも漢字になると混乱しやすいのは、どちらにもくさかんむりと火が含まれているためです。
迷ったときは、次の順番で確認してください。
最初に「秋」が入っているかを見ます。
秋があれば萩です。
秋がなければ、左下がけものへんになっているかを確認します。
けものへんがあれば荻です。
この手順だけで、ほとんどの場面で正しく判断できます。
萩と荻の漢字はどこが違う?
萩は「くさかんむり+秋」でできている
萩は、上の「艹」と下の「秋」を組み合わせた漢字です。
艹は、一般にくさかんむりと呼ばれ、植物に関係する漢字によく使われます。
花、草、茶、薬、葉、菜なども、くさかんむりを持つ漢字です。
萩も植物を表すため、上にくさかんむりがあります。
下の秋は「のぎへん」と「火」でできています。
そのため、萩を手書きするときは「くさかんむり、のぎへん、火」という三つのまとまりに分けると書きやすくなります。
漢字ペディアでは、萩は12画で、音読みが「シュウ」、訓読みが「はぎ」とされています。
また、漢字の成り立ちは、意味に関係する艸と、音を表す秋を組み合わせた形声文字と説明されています。
現在の日本語では「秋」は「あき」と読むため、萩の「はぎ」という読み方とは結びつかないように感じるかもしれません。
しかし、漢字が作られたときの音の関係と、現在の日本語での読み方は必ずしも一致しません。
日常で見分ける際は、難しい成り立ちまで暗記する必要はありません。
「秋が丸ごと入っているのが萩」と覚えれば十分です。
萩という植物は、秋の七草の一つに数えられています。
奈良県立万葉文化館は、萩をマメ科の落葉低木で、山野に自生し、秋に紅紫色や白色の花を咲かせる植物として紹介しています。
この植物の特徴も、漢字を覚える助けになります。
秋に花を咲かせる植物と、秋という漢字を結びつければ、形と意味をまとめて思い出せます。
ただし、ハギの仲間には複数の種類があります。
「萩」は特定の一種類だけを指すというより、ヤマハギやミヤギノハギなど、マメ科ハギ属の植物をまとめて表す名称として使われることがあります。
荻は「くさかんむり+狄」でできている
荻は、上の「艹」と下の「狄」を組み合わせた漢字です。
狄は、左のけものへんと右の火でできています。
荻を手書きするときは「くさかんむり、けものへん、火」という順番で考えると、萩との混同を防げます。
漢字ペディアでは、荻は10画で、音読みが「テキ」、訓読みが「おぎ」とされています。
成り立ちは、意味に関係する艸と、音を表す狄を組み合わせた形声文字です。
荻の下にある狄は、日常生活ではあまり見かけない漢字です。
そのため、萩のように知っている漢字の組み合わせとして認識しにくく、覚えづらいと感じる人もいるでしょう。
この場合は、狄という漢字を丸ごと覚えようとする必要はありません。
左下にけものへんがあることだけを意識してください。
萩の左下は「禾」の形をしたのぎへんです。
荻の左下は「犭」の形をしたけものへんです。
のぎへんは、上に短い払いがあり、縦線と左右の払いが続きます。
けものへんは、細長く曲がるような形で、三画で書きます。
文字が小さい場合でも、左下の形を見れば判断できます。
荻という植物は、イネ科の多年草です。
河川敷や湿地などに群生し、秋になると白色や銀色に見える大きな穂をつけます。
植物の荻には動物との直接的な関係はありません。
「けものへんがあるから動物の名前」と考えないように注意してください。
けものへんは、あくまで漢字の形を見分ける目印です。
画数や書き順で間違えやすいポイント
萩は12画、荻は10画です。
萩のほうが二画多いのは、下の左側にある「禾」と「犭」の画数が異なるためです。
禾は五画、犭は三画なので、全体でも二画の差が生まれます。
ただし、画数だけで二つを見分けるのは効率的ではありません。
文字を見た瞬間に画数を数えるよりも、秋が入っているか、けものへんがあるかを確認するほうが簡単です。
画数は、漢字テストや書類で正確に書く必要があるときの補助情報として使いましょう。
書き順で特に注意したいのは、最初にくさかんむりを書いたあと、下の部分を別の漢字として考えることです。
萩では、くさかんむりの下に「秋」をそのまま書きます。
荻では、くさかんむりの下に「狄」をそのまま書きます。
萩を書こうとして、左下をけものへんにしてしまうと荻になります。
反対に、荻を書こうとして、左下をのぎへんにすると萩になります。
右側の火は共通しているので、右側から書き始めると混乱しやすくなります。
左側を先に意識することが大切です。
パソコンやスマートフォンで変換するときにも注意が必要です。
「はぎ」と入力すれば、通常は萩が候補に表示されます。
「おぎ」と入力すれば、荻が表示されます。
名字を入力するときに読み方がわからない場合は、見た目だけで推測して変換すると、別の漢字を選ぶ可能性があります。
名刺、メールアドレス、公式プロフィールなど、本人が示している表記を確認しましょう。
手書きした文字を最後に確認するときは、右側の火ではなく左下を見てください。
のぎへんなら萩、けものへんなら荻です。
植物としての萩と荻はまったく別物
萩は秋の七草に数えられるマメ科の植物
萩は、マメ科に属する落葉低木の総称です。
低木とは、一般的に背がそれほど高くならず、根元に近い位置から枝分かれする木を指します。
萩は草のように細い枝を伸ばしますが、植物の分類では木の仲間として扱われます。
北海道庁の植物紹介でも、萩は秋の七草の一つですが、草ではなく低木に分類されると説明されています。
萩の花は、紅紫色や白色をしています。
一つ一つの花は小さく、マメ科の植物に多い蝶のような形をしています。
細い枝にたくさんの花が並んで咲くため、風に揺れる姿はやわらかく、秋らしい風景をつくります。
奈良県立万葉文化館は、萩について、細い枝を多く出し、秋に紅紫色や白色の小花を連ねて咲かせる植物と説明しています。
葉は一枚に見えて、実際には三枚の小さな葉が一組になっています。
このような葉は三出複葉と呼ばれます。
花が咲いていない時期に萩を見分ける場合は、細い枝と三枚一組の葉が手がかりになります。
萩は秋の七草の一つとしても有名です。
秋の七草は、春の七草のように食べることを主な目的としたものではなく、秋に咲く草花を眺めて楽しむ文化と深く結びついています。
萩は『万葉集』でも多く詠まれた植物で、古くから日本人に親しまれてきました。
なお、一般に萩と呼ばれる植物には、ヤマハギ、ミヤギノハギ、ツクシハギなど複数の種類があります。
種類によって枝の垂れ方、葉の形、花のつき方などが少しずつ異なります。
漢字の違いを理解する目的であれば、萩は赤紫色や白色の小花を咲かせるマメ科の低木と覚えておけばよいでしょう。
荻は白い穂をつけるイネ科の植物
荻は、イネ科ススキ属に分類される多年草です。
多年草とは、冬に地上部分が枯れても地下部分などが残り、翌年も芽を出す植物です。
荻は河川敷や氾濫原、湿り気のある土地などに生えます。
地下茎を横に伸ばして広がり、大きな群落をつくることが特徴です。
国土交通省四国地方整備局の河川植生解説では、荻はイネ科の多年草で、地下茎を伸ばして分布を広げると説明されています。
高さは二メートルを超えることがあり、条件によっては三メートルほどに達します。
秋になると、茎の先に白色や銀色に見える大きな穂をつけます。
遠くから見ると、白くやわらかな穂が一面に広がり、風に揺れているように見えます。
この姿がススキによく似ているため、植物に詳しくない人が荻とススキを間違えることは珍しくありません。
荻と萩を見比べる場合は、花や穂の違いに注目してください。
萩には赤紫色や白色の小さな花が咲きます。
荻にはイネ科らしい細長い葉と、大きく広がる白い穂があります。
萩は枝を伸ばす低木ですが、荻は地面から細長い茎を立ち上げる草です。
植物の分類も、姿も、生え方も異なります。
共通点は、名前を漢字で書いたときにくさかんむりが付くことと、秋に目立つ姿を見せることです。
荻は、昔から屋根をふく材料などに使われてきた植物でもあります。
現在でも河川敷などで大きな群落を見ることができます。
ただし、川辺に生える背の高い植物がすべて荻とは限りません。
ヨシ、ススキ、セイタカアワダチソウなどが一緒に生えている場合もあるため、正確に見分けるには生え方や穂の特徴を確認する必要があります。
萩・荻・ススキの見た目や生える場所の違い
萩と荻は漢字が似ていますが、植物の見た目は大きく異なります。
一方、荻とススキは漢字が似ていないものの、植物の姿がよく似ています。
三つを整理して覚えると、漢字だけでなく自然の中でも見分けやすくなります。
| 植物 | 分類 | 主な姿 | 生えやすい場所 | 生え方 |
|---|---|---|---|---|
| 萩 | マメ科の低木 | 赤紫色や白色の小花 | 山野、林の縁、庭、公園など | 細い枝を伸ばす |
| 荻 | イネ科の多年草 | 白色や銀色に見える大きな穂 | 河川敷、湿地、氾濫原など | 地下茎で広がる |
| ススキ | イネ科の多年草 | 茶色や銀色に見える穂 | 草地、山野、堤防など | 根元から束になって生える |
萩を見分けるときは、赤紫色の小花と三枚一組の葉を確認します。
荻とススキには、萩のような蝶形の花はありません。
荻とススキを見分けるときに役立つのは、根元の生え方です。
荻は地下茎を横に伸ばすため、茎が少しずつ離れて一本ずつ立っているように見えます。
ススキは根元から多くの茎が束になり、大きな株をつくります。
神奈川県の植物調査資料でも、荻は茎が地面から一本ずつ出るのに対し、ススキは茎が束になって出ると説明されています。
生えている場所も手がかりになります。
荻は湿り気のある河川敷や低地に多く、ススキは比較的乾いた草地や堤防、山野に多く見られます。
ただし、生えている場所だけで断定するのは危険です。
環境によっては荻とススキが近くに生えていることもあります。
最終的には、根元が束になっているか、茎が少し離れて立っているかを確認しましょう。
穂を近くで観察できる場合は、芒と呼ばれる細い針のような部分も手がかりになります。
一般にススキの小穂には芒があり、荻には芒がありません。
ただし、小さな部分なので、無理に近づいたり私有地に入ったりせず、安全な場所から観察してください。
萩と荻を二度と間違えない覚え方
「秋が入っているのは萩」と覚える
もっとも簡単で実用的なのは、「秋が入っているのは萩」と覚える方法です。
萩という漢字からくさかんむりを外すと、秋がそのまま残ります。
秋という漢字を見つけたら、読み方は「はぎ」です。
萩は秋の七草の一つなので、意味の面でも結びつけやすいでしょう。
覚えるときは、短い言葉にすると効果的です。
「秋の萩は、はぎ」と声に出してみてください。
「あき」と「はぎ」は最後の「ぎ」の音が共通しています。
完全な語呂合わせではありませんが、音の近さを利用すると記憶に残りやすくなります。
また、「秋の庭に萩が咲く」という場面を頭の中に思い浮かべる方法もあります。
赤紫色の小さな花が咲く様子と、漢字の秋を一緒に記憶します。
文字の形だけを丸暗記するより、季節や植物の姿と結びつけるほうが忘れにくくなります。
注意したいのは、右側の火だけを目印にしないことです。
萩にも荻にも火が入っています。
違いが現れるのは、火の左側です。
萩では、火の左側がのぎへんになり、二つを合わせると秋になります。
文字を見たときに、まず下の部分が秋として読めるかを確認しましょう。
秋と読めれば萩です。
秋に見えなければ、けものへんがないかを確認します。
この二段階で見る習慣をつけると、短時間で判断できるようになります。
なお、「秋の草だから萩という漢字になった」と説明するのは正確ではありません。
漢字ペディアでは、萩は艸と音を表す秋を組み合わせた形声文字とされています。
「秋が入るのは萩」は、成り立ちの説明ではなく、現代の私たちが使うための覚え方です。
「けものへんが入っているのは荻」と覚える
荻を覚えるときは、「おぎには、けものへんがいる」と考えます。
荻の左下には、犬、猫、猿、狐などの漢字にも使われるけものへんがあります。
けものへんを見つけたら、荻と判断できます。
荻は植物なので、けものへんが意味を表しているわけではありません。
けものへんは見分けるための目印として利用します。
荻からくさかんむりを外すと、「狄」という漢字が残ります。
狄は「テキ」と読み、漢字ペディアでは荻の音を表す部分と説明されています。
荻の音読みも「テキ」です。
この関係を知っていると、漢字の成り立ちまで含めて理解できます。
ただし、日常で必要なのは訓読みの「おぎ」です。
まずは「けものへんがあれば、おぎ」と覚えてください。
語呂合わせを作るなら、「荻には動物のけものへん」と考えるとよいでしょう。
さらに映像として覚えたい場合は、荻が生えている河川敷を動物が歩いている場面を想像します。
白い穂が広がる草むらの中に、けものへんが隠れているイメージです。
少し変わった想像ほど記憶に残ります。
萩と荻を並べて練習するときは、右半分を隠してみる方法もあります。
右側の火を隠すと、左下の違いに集中できます。
萩には禾があり、荻には犭があります。
何度か見比べれば、文字全体を見た瞬間に判別できるようになります。
スマートフォンで文字が小さく表示されている場合は、画面を拡大してください。
特に人名、住所、会社名では、似ている漢字だからといって推測で入力しないことが大切です。
一文字の間違いでも、相手の名前を誤って表記することになります。
名刺・手書き・漢字変換で迷ったときの確認方法
仕事や学校で人の名前を書くときは、覚え方だけに頼らず、確認できる資料を見ることが重要です。
名刺がある場合は、名刺に印刷されている漢字をそのまま確認します。
メールの場合は、署名欄や送信者名を確認します。
会社や団体の公式サイトにプロフィールがある場合は、公式表記を使います。
萩原と荻原、萩野と荻野は、文字の一部が似ていますが、別の名字です。
萩原は秋を含む萩です。
荻原はけものへんを含む荻です。
萩野も同じように秋を含み、荻野はけものへんを含みます。
読み方は、萩原が「はぎわら」「はぎはら」、荻原が「おぎわら」「おぎはら」など、複数の可能性があります。
名前の読み方は漢字だけでは確定できないため、ふりがなや本人の案内を確認してください。
パソコンで変換するときは、読み方を知っていれば簡単です。
「はぎ」と入力して萩を選び、「おぎ」と入力して荻を選びます。
読み方がわからない場合は、手書き入力や部首検索を使う方法があります。
萩は「くさかんむり」と「秋」で探せます。
荻は「くさかんむり」と「狄」で探せます。
文字をコピーできる場合は、元の文章から直接コピーするのが確実です。
ただし、コピー元そのものが誤っている可能性もあるため、重要な書類では複数の公式資料を確認しましょう。
手書きするときは、書き終わったあとに左下を確認します。
左下が禾で、全体として秋になっていれば萩です。
左下が犭であれば荻です。
最後に声に出して読む方法も有効です。
「はぎだから秋」「おぎだからけものへん」と確認すれば、見落としを減らせます。
特に封筒、表彰状、契約書、名簿など、修正しにくいものを書く前には下書きをしましょう。
萩原・荻原など名字や身近な言葉での違い
萩原・荻原と萩野・荻野の読み方
萩と荻をもっとも間違えやすい場面の一つが、人の名字です。
萩原と荻原は、文字を小さく表示するとほとんど同じように見えることがあります。
萩原の一文字目は、くさかんむりの下に秋があります。
荻原の一文字目は、くさかんむりの下にけものへんと火があります。
漢字単体の訓読みに沿って考えると、萩原は「はぎわら」や「はぎはら」、荻原は「おぎわら」や「おぎはら」と読む可能性があります。
同じように、萩野は「はぎの」、荻野は「おぎの」と読む形が考えられます。
ただし、名字の読み方には家ごとの違いや地域差があります。
漢字が同じでも読み方が異なる場合があるため、一般的な読み方だけで決めつけてはいけません。
特に「原」は「はら」と読む場合と「わら」と読む場合があります。
荻原を必ず「おぎわら」と読むとは限らず、萩原を必ず「はぎわら」と読むとも限りません。
読み方は本人が示しているふりがなを優先してください。
一方、漢字の書き分けは、秋とけものへんを確認すれば判断できます。
「はぎ」という音を聞いた場合は、秋が入った萩を思い浮かべます。
「おぎ」という音を聞いた場合は、けものへんの荻を思い浮かべます。
口頭で名前を聞き取れなかったときは、「秋が入る萩でしょうか」と確認すると伝わりやすくなります。
荻を確認するときは、「けものへんに火の荻でしょうか」と尋ねる方法があります。
ただし、相手によっては漢字の説明方法が異なるため、メールや名刺で表記を見せてもらうのがもっとも確実です。
人名の漢字を正しく書くことは、相手への基本的な配慮です。
似ているから仕方がないと考えず、迷った時点で確認しましょう。
おはぎ・萩市・萩の月に使われているのはどちら?
「おはぎ」に使われるのは、秋が入った萩です。
漢字では「お萩」や「萩の餅」と書かれることがあります。
農林水産省は、春は牡丹の花に見立てて「ぼたもち」、秋は萩の花に見立てて「おはぎ」と呼ぶ説を紹介しています。
漢字ペディアでは、小豆あんを粒のまま餅にまぶした様子が、萩の花が咲き乱れる姿に似ていることが「萩の餅」の由来と説明されています。
ただし、おはぎとぼたもちの呼び分けには、季節、あんの種類、地域などによる複数の説があります。
どれか一つだけが全国共通の決まりというわけではありません。
山口県の「萩市」に使われるのも、秋が入った萩です。
読み方は「はぎし」です。
萩市の公式サイトでは、市名の由来について、ツバキという言葉がつまってハギになったという説が紹介されています。
そのため、萩市という地名が、植物の萩だけを直接の由来としているとは断定できません。
仙台銘菓の「萩の月」も、秋が入った萩を使います。
製造元の菓匠三全は、萩が咲き乱れる宮城野の空に浮かぶ名月をかたどった菓子として紹介しています。
萩の月は山口県萩市の名物ではなく、宮城県仙台市で生まれた銘菓です。
名前に使われている萩は、宮城野に咲く植物の萩と月の風景に由来します。
「萩市」と「萩の月」には同じ漢字が使われていますが、地域や名前の背景は異なります。
萩と荻に関するよくある疑問
「萩」と「荻」は同じ植物を表す別の漢字ではありません。
萩は主にマメ科ハギ属の低木を表し、荻はイネ科ススキ属の多年草を表します。
「萩」は秋の七草に入っていますが、「荻」は秋の七草には含まれていません。
秋の七草に数えられるのは萩とススキであり、荻ではありません。
荻がススキに似ているため、荻も秋の七草だと思われることがあります。
しかし、秋の七草で「尾花」と呼ばれている植物はススキです。
萩と荻は、どちらも秋に目立つ植物ですが、文化上の扱いも異なります。
「萩の右側は秋なのに、なぜ『はぎ』と読むのか」という疑問を持つ人もいるでしょう。
萩は、艸と音を表す秋からできた形声文字とされていますが、現在の日本語の訓読みは「はぎ」です。
漢字の構成に使われる音と、現在の日本語で一般的に使う読み方が一致しないことは珍しくありません。
「荻にけものへんがあるのは、動物に関係するからか」という疑問については、植物の意味とけものへんを直接結びつけないほうがよいでしょう。
荻は艸と音を表す狄からできた形声文字とされています。
けものへんは、現代の私たちが見分ける際には便利な目印ですが、荻が動物の一種という意味ではありません。
最後に、もっとも簡単な確認方法を覚えておきましょう。
秋が入っていれば萩です。
けものへんが入っていれば荻です。
読み方は、萩が「はぎ」、荻が「おぎ」です。
この四点を押さえれば、漢字、名字、地名、植物の名前で迷う場面は大きく減ります。
「萩」と「荻」の違いまとめ
萩と荻は見た目がよく似ていますが、読み方も意味も異なる漢字です。
萩は「はぎ」と読み、くさかんむりの下に秋があります。
荻は「おぎ」と読み、くさかんむりの下にけものへんと火があります。
もっとも簡単な見分け方は、左下を見ることです。
のぎへんがあり、下の部分が秋になっていれば萩です。
けものへんがあれば荻です。
植物としても、二つはまったく別物です。
萩は、赤紫色や白色の小さな花を咲かせるマメ科の低木で、秋の七草の一つです。
荻は、湿り気のある河川敷などに生えるイネ科の多年草で、白色や銀色に見える大きな穂をつけます。
荻はススキと似ていますが、荻は地下茎で広がって茎が一本ずつ立つように生え、ススキは根元から束になって株をつくります。
名字では、萩原と荻原、萩野と荻野を間違えないように注意してください。
人名の読み方には例外があるため、漢字の形だけでなく、本人が示しているふりがなも確認しましょう。
身近な言葉では、おはぎ、萩市、萩の月のいずれにも、秋が入った萩が使われています。
迷ったときは、「秋の萩は、はぎ」「けものへんの荻は、おぎ」と思い出してください。
