退院が決まると、ほっとする気持ちと同時に、「ここまでお世話になった病院に、何かお礼をしたほうがいいのかな」と悩む人はとても多いです。特に、菓子折りを持っていくべきかどうかは、ネットで調べてみても意見が分かれていて、余計に迷ってしまいますよね。
この記事では、「退院後 菓子折り おすすめ」と検索した人が知りたいであろうポイントを、ひとつずつ丁寧に整理しました。
そもそも退院時のお礼は必要なのか、病院への菓子折りのマナーや相場はどれくらいなのか、どんなお菓子なら迷惑にならずに喜ばれやすいのかなどを、具体例を交えながら分かりやすく解説しています。
読み終わるころには、「自分はどういう形で感謝を伝えたいか」「どのくらいの予算で、どんなお菓子を選べばいいか」がはっきりイメージできるはずです。
無理をせず、相手にも気を遣わせない、ちょうどよい距離感のお礼を一緒に考えていきましょう。
退院後、病院に菓子折りは本当に必要?今どきのマナーを整理しよう
そもそも退院時にお礼は必要?「基本は不要」と言われる理由
入院中にとてもよくしてもらうと、「退院するときは何かお礼をしないと失礼かな」と考えますよね。ですが、医療の世界では、患者からの謝礼や贈り物は「基本的には必要ない」とされています。
日本医師会の倫理指針では、患者からの謝礼は原則として受け取らないべきと明記されていて、「謝礼を求めたり、当然のように受け取ったりしてはいけない」という考え方がはっきり示されています。
大きな病院では、待合スペースに「お心付け・贈り物はお断りしています」と掲示しているところも少なくありません。
これは「お金や品物を渡した人だけ特別扱いされるのでは」という不公平感をなくすためでもあり、経済的に余裕のない人に「自分は何も渡せない」と気まずい思いをさせないためでもあります。
つまり、丁寧に治療してもらったこと自体が、医師や看護師の仕事そのものです。退院時に何かを渡さないからといって、失礼にあたることはありません。
「きちんとお礼を言う」「最後に一言感謝を伝える」だけでも、十分マナーとしては合格だと考えて大丈夫です。
「お礼は受け取りません」という病院ポリシーが増えている背景
最近は「患者さんからの贈り物は一切お断りします」という方針をとる病院が増えています。理由は大きく三つあります。
一つ目は、公立病院では職員が公務員にあたるため、患者からの金品を受け取ると「規程違反」や賄賂に近い扱いになってしまう可能性があることです。
二つ目は、公立でなくても大きな民間病院では、就業規則で謝礼の受け取りを禁止している場合が多いことです。「患者からの謝礼は受け取りません」というルールにしておくことで、職員が気まずい思いをせずにきっぱり断れるようにしている病院もあります。
三つ目は、「感謝の気持ちを形にできない人」を守るためです。もし菓子折りを渡すのが当たり前の雰囲気になると、経済的に余裕のない人や、そこまで気が回らない人が「自分は何も渡せない」と負担を感じてしまいます。そうならないように、「お気持ちだけで十分です」というスタンスを前面に出す病院が増えているのです。
このような背景があるので、「お礼は受け取れません」と書いてあれば、それに従うのが一番のマナーです。
それでも渡したいときの考え方:「感謝を形にする」か「言葉で伝える」か
頭では「お礼は不要」と分かっていても、命を預ける治療をしてもらったり、つらい時期を支えてもらったりすると、「どうしても何か形にして感謝を伝えたい」と感じることもありますよね。
そんなときは、次の二つの軸で考えると整理しやすくなります。
一つ目の軸は「病院のルール」。入口や掲示物、案内書などに「贈り物はお断りします」と書いてあるなら、無理に渡すのはやめて、言葉と笑顔でしっかりお礼を伝える方が、かえって気持ちよく終われます。
二つ目の軸は「相手に負担をかけない範囲かどうか」です。例えば、数千円程度の、みんなでつまめるお菓子なら、相手も重く受け取りすぎずに済みますが、高額な品物やブランドギフトになると、相手がかえって気を遣ってしまいます。一般的な目安としては、2,000〜5,000円くらいが「負担になりにくい範囲」です。
どうしても何かしたいけれどルール的に渡せない場合は、後日お礼の手紙を送る、口コミで感謝の声を書くなど、別の形で気持ちを残す方法もあります。
病院全体・病棟宛てに渡すのが無難とされるワケ
お礼を渡すときに悩むのが、「誰あて」にするかという点です。特に大きな病院では、主治医だけでなく、複数の医師、看護師、リハビリスタッフ、事務の人など、たくさんの人がお世話をしてくれます。その全員を正確に把握するのはほぼ不可能です。
そこでおすすめされるのが、「○階病棟スタッフ一同さま」や「○○科の皆さま」のように、病棟や部署全体あての形にする方法です。こうしておくと、職種や担当にかかわらず、ナースステーションなどに置いてみんなで分けてもらいやすくなり、「特定の誰かだけ」が得をする形になりません。
また、個人の自宅に送る形にしてしまうと、公私の線引きが曖昧になりやすく、かえって相手を困らせることもあります。仕事としてのお付き合いに感謝する意味では、「病院宛て」「病棟宛て」という公的な枠組みにのせる方が自然です。
このような理由から、どうしても菓子折りを渡したいなら、「部署全体に向けたささやかな差し入れ」というイメージにしておくと安心です。
快気祝い・退院祝いとの違いと、誰に何を渡すのが一般的か
退院時のお礼と混同しやすいのが、「快気祝い」「退院祝い」です。それぞれ意味が違うので、ここで整理しておきましょう。
退院祝い
入院していた人に対して、家族や友人、職場の人が「退院おめでとう」の気持ちで贈るもの。渡すタイミングは、退院後しばらくして、生活が落ち着いた頃が目安とされています。
快気祝い(快気内祝い)
入院していた本人が、お見舞いに来てくれた人や、心配してくれた人へ「元気になりました」「お見舞いありがとうございました」とお返しするギフトのことです。
病院への菓子折りは、このどちらにもあてはまらず、「入院中にお世話になった医療スタッフへのお礼」という位置づけになります。
快気祝いは親族や友人、職場の同僚など、個人的なつながりのある相手に贈るのが基本で、病院はそこには含まれないと考えるのが一般的です。
そのため、「家族や友人には快気祝い」「会社には退院の報告とあわせてお菓子」「病院には言葉でお礼、もしくはささやかな菓子折り」という整理をしておくと、誰に何を渡すか迷いにくくなります。
失敗しない!退院後の菓子折りの相場と選び方のポイント
予算の決め方:お世話になった期間や関わった人の人数で考える
菓子折りの予算を決めるときに大事なのは、「無理のない金額で」「相手に気を遣わせない範囲」におさめることです。
一般的には、2,000〜5,000円くらいが目安とされることが多く、長期入院や大きな手術でとてもお世話になった場合でも、5,000円前後にしておくとちょうど良いラインといえます。
また、病棟や科のスタッフ全員で分けてもらうことを考えると、「一人あたりいくら」ではなく、「全体で食べきれる量」をイメージすると選びやすくなります。
例えば、20〜30人くらいが働いていそうな病棟なら、30個前後入っている個包装のお菓子を選ぶと安心です。
目安として、次のように考えるとイメージしやすくなります。
| 入院期間・規模 | 想定人数 | 目安予算 |
|---|---|---|
| 数日の検査入院 | 10〜15人 | 2,000〜3,000円前後 |
| 1〜2週間の入院 | 20人前後 | 3,000〜4,000円前後 |
| 長期入院・手術あり | 20〜30人以上 | 4,000〜5,000円前後 |
あくまで「気持ち」ですから、金額で悩みすぎる必要はありません。家計に負担がかかるほど高額なものにする必要はないと考えて大丈夫です。
個人宛てではなく「スタッフ一同へ」ならどれくらいの価格帯が目安?
「○病棟スタッフ一同さま」といった形で渡す場合は、特定の個人あてよりも少し人数が多くなることが多いです。そのため、品物の単価よりも、「量」と「分けやすさ」を重視するのがポイントになります。
価格帯の目安としては、病棟あてなら3,000〜4,000円台がちょうどよいラインです。たくさんの人でシェアすることを考えると、1個あたり100〜150円程度のお菓子が20〜30個入っている詰め合わせを選べば、ちょうどそのくらいの金額になります。
「主治医の先生にも個別に何か渡したい」と考える場合でも、やはり高価な品は避けたほうが無難です。2,000〜3,000円程度の、小ぶりで上品な焼き菓子の詰め合わせくらいにしておくと、受け取る側も心理的負担が少なく済みます。
大切なのは、「金額で気持ちを伝える」のではなく、「無理のない範囲で感謝を示す」という姿勢です。
日持ち・個包装・量…病院への差し入れで外せない3つのチェックポイント
病院に持っていくお菓子は、「職場への差し入れ」と似ているようで、少し条件が厳しくなります。選ぶときには、次の三つを必ずチェックしましょう。
1.日持ちするか
冷蔵や冷凍が必要な生菓子は避けたほうが安心です。
病院には十分なスペースの冷蔵庫がないこともあり、保存に困らせてしまう可能性があります。賞味期限に少し余裕のある、焼き菓子やクッキー、個包装のおせんべいなどが扱いやすいです。
2.個包装になっているか
医師や看護師の勤務時間はバラバラなので、みんなが一度に集まって食べることはほとんどありません。一人ずつ好きなタイミングで取れるように、1個ずつ袋に入っているものを選びましょう。
3.数が足りるか
病棟によっては、常に20人以上のスタッフが出入りしています。個数が少ないと「遠慮して手をつけない」ということが起きがちなので、少し多めくらいを意識して選ぶと喜ばれやすくなります。
この三つを押さえておけば、「迷惑にならないかな」という不安はかなり減らせます。
和菓子・洋菓子どっちが無難?年代や職種を意識した選び方
和菓子と洋菓子、どちらを選ぶべきかは悩みどころです。病院には幅広い年代のスタッフがいるので、どちらかに偏りすぎない方が無難ですが、次のような考え方をすると選びやすくなります。
- 50代以上のスタッフが多そうな雰囲気なら、せんべい、どら焼き、ようかんなどの和菓子系
- 若い看護師が多そうなら、クッキー、フィナンシェ、マドレーヌなどの洋焼き菓子系
とはいえ、最近は年代に関係なく洋菓子を好む人も多く、病院向けのお礼としては、洋風の焼き菓子詰め合わせが定番になっています。
迷ったときは、和と洋がミックスされた詰め合わせを選ぶのも一つの手です。クッキーとおせんべいが一緒に入ったセットなどなら、甘いものが好きな人もしょっぱいものが好きな人も手に取りやすくなります。
避けたほうがいいお菓子:匂いの強いもの・生菓子・好みが分かれる系
病院という場所の性質上、避けた方がよいお菓子もいくつかあります。代表的なのは次の三つです。
- 匂いが強いもの
- 生菓子・要冷蔵のもの
- 好みが分かれやすいもの
匂いが強いものは、にんにくやスパイスの香りがきついスナック、アルコールを強く感じる洋酒入りのお菓子などは、病院内ではあまり好まれません。患者さんのなかには匂いに敏感な人もいるため、香りが目立たないものを選ぶ方が安心です。
ケーキ、シュークリーム、生チョコ、ゼリーなど生菓子・要冷蔵のものは、冷蔵保存が必要で日持ちしないお菓子は、保管場所の問題もあり、スタッフが困ってしまうことがあります。
激辛スナック、クセの強いチーズ系、ナッツまみれのものなど好みが分かれやすいものは、好きな人は大好きですが、苦手な人もそれなりにいます。みんなで分けることを考えると、万人受けする味を選ぶ方が無難です。
「自分が好きだから」という基準だけで選ばず、「職場で共有しやすいか」という目線でチェックしてみてください。
相手別に選ぶ!看護師・主治医・病棟スタッフに喜ばれるお菓子ジャンル
看護師さんに人気のお菓子:忙しい合間につまみやすい「一口サイズ」
看護師さんたちは、とにかく忙しい仕事です。ゆっくり座ってお茶を飲みながらお菓子を味わう時間はほとんどなく、ナースステーションで立ったまま、手が空いたほんの数分で口に入れることも多いといわれています。
そのため、看護師さん向けに選ぶときは、一口で食べられるサイズの個包装お菓子がおすすめです。例えば、ひとくちサイズのクッキーやチョコ、キャンディタイプの焼き菓子、ひと口おかきなどは、手が汚れにくく、サッと口に運べるので喜ばれやすいです。
また、夜勤も多い仕事なので、糖分補給ができる甘いものはありがたい存在です。ただし、甘いものが苦手な人にも配慮して、しょっぱい系のスナックやおせんべいが少し混ざっている詰め合わせを選ぶと、より多くの人が手に取りやすくなります。
「忙しい中でも食べやすいか」「片手でパッと食べられるか」をイメージして選ぶと、看護師さんたちの日常にフィットした菓子折りになります。
主治医宛てに渡すなら?高すぎない・かさばらない上品系スイーツ
主治医の先生に個別でお礼をしたくなる気持ちもよく分かります。ただし、日本医師会の倫理指針では、患者からの謝礼を原則として控えるよう明記されており、病院によっては厳しく受け取りを禁止しているところもあります。
もし病院のルールとして特に禁止されておらず、どうしても渡したい場合は、次の点に気をつけましょう。
- 金額は2,000〜3,000円程度までにおさえる
- 家に持ち帰る必要のない、小ぶりの焼き菓子や個包装スイーツにする
- 「ご家族で」ではなく、「職場でみなさんと一緒に召し上がってください」とひとこと添える
重たい箱菓子や、明らかに高級ブランドの大きな詰め合わせは、かえって相手を困らせてしまうことがあります。
先生一人に向けたつもりでも、実際には複数の医師で診てくれていた場合も多いので、「先生方でよろしければ皆さんで召し上がってください」といった言い方にしておくと、先生も周囲にシェアしやすくなります。
病棟スタッフ全員で分けやすい!個包装たっぷり系の定番菓子折り
「病棟スタッフ一同さま」に渡すお菓子は、とにかく分けやすさが最優先です。具体的には、次のようなタイプが定番として選ばれています。
- 個包装のクッキーやフィナンシェ、マドレーヌの詰め合わせ
- 一口サイズのおせんべいやおかき、あられの詰め合わせ
- 個包装のバウムクーヘン、カステララスクなど
箱を開けたときに、「パッと手に取りやすいか」「個数が多めか」を意識して選ぶのがコツです。見た目のインパクトよりも、数と扱いやすさに比重を置きましょう。
また、常温で保存できるものなら、夜勤や休日出勤のスタッフも後から食べることができます。ナースステーションの片隅に置いておいても邪魔になりにくいサイズ感の箱だと、なお良いです。
甘い物が苦手な人にも配慮できる、しょっぱい系・おつまみ系の候補
甘いものが苦手な人にも楽しんでもらえるように、しょっぱい系のお菓子を混ぜるという選び方もおすすめです。
例えば、次のような詰め合わせがあります。
- おせんべい・おかき・豆菓子のミックスセット
- 小袋入りの柿の種やナッツ類のバラエティパック
- ソフトタイプのさきいかや小魚スナックなど、軽めのおつまみ系
ただし、匂いの強いものや、手がベタつくものは避けた方が無難です。患者さんの近くで食べる可能性もあるため、香りが控えめで、手が汚れにくいものを選びましょう。
甘いものとしょっぱいものが半分ずつくらい入ったセットを選べば、好みが分かれてもみんなが何かしら楽しめるので安心です。
コンビニやスーパーでも買える、急な退院でも間に合うお礼のお菓子案
予定より早く退院が決まったり、小さな個人クリニックに通っていたりすると、「ちゃんとした菓子折りを用意する時間がない」と焦ってしまうこともあります。そんなときは、コンビニやスーパーで買えるもので十分です。
例えば、個包装のクッキーやチョコレートのファミリーパックをいくつか組み合わせて、きれいな紙袋に入れるだけでも、ちょっとした差し入れになります。人数が少ないクリニックなら、箱入りの焼き菓子や、個包装せんべいの詰め合わせなど、市販のギフト商品で間に合うことが多いです。
大切なのは、「準備の完璧さ」ではなく、「助けてもらってうれしかった」という気持ちが伝わることです。時間がなくても、退院のときに「本当にありがとうございました」と一言添えて渡せば、十分心のこもったお礼になります。
予算別・シーン別おすすめ菓子折りアイデア集
2,000円前後で気軽に渡せるプチ菓子折りアイデア
短期入院や、検査入院などで軽くお礼をしたいときは、2,000円前後のプチギフトがちょうどよいラインです。この予算でも、人数が10〜15人程度の病棟やクリニックなら十分カバーできます。
選び方のポイントは、少しだけ見た目に華やかさがあることと、個包装の数がしっかり入っていることです。
例えば、
- ひと口サイズのフィナンシェやマドレーヌがたくさん入った袋入りセット
- 個包装のミニバウムやカステラの詰め合わせ
- せんべいとおかきがミックスされたプチギフト箱
などは、予算を抑えながらも感謝の気持ちが伝わるバランスがとりやすいです。
また、「退院祝い」「快気祝い」と違って、形に残る品物である必要はありません。あくまで「みんなでちょっとつまんでください」というイメージなので、消耗品であるお菓子が一番扱いやすいといえます。
3,000円〜4,000円台で選ぶ「病棟全員で楽しめる」定番ギフト例
3,000〜4,000円台になると、中規模の病棟全体でも十分に行き渡る量のお菓子を選びやすくなります。この予算帯は、一般的に「病院へのお礼」の相場として紹介されることも多いゾーンです。
この価格帯でおすすめなのは、
- 個包装の焼き菓子が30個前後入ったアソートボックス
- さまざまな味のせんべいやおかきがたっぷり入った詰め合わせ
- クッキー・チョコ・ナッツなどがミックスされた大容量のバラエティセット
といった、「とにかく数が多くて、いろいろな味を楽しめるタイプ」です。勤務形態がバラバラのスタッフが、好きなタイミングで少しずつつまめるようなスタイルをイメージすると良いでしょう。
箱のサイズが大きすぎるとナースステーションで場所を取ってしまうので、「見た目はほどほど、内容量はしっかり」というバランスで選ぶのがコツです。
5,000円前後でワンランク上の感謝を伝えるギフトイメージ
長期入院や大きな手術で特にお世話になった場合、「少し奮発して感謝の気持ちを伝えたい」と感じることもあるかもしれません。そんなときの上限目安として、5,000円前後を考えておくと安心です。
この予算では、有名店の焼き菓子詰め合わせや、和洋ミックスの高級感あるギフトを選ぶことができます。ただし、あまりにも豪華に見えすぎるものは、「ここまでしていただかなくて良かったのに」と相手が気を遣ってしまうこともあります。
ワンランク上にしたいときも、「高級感」より「品の良さ」を大事にしましょう。
例えば、
- 素材にこだわったシンプルな焼き菓子の詰め合わせ
- 上品な包装の和菓子セット(おかきや最中など)
- 小さめの箱が二段になったギフトボックス
など、落ち着いた雰囲気で、なおかつ個包装が多いものを選ぶと、病院という場にもなじみやすくなります。
ネット通販で買えるおすすめタイプ:レビューの見方と選び方のコツ
最近は、退院の予定が分かった時点でネット通販でお礼のお菓子を手配する人も増えています。ネットで選ぶときは、商品ページの写真だけでなく、レビューもしっかりチェックするのがおすすめです。
特に参考になるのは、
- 「職場への差し入れに買いました」というレビュー
- 「人数が多いところに配りました」と書かれているコメント
- 「個包装で分けやすかった」「日持ちして助かった」といった感想
などです。これらは病院への菓子折りにも条件が近いため、実際の使いやすさをイメージしやすくなります。
また、到着予定日にも注意が必要です。退院日が決まっている場合は、前日までに届くように余裕を持って手配しましょう。
万が一、病院に直接送る場合は、病棟名や担当科を明記し、事前に病院側に送っても問題ないか確認しておくと安心です。
地元の名物・有名店の焼き菓子を選ぶときのポイントと注意点
地元の名物や人気店の焼き菓子は、「どこにでもあるものではない特別感」が出しやすく、お礼として選びたくなる候補の一つです。ただし、病院に持っていく場合には、少し気をつけたい点もあります。
まず、名物のなかには日持ちしない生菓子も多いので、必ず賞味期限を確認しましょう。病院用に選ぶときは、焼き菓子や乾き物など、常温保存ができて数日〜数週間もつものが安心です。
また、サイズが大きすぎてカットが必要なものは避けた方が無難です。スタッフがわざわざ切り分ける手間が増えてしまい、忙しい現場ではなかなか手がつけられないまま時間がたってしまうこともあります。
「地元のものを味わってほしい」という思いは素敵ですが、相手の職場環境を思い浮かべながら、「手間をかけさせない形」に整えて選ぶことが大切です。
退院後の菓子折りの渡し方・タイミング・のしの書き方
渡すタイミングはいつがベスト?退院当日・会計時・別日に伺う場合
菓子折りを渡すタイミングとして一番多いのは、退院当日です。会計や退院手続きが終わったあとに、ナースステーションや受付に立ち寄り、「お世話になりました。皆さまで召し上がってください」と一言添えて渡すパターンが一般的です。
退院当日はバタバタしがちですが、それでも病棟に顔を出してきちんとお礼を言えると、自分の気持ちもすっきりします。もし当日に用意が間に合わない場合は、数日〜1週間以内を目安に、改めて受付に預ける形でも問題ありません。
ただし、病院によっては「患者さんやご家族からの贈り物はお断りしています」と決めているところもあるため、事前に案内や掲示をチェックしておくと安心です。
基本的には、退院から時間が経ちすぎると印象が薄れてしまうので、渡すなら退院当日前後のタイミングを意識すると良いでしょう。
ナースステーションに持っていく?事務受付に預ける?スマートな渡し方
菓子折りをどこに持っていくかは、病院の規模や雰囲気によって少し変わります。
中規模以上の総合病院の場合。入院していた病棟のナースステーションに持っていき、「病棟スタッフの皆さまで」と伝えるのが自然です。看護師長さんやその場にいる看護師さんが受け取ってくれることが多いです。
小さなクリニックや診療所の場合は、受付にいる事務スタッフに、「先生方とスタッフの皆さまで召し上がってください」と渡す形がよく見られます。
主治医に直接渡したい場合でも、診察の合間をぬって持っていくのは難しいことがあります。そのため、「先生宛てですが、よろしければ皆さまで」と受付やナースステーションに預ける形にした方が、相手の負担になりにくく、スマートです。
いずれの場合も、長居はせず、感謝の言葉を短く伝えてサッと引き上げるのが、忙しい現場への気配りになります。
のし紙は付ける?付けない?「御礼」「御礼品」など文言の選び方
病院に持っていく菓子折りにのし紙を付けるかどうかは、少し迷うポイントです。きちんと感を出したいなら付けてもよいですが、カジュアルに渡したいなら、きれいな包装だけでも失礼にはあたりません。
のしを付ける場合は、紅白蝶結び(何度あっても良いお祝いごとに使うタイプ)を選び、上段の表書きには「御礼」と書くのが一般的です。退院のお礼なので、「快気祝い」や「快気内祝」とは区別しておきましょう。
下段には、贈り主の姓のみ、フルネーム、家族名などを入れますが、そこまで堅苦しくしたくない場合は、あえてのしなしで渡す人も多いです。迷うときは、お店の人に「病院へのお礼で持っていきたい」と相談すると、適切なのしの有無や書き方を教えてもらえます。
一言メッセージで印象アップ!短くても好印象な感謝の言い方例
菓子折りに、小さなメッセージカードを添えるのもおすすめです。長文でなくてかまわないので、次のような短い文章でも十分気持ちは伝わります。
- 「入院中は大変お世話になり、ありがとうございました」
- 「おかげさまで無事に退院することができました。心より感謝しております」
- 「皆さまの温かいご対応に支えられました。ささやかですが、皆さまで召し上がってください」
文字がきれいかどうかよりも、自分の言葉で書かれていることが大切です。
忙しい中でも、カードをちらっと見て「そういえばあの患者さん、元気になってよかったね」と話題になることもあります。形としてのお菓子以上に、心に残るのはこうした一言だったりします。
「受け取れません」と言われたときのスマートな引き下がり方
せっかく用意した菓子折りでも、病院のルールで受け取れないと言われることがあります。この場合、無理に押し付けず、気持ちよく引き下がることが何より大切です。
具体的には、
「病院の決まりがあるのですね。知らずに失礼しました。お気持ちだけ受け取っていただければうれしいです」
「では、これは家でいただきます。本当にお世話になりました」
といった言葉を添えて持ち帰りましょう。
そのうえで、「お気持ちだけで十分です」とはっきり伝えてくれた病院側の姿勢を、むしろ信頼できるポイントとして受け止めてよいと思います。
後日、あらためてお礼の手紙を送ったり、アンケートや口コミで感謝を伝えたりするのも、気持ちの良い方法です。
退院後の菓子折りは「無理をせず・気を遣わせず」が基本
退院後の菓子折りは、「絶対に必要なもの」ではありません。医療の現場では、患者からの謝礼を原則として受け取らないという考え方が基本になっており、病院によっては、そもそも贈り物を禁止しているところもあります。
それでも何か形にして感謝を伝えたい場合は、病院のルールを尊重したうえで、
- 予算は2,000〜5,000円程度の無理のない範囲
- 日持ちする個包装のお菓子を中心に選ぶ
- 「病棟スタッフ一同さま」など、みんなで分けやすい宛名にする
- 匂いが強いものや生菓子は避け、万人受けする味を選ぶ
といったポイントを押さえておけば、相手に負担をかけずに気持ちを伝えやすくなります。
一番大切なのは、菓子折りの有無ではなく、「治療してくれてありがとう」「支えてくれてありがとう」という思いをきちんと伝えることです。
退院のあいさつ、ささやかなお菓子、一言のメッセージ。自分にできる形で感謝を表現できれば、それだけで十分すてきなお礼になります。
