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原料・原材料・材料の違いとは?意味と使い分けを具体例でわかりやすく解説

原料・原材料・材料の違いとは?意味と使い分けを具体例でわかりやすく解説

商品のパッケージや製造業の資料を見ていると、「原料」「原材料」「材料」というよく似た言葉が登場します。

どれも何かを作るために使う物を表しているため、違いがよく分からないと感じる人も多いのではないでしょうか。

一般的には、製品の出発点になる物を原料、作るために使う物を材料、製造に使用した物をまとめた表現を原材料と考えると理解しやすくなります。

ただし、同じ物でも製造段階や業界によって呼び方が変わるため、「元の形が残るかどうか」だけでは判断できません。

この記事では、木材、小麦粉、綿、プラスチックなどの身近な例を使い、3つの言葉の意味と自然な使い分けを分かりやすく解説します。

食品パッケージの原材料名や原料原産地表示の読み方も紹介するため、普段の買い物や仕事の文書作成にも役立てられます。

目次

原料・原材料・材料の違いを最初に理解しよう

まずは3つの違いを比較表で確認

「原料」「原材料」「材料」は、いずれも何かを作るときに使われる物を表します。

ただし、注目している範囲や製造工程との関係が少しずつ異なります。

最初に、基本的な違いを表で整理しておきましょう。

言葉基本的な意味注目するポイント使用例
原料加工されて別の物になる出発点何から作られたか木材は紙の原料
材料物を作るために使用する物何を使って作るか木材は机の材料
原材料製品の製造に使う物をまとめた表現製造に投入した物の全体食品の原材料名

簡単にいえば、「原料」は製造の出発点に注目した言葉です。

「材料」は、物を作るために使う物を幅広く表します。

「原材料」は、製造や販売、品質管理、表示制度などで、使用した物をまとめて扱うときによく使われます。

ただし、この区別はあらゆる場面に共通する絶対的なルールではありません。

国立国語研究所の日本語教育資料では、「しょう油は大豆から作る」という文が原料を示す例として挙げられています。

一方、材料は「紙で飛行機を作る」のように、「何を使って作るのか」を表す使い方が確認できます。

そのため、迷ったときは「何から作るのか」と「何を使って作るのか」のどちらを伝えたいか考えると、自然な言葉を選びやすくなります。

「材料」は何かを作るために使うもの

材料は、製品や料理、作品などを作るために使用する物を広く表す言葉です。

たとえば、木の板を使って本棚を作る場合、木の板は本棚の材料です。

小麦粉、卵、砂糖を使ってケーキを作る場合、それらはケーキの材料と呼べます。

紙を使って工作をする場合も、紙は工作の材料です。

このように、材料は日常生活から工業分野まで幅広く使えます。

材料を表す文では、「木で机を作る」「紙で箱を作る」のように、助詞の「で」が使われることがあります。

国立国語研究所の研究資料でも、何かを加工して物を作るときに使う物が、材料という意味関係として整理されています。

材料という言葉では、完成後に元の物が見えるかどうかだけでなく、作るために使用した物であることが重要です。

木製の机では木目が見えるため、木材が使われていることを確認しやすいでしょう。

しかし、材料の形が完成後に見えなくなっても、材料という表現が間違いになるとは限りません。

たとえば、砂糖はケーキの中で粒の形を失いますが、一般的なレシピではケーキの材料と呼ばれます。

材料には、物を作るための情報や根拠という比喩的な使い方もあります。

「会議の材料」「判断材料」「話の材料」などが、その代表例です。

この意味では、実際の物が加工されるわけではありません。

材料は3つの中で最も使える範囲が広く、日常会話で迷ったときにも選びやすい言葉といえます。

「原料」は加工によって姿が変わるもの

原料は、製造や加工の出発点となる物を表します。

ぶどうからワインを作る場合、ぶどうはワインの原料です。

大豆からしょうゆを作る場合、大豆はしょうゆの原料です。

木材チップや古紙から紙を作る場合、木材チップや古紙は紙の原料になります。

林野庁は、木材チップがパルプに加工され、紙や板紙の原料として利用されることを説明しています。

原料には、加工によって元の形や性質が大きく変わる物という印象があります。

そのため、「完成品を見ても元の姿が分かりにくい物が原料」と説明されることがあります。

この考え方は、日常的な使い分けの目安としては便利です。

ただし、元の形が残るかどうかだけで、原料と材料を完全に分けることはできません。

日本語教育では、「ぶどうからワインを作る」のように、原料を助詞の「から」で示す用法が紹介されています。

ここで注目されているのは、ぶどうの形が残るかどうかだけではありません。

ワインがぶどうを出発点として生まれたという関係です。

工業分野でも、原料は製造工程の初めに投入される物や、別の物質を合成するための物を表します。

経済産業省の用途分類資料では、電池に用いる調合・成形用の物を「原材料」とし、それを合成するために使う物を「原料」として区別しています。

つまり、原料を理解するポイントは、完成品の元になった出発物に注目することです。

「原材料」は原料と材料をまとめた言葉

原材料は、製品を作るために使用する物をまとめて表す言葉です。

文字だけを見ると、「原料」と「材料」を単純につなげた言葉のように感じるかもしれません。

実際には、製造、調達、品質管理、会計、契約、食品表示などで、使用する物をひとまとまりに扱うための実務的な表現として使われています。

たとえば、工場が製品を作るために購入する金属、樹脂、薬品、部品などを、まとめて原材料と呼ぶことがあります。

食品のパッケージでは、使用した食品を示す欄が「原材料名」とされています。

消費者庁の食品表示ガイドでも、「原材料名」は加工食品の表示項目として扱われています。

ただし、「原材料」という言葉が使われているからといって、掲載された一つひとつを原料と材料に厳密に分類できるとは限りません。

食品表示では、小麦粉、砂糖、卵、しょうゆ、食塩などが、まとめて原材料名の欄に記載されます。

料理の会話では「ケーキの材料」と呼ばれる小麦粉や卵も、販売される加工食品の表示では「原材料」に含まれます。

そのため、原材料は独立した一つの分類というより、製造に使用した物を広くまとめる言葉として考えると分かりやすくなります。

業界によっては、原料と材料に個別の意味が定められている場合もあります。

農林水産消費安全技術センターは肥料の登録に関する説明で、主成分を含む必要不可欠な物を原料とし、成形促進や品質低下の防止などに使う物を材料として区別しています。

この区別は肥料分野における実務上の定義であり、すべての業界にそのまま当てはまるものではありません。

迷ったときに使える基本的な判断方法

3つの言葉で迷ったときは、まず何を伝えたいのか考えてみましょう。

「この製品は何から生まれたのか」を伝えたい場合は、原料が自然です。

「これを作るために何を使ったのか」を伝えたい場合は、材料が使いやすいでしょう。

「製造に使用した物をまとめて示したい」という場合は、原材料が適しています。

次のように質問を置き換えると判断しやすくなります。

確認したいこと選びやすい言葉
何から作られたか原料ワインの原料はぶどう
何を使って作るか材料ケーキの材料は小麦粉と卵
製造に使った物の全体原材料商品の原材料を確認する
情報や根拠として使うか材料判断材料を集める
業界の制度や規格で決まっているか指定された用語肥料の原料と材料

「元の形が残っているなら材料、残っていないなら原料」という判断方法もあります。

ただし、これは分かりやすくするための目安であり、絶対的な基準ではありません。

砂糖は飲み物に溶けて形がなくなりますが、「飲み物の材料」と呼んでも不自然ではありません。

木材も、紙を作るときは原料と呼ばれ、机を作るときは材料と呼ばれます。

同じ物でも、何を作るのか、どの製造段階を見ているのかによって呼び方は変化します。

それでも判断できないときは、日常会話では材料、製造や調達の文書では原材料、製品の出発物を強調するときは原料と考えると、自然な文章になりやすいでしょう。

身近な具体例から3つの使い分けを学ぼう

木は家の材料、紙の原料になる

木は、作る物によって材料にも原料にもなります。

柱、梁、床板、壁材などとして住宅に使う場合は、「家の材料」や「建築材料」という表現が自然です。

加工された木材が家の一部として使われ、木の性質や形を生かして建物を支えるからです。

一方、木材チップを細かい繊維にして紙を作る場合、木材は紙の原料と呼ばれます。

林野庁は、木材チップをパルプに加工し、そのパルプを紙や板紙の原料として利用する流れを説明しています。

製紙工程では、木材を細かく砕いたり、繊維を取り出したりしてパルプを作ります。

その後、繊維を水中に分散させ、薄く広げて乾燥させることで紙になります。

完成した紙を見ても、元の木材チップの形は確認できません。

このため、木材は紙の製造における出発物として、原料と呼ぶのが分かりやすいのです。

ただし、紙を使って箱を作る場合には、紙は箱の材料になります。

さらに、その箱を再利用して再生紙を作る場合、使用済みの箱や古紙は再び紙の原料になります。

この流れを見ると、原料や材料は物自体に固定された名前ではないことが分かります。

製造工程のどの位置にあり、次に何を作るために使われるのかによって呼び方が決まります。

木、木材チップ、パルプ、紙、紙箱という順番を追うと、同じ系統の物が原料、製品、材料へと役割を変えていく様子を理解しやすいでしょう。

小麦・小麦粉・パンでは呼び方がどう変わる?

小麦からパンができるまでには、複数の加工段階があります。

畑で収穫された小麦は、製粉されて小麦粉になります。

この段階では、小麦は小麦粉の原料です。

次に、小麦粉へ水、酵母、食塩などを加え、生地を作って焼くとパンになります。

家庭でパンを作る場面では、小麦粉、水、酵母、食塩をパンの材料と呼ぶのが自然です。

一方、パン工場の製造管理や商品の表示では、それらをパンの原材料としてまとめて扱うことがあります。

市販される一般用加工食品では、使用した物が「原材料名」の欄に表示されます。

そのため、小麦粉は会話ではパンの材料、商品表示ではパンの原材料と呼ばれます。

さらに、小麦粉を製造する企業にとっては、小麦が原料です。

パン工場にとっては、小麦粉が原料や原材料として扱われる場合があります。

家庭でパンを作る人にとっては、小麦粉が材料になります。

この違いは、どの立場から製造工程を見ているのかによって生まれます。

食品表示に「小麦」と書かれているのか、「小麦粉」と書かれているのかを確認することも大切です。

小麦と小麦粉は、製造段階が異なる別の名称だからです。

パンの最終的な原料を広い意味でたどれば小麦に行き着きますが、実際のパン工場が直接使用したのは小麦粉である場合があります。

原料を説明するときは、どの製造段階の出発物を指しているのかを明確にすると、誤解の少ない文章になります。

カレーやケーキは「材料」と呼ぶのが自然

家庭料理では、原料よりも材料という言葉がよく合います。

カレーを作るために用意する肉、玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、カレールーなどは、一般的にカレーの材料と呼ばれます。

ケーキに使う小麦粉、卵、砂糖、バター、牛乳なども、ケーキの材料です。

レシピでは「材料」という欄を設け、必要な食品と分量を示す形がよく使われます。

料理では、作り手が「何を使うのか」を知りたいからです。

この場面で「カレーの原料」や「ケーキの原料」と言っても意味は伝わりますが、家庭での会話としては少し工業的で硬い印象になります。

一方、食品メーカーが商品を製造するときは、原料や原材料という表現が使われます。

たとえば、仕入れ、保管、製造記録、品質検査、アレルギー管理などでは、「原材料の確認」という言い方が自然です。

完成した商品パッケージでも、使用した物は原材料名の欄に表示されます。

つまり、同じ小麦粉や卵であっても、家庭のレシピでは材料、商品の製造や表示では原材料になることがあります。

なお、料理に使う物の形が残るかどうかは、決定的な基準ではありません。

カレーの玉ねぎは煮込むと形がほとんどなくなる場合がありますが、それでもカレーの材料と呼べます。

砂糖もケーキの中で粒の姿を失いますが、ケーキの材料です。

料理の場面では、原形よりも「調理に使用する物」という役割が重視されると考えると分かりやすいでしょう。

綿・糸・布・洋服の関係で考える

繊維製品は、製造段階によって呼び方が変わる例として分かりやすい分野です。

綿花から繊維を取り出し、繊維をより合わせて糸を作り、糸を織ったり編んだりして布を作ります。

その布を裁断して縫製すると、シャツやズボンなどの衣料品になります。

この流れでは、綿は糸を作るための原料です。

糸は布を作るための原材料や材料になります。

布は洋服を作るための材料です。

経済産業省の繊維関連資料でも、繭、羊毛、綿、亜麻、合成繊維などが繊維分野の「原料」として整理されています。

また、繊維から糸、糸から布へ進む製造工程も、経済産業省の技術資料で示されています。

リサイクルの場面では、役割がさらに変化します。

古着や裁断くずをほぐして繊維状に戻し、再び糸を作る場合、古着や裁断くずが再生糸の原料になります。

経済産業省の検討会資料では、廃棄衣料や裁断くずを裁断、開繊して綿状に戻し、再び紡績して糸を作る工程が説明されています。

完成品だった洋服が、次の製造工程では原料になるわけです。

このように、原料、材料、製品という立場は固定されていません。

何を作るために使われるのかを一段ずつ追うことで、適切な呼び方を判断できます。

石油・樹脂・プラスチック製品の関係で考える

プラスチック製品も、製造段階によって呼び方が変化します。

従来の代表的な製造工程では、石油からナフサを取り出し、ナフサを熱分解してエチレンやプロピレンなどの基礎化学品を作ります。

さらに、エチレンやプロピレンをつなぎ合わせることで、ポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂が作られます。

NEDOは、ナフサから基礎化学品を作り、その基礎化学品を原料としてプラスチック素材を作る流れを紹介しています。

この流れでは、石油はナフサの原料であり、ナフサはエチレンなどを作る原料です。

エチレンはポリエチレンを作る原料になります。

完成したポリエチレンの粒は、袋、容器、フィルムなどを成形するための材料や原材料として扱われます。

さらに、ポリエチレン製のフィルムを使って包装袋を作る場合は、そのフィルムが袋の材料になります。

「石油はプラスチックの原料」という説明は、製造工程をまとめて伝える表現としては分かりやすいでしょう。

ただし、実際の工場では、石油を直接投入して袋を作るわけではありません。

石油、ナフサ、基礎化学品、樹脂、成形品という複数の段階があります。

正確さが必要な文章では、「石油を出発点として作られる」「ポリエチレンを材料として成形する」など、工程を分けて表現すると誤解を防げます。

原料と材料を「原形」だけで分けられない理由

原形が残るかどうかは目安であって絶対ではない

原料と材料の違いを説明するとき、「完成後に元の形が残らない物が原料で、残る物が材料」と整理されることがあります。

この説明は、紙と木材、ワインとぶどうなどを考えると理解しやすいでしょう。

しかし、すべての例をこの基準だけで説明することはできません。

砂糖は飲み物やケーキの中で元の粒が見えなくなりますが、一般的には飲み物やケーキの材料と呼べます。

コンクリートも、セメント、砂、砂利、水などを混ぜて作られますが、現場によってはこれらをコンクリートの材料や原材料と表現します。

食品表示では、元の形が残っているかどうかにかかわらず、食品の製造に使用した物が原材料名の欄で扱われます。

肥料分野では、原料と材料が元の形ではなく、主成分を供給する役割や、品質を保つ役割によって分けられています。

工業分野でも、製品を作るための調合・成形用の物を原材料とし、それを合成する物を原料とする分類があります。

これらの事実から、原形が残るかどうかは、日常的な理解を助ける目安の一つにすぎないと分かります。

より正確に判断するには、製造工程の位置、使用目的、業界の定義、文章を読む相手まで考える必要があります。

同じ物でも作る製品によって呼び方が変わる

物には、最初から原料や材料という固定された名前が付いているわけではありません。

木材は、机や住宅を作るときには材料になります。

木材を細かくして紙を作るときには、紙の原料になります。

紙はノートを作るための材料ですが、回収後に再生紙を作る場合は古紙が原料になります。

小麦粉も、家庭でパンを作るときは材料です。

パン工場の製造管理では、原料や原材料として扱われる場合があります。

完成したパンをパン粉へ加工する場合、パンはパン粉の原料になります。

このように、同じ物でも「次に何を作るのか」によって役割が変わります。

材料という言葉は、作業者が直接使用する物に注目するときに選ばれやすい表現です。

原料という言葉は、その製品が何を出発点として生まれたのかを伝えるときに選ばれやすい表現です。

国立国語研究所や東京外国語大学の日本語教育資料では、材料を「で」、原料を「から」で示す例が確認できます。

「木で机を作る」と「木から紙を作る」を比べると、注目点の違いが分かります。

前者は使用する物を示し、後者は変化の出発点を示しています。

実際の会話では両方の表現が成り立つ場合もあるため、どちらが必ず正しいというより、何を強調するのかで選ぶことが大切です。

製造や加工の段階によって呼び方が変化する

一つの製品が完成するまでには、複数の会社や工場が関わることがあります。

前の工場で完成品だった物が、次の工場では原料や材料になることも珍しくありません。

たとえば、パルプ工場にとってパルプは製品です。

製紙工場にとっては、パルプが紙を作るための原料になります。

製紙工場で完成した紙は商品ですが、紙器工場では箱を作るための材料になります。

同じことは、繊維産業にも当てはまります。

紡績工場で作られた糸はその工場の製品ですが、織物工場では布を作るための原材料になります。

布は織物工場の製品であり、縫製工場では洋服の材料です。

化学産業でも、基礎化学品を原料として樹脂を作り、その樹脂を材料として成形品を作る流れがあります。

経済産業省の用途分類資料が、調合・成形用の原材料と、それらを合成する原料を分けていることからも、製造段階による呼び分けを確認できます。

ビジネス文書で原料や材料を書くときは、「自社の製造工程に直接投入する物」を指すのか、「さらに上流までたどった出発物」を指すのかを明確にしましょう。

「当社製品の原料」という表現だけでは範囲が曖昧になる場合は、「一次原料」「購入原材料」「成形材料」など、社内や業界で定めた名称を使う方法もあります。

食品・建築・製造業で使われ方が異なる

原料と材料の意味は、業界によって異なる場合があります。

食品分野では、一般用加工食品に使用された物を示す表示項目として「原材料名」が使われています。

家庭で料理するときには「料理の材料」と呼ぶ物も、食品表示では原材料として扱われます。

建築分野では、木材、コンクリート、鉄、ガラスなど、建物や工事に使用する物を建設資材や建築材料と呼びます。

国土交通省の資料では、コンクリート、木材、アスファルト・コンクリートなどが特定建設資材として示されています。

農業分野では、肥料、農薬、農業機械などをまとめて農業生産資材と呼ぶ場合があります。

ここでの資材は、製品の中に取り込まれる物だけを指しているわけではありません。

肥料の登録制度では、主成分を供給する物を原料とし、成形や品質維持などに使う物を材料として区別しています。

化学分野では、物質を合成する出発物を原料と呼び、性能を発揮するために加工された物を材料と呼ぶことがあります。

業界ごとの書類や規格では、日常語の感覚だけで判断しないことが大切です。

法令、規格、契約書、申請要領、社内基準に定義が書かれている場合は、その定義を優先しましょう。

日常会話では厳密に区別されないことも多い

日常会話では、原料、材料、原材料が厳密に使い分けられていない場合があります。

「このお菓子の材料は何ですか」と聞いても、「このお菓子の原料は何ですか」と聞いても、使用した食品を知りたいという意図は伝わります。

「この服の材料は綿です」と「この服の原料は綿です」も、会話の目的によってはどちらも成立します。

ただし、言葉から受ける印象には違いがあります。

材料は、作るときに手元で使う物を思い浮かべやすい言葉です。

原料は、製品の成り立ちや製造工程をさかのぼる印象があります。

原材料は、商品のパッケージ、工場の管理表、取引書類などを連想させる、やや事務的な表現です。

文章を書くときは、辞書的な区別だけでなく、読者がどのように受け取るかも考える必要があります。

料理初心者向けの記事であれば、「材料」のほうが親しみやすいでしょう。

製造業者向けの記事であれば、「原材料の調達」「原料価格」「材料特性」など、目的に応じて言葉を分けると内容が正確になります。

食品を購入する人へ説明する場合は、パッケージ上の正式な項目名に合わせて「原材料名」と書くのが分かりやすいでしょう。

厳密な定義がない一般的な文章では、前後で呼び方が変わらないように統一することも大切です。

食品に書かれている「原材料名」の意味

食品ではなぜ「材料名」ではなく「原材料名」なのか

市販される加工食品のパッケージには、一般に「原材料名」という項目があります。

これは、食品表示基準で用いられている表示項目の名称です。

消費者庁が公開する食品表示ガイドでも、名称、原材料名、添加物、内容量、期限、保存方法などが一括表示の項目として示されています。

ここでいう原材料名は、家庭料理で使う「材料」よりも制度的な意味を持ちます。

商品を製造するために使用した食品を、定められた方法で表示する欄だからです。

たとえば、家庭ではクッキーの材料として小麦粉、砂糖、バター、卵などを挙げます。

市販のクッキーでは、それらが原材料名の欄に記載されます。

原材料名という名称が使われていても、すべての食品を原料と材料に分割して表示するわけではありません。

使用した食品をまとめて記載するための項目と考えると分かりやすいでしょう。

なお、食品表示には例外や個別の表示方法があります。

商品の種類、販売方法、容器包装の状態、使用量、複合原材料の有無などによって、必要な表示や書き方が異なる場合があります。

食品事業者が実際に表示を作成する場合は、消費者庁が公開する最新の食品表示基準、通知、Q&Aを確認する必要があります。

消費者として読む場合は、原材料名が「家庭で使う材料の一覧に近いもの」でありながら、法律上の表示ルールに従って書かれた情報だと理解しておきましょう。

原材料名は使用した重量の多い順に表示される

一般用加工食品の原材料名は、原則として製造時に使用した重量の割合が高いものから順に表示されます。

そのため、最初に書かれている原材料は、その商品の中で使用重量が最も多い原材料であることが基本です。

たとえば、原材料名が「小麦粉、砂糖、マーガリン、卵」となっていれば、表示上は小麦粉が最も多く使用され、続いて砂糖、マーガリン、卵という順になります。

ただし、表示だけを見て正確な配合量や割合まで知ることはできません。

原材料名には、通常、それぞれが何%含まれているかまでは書かれていないからです。

また、複数の原材料を使って作られた加工食品を、別の食品の製造に使用する場合があります。

このような物は複合原材料と呼ばれます。

消費者庁のガイドでは、マヨネーズのような複合原材料について、名称の後ろに括弧を付け、構成する原材料を表示する例が示されています。

一定の条件に該当する場合には、複合原材料の一部を「その他」と表示したり、構成原材料の表示を省略したりできる場合があります。

そのため、原材料名を読めば使用した物の順序はおおよそ分かりますが、製品の配合を完全に再現できるわけではありません。

重量順という基本を知っておくと、似た商品を比較するときに役立ちます。

果物を使った商品なら、果物が最初に書かれているか、砂糖が最初に書かれているかを見ることで、商品の構成を考える手がかりになります。

原材料と食品添加物はどのように分けられる?

加工食品では、食品添加物であることが分かるように、原材料と区別して表示されます。

表示方法には、原材料名の欄でスラッシュ記号を使って区切る方法があります。

原材料を書いた後に改行し、その後へ添加物を書く方法もあります。

原材料名とは別に「添加物」という欄を設ける方法も認められています。

消費者庁の資料では、原材料名の欄に「砂糖、濃縮果汁、植物油脂/ゲル化剤、酸味料、香料」のように記載する例が示されています。

この場合、スラッシュより前が原材料で、後ろが添加物です。

別の欄に表示されている場合は、「添加物」の欄を確認します。

食品添加物は、原則として使用した添加物の物質名などで表示されます。

用途によっては、甘味料、着色料、保存料などの用途名が併記される場合があります。

香料や乳化剤など、定められた一括名で表示できるものもあります。

なお、原材料と添加物は同じ順序の中で混ぜて並べるのではなく、それぞれの区分の中で重量の多い順に表示されます。

パッケージを読むときは、スラッシュ、改行、別欄のいずれで区切られているか確認しましょう。

原材料名の欄に知らない言葉が並んでいても、区切りを見つけることで、食品部分と添加物部分を整理しやすくなります。

「原材料名」と「原料原産地名」の違い

原材料名は、商品を作るために使用した食品の名称を示します。

原料原産地名は、対象となる原材料がどこで生産されたか、またはどこで製造されたかを示す情報です。

たとえば、「豚肉」と書かれている部分が原材料名です。

その後ろに「カナダ産」や「国産」と書かれていれば、それが豚肉の原産地を示します。

対象となる原材料が生鮮食品の場合は、「国産」「アメリカ産」などの産地が表示されます。

対象となる原材料が加工食品の場合は、「国内製造」「フランス製造」などの製造地が表示されることがあります。

国内で製造された加工食品では、原則として重量割合が最も高い原材料が原料原産地表示の対象になります。

一部の食品群や品目には個別のルールがあります。

ここで注意したいのが、「国内製造」の意味です。

「小麦粉(国内製造)」と書かれている場合、小麦粉を日本国内で製造したことを示します。

小麦そのものが日本で栽培されたことを必ず示す表現ではありません。

原材料が加工食品である場合は、その加工食品の製造地が表示されるためです。

また、輸入された加工食品には、原料原産地表示ではなく、その商品を輸入した国を示す原産国名が表示されます。

原材料名と原料原産地名は似ていますが、前者は「何を使ったか」、後者は「対象となる物がどこから来たか」を表します。

食品表示から分かること・分からないこと

原材料名を見ると、その食品の製造にどのような物が使われているか確認できます。

表示順から、どの原材料が比較的多く使われているかを考えることもできます。

添加物との区切りを見れば、どこまでが食品原材料で、どこからが添加物なのか整理できます。

アレルゲンに関する表示があれば、自分や家族が避ける必要のある食品が含まれていないか確認できます。

原料原産地表示からは、対象となる原材料の産地や製造地を確認できます。

一方、原材料名だけでは、すべての配合割合を正確に知ることはできません。

製造方法、加熱時間、原材料の品質、品種、収穫時期なども、通常の原材料名だけでは分かりません。

「国内製造」と書かれていても、その加工食品に使われた生鮮原料の産地まで分からない場合があります。

複合原材料は、条件によって一部の構成原材料が省略されたり、「その他」と表示されたりすることがあります。

食品添加物にも、加工助剤やキャリーオーバーなど、一定の条件で表示が省略されるものがあります。

そのため、パッケージの表示は重要な情報ですが、製品に関するすべての情報を示しているわけではありません。

アレルギーなど健康に重大な影響がある場合は、表示だけで判断せず、必要に応じて製造者や販売者へ確認することが大切です。

商品選びでは、原材料名、アレルゲン表示、栄養成分表示、原料原産地名、保存方法などを組み合わせて確認しましょう。

似ている言葉との違いと使い分けを解決しよう

「素材」はその物が持つ性質に注目した言葉

素材は、物を作るもとになる物という点で、材料とよく似ています。

ただし、素材という言葉には、手触り、強さ、軽さ、見た目、加工しやすさなど、その物が持つ性質に注目する印象があります。

衣服について「綿素材」といえば、綿の肌触りや吸湿性などを意識した表現になります。

家具について「木の素材感を生かした」といえば、木目や質感を生かしたことを表します。

「新素材」という言葉では、新しい性質や機能を持つ物であることが強調されます。

NEDOの技術紹介では、基礎化学品を原料としてポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチック素材が作られると説明されています。

この例では、基礎化学品は製造の出発物として原料と呼ばれ、作られたプラスチックは製品へ利用する際の性質に注目して素材と呼ばれています。

また、植物資源を利用して作られた構造タンパク質についても、衣料品などに応用する物として「素材」という言葉が使われています。

材料と素材の境界も明確に固定されているわけではありません。

設計図や製造工程の話では材料が使いやすく、デザイン、質感、機能、環境への配慮などを伝える場面では素材が使いやすいでしょう。

料理でも「素材の味を生かす」といいますが、「材料の味を生かす」より、食材そのものの持ち味を重視する印象になります。

「資材」は建築や産業で使われる物を表す言葉

資材は、仕事、工事、生産、農業などを進めるために必要な物を広く表します。

材料のように製品の一部になる物だけでなく、作業を支える用品や設備を含む場合があります。

農林水産省は、肥料、農薬、農業機械などを農業生産資材として扱っています。

農業機械は作物の一部にはなりませんが、生産に必要な物であるため資材に含まれます。

建設分野では、コンクリート、木材、アスファルト・コンクリートなどが建設資材として扱われます。

この場合は、建物や道路の一部になる物も資材に含まれています。

つまり、資材は「完成品に含まれるかどうか」よりも、「事業や作業を進めるために必要かどうか」に注目した言葉です。

会社で「資材を調達する」といえば、原材料、部品、包装材、消耗品などを広く指す場合があります。

ただし、企業によって資材部門が担当する範囲は異なります。

製品の中に入る物だけを扱う会社もあれば、工具、備品、包装用品まで扱う会社もあります。

材料は「何を使って製品を作るか」という視点に向いています。

資材は「事業に必要な物を準備し管理する」という視点に向いています。

契約書や社内文書では、資材の範囲を曖昧にせず、対象品目を定義しておくことが重要です。

「成分」は製品に含まれている物質を表す

成分は、ある物を構成している物質や要素に注目した言葉です。

原料や材料が「作るときに使用した物」を示すのに対し、成分は「完成した物の中に何が含まれているか」を示します。

たとえば、牛乳はケーキの材料として使われます。

一方、完成したケーキに含まれるたんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムなどは栄養成分として示されます。

文部科学省の食品成分データベースでは、食品に含まれるさまざまな成分の情報が提供されています。

原材料名と栄養成分表示を比べると、違いが分かりやすいでしょう。

原材料名には、小麦粉、砂糖、卵、バターなど、製造に使用した食品が書かれます。

栄養成分表示には、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量などが書かれます。

砂糖は原材料ですが、炭水化物は栄養成分です。

食塩は原材料として使われる場合がありますが、栄養成分表示ではナトリウム量から換算した食塩相当量が示されます。

化粧品や薬品でも、製造に投入する物を原料や原材料と呼び、完成品に含まれる物質を成分と呼ぶことがあります。

ただし、分野によっては「成分本質」と「原材料」を関連付けた専門的な用語が使われるため、制度上の文章では個別の定義を確認する必要があります。

「判断材料」の材料は原料と言い換えられない

材料には、物を作るための物だけでなく、考えるための情報や根拠という意味があります。

「判断材料を集める」は、判断するために必要な情報を集めるという意味です。

「話の材料を探す」は、会話の話題になりそうな情報を探すことを表します。

「研究材料にする」は、研究の対象や根拠として利用することを表します。

このような材料を、原料に置き換えることは基本的にできません。

「判断原料」「話の原料」と言うと、一般的な日本語として不自然になります。

材料には、複数の情報を使って結論や考えを組み立てるという比喩的な広がりがあるからです。

物作りでは、木材を使って机を作ります。

判断では、データや経験を使って結論を出します。

どちらも、何かを組み立てるために使う物や情報という共通点があります。

原料にも「物事のもと」という比喩的な表現が使われる場合はあります。

たとえば、「物語の原料となる体験」のような創作的な文章です。

ただし、一般的なビジネス文書では「企画の材料」「検討材料」「判断材料」と書くほうが自然です。

材料が具体的な物を指しているのか、情報や根拠を指しているのかは、前後の文脈から判断しましょう。

迷ったときに確認できる使い分けチェックリスト

原料、原材料、材料のどれを使うか迷ったら、次の順番で確認してみましょう。

確認する内容当てはまる場合に選びやすい言葉
完成品が何から生まれたかを伝えたい原料
作業で何を使うかを伝えたい材料
製造に投入する物をまとめたい原材料
商品パッケージの正式な欄を指す原材料名
物の質感や機能を強調したい素材
生産や工事に必要な物を広く指したい資材
完成品の中に含まれる物質を示したい成分
情報や根拠を表したい材料
法令や業界規則に定義がある定義された用語を優先

最後に、文章へ実際に当てはめて確認します。

「ぶどうでワインを作る」よりも、「ぶどうからワインを作る」のほうが、原料から別の物へ変化する流れが伝わります。

「小麦粉からケーキを作る」も成立しますが、レシピの説明では「小麦粉でケーキを作る」「ケーキの材料に小麦粉を使う」のほうが自然な場合があります。

「この商品の材料名を確認する」でも意味は伝わりますが、パッケージ上の項目を指すなら「原材料名を確認する」が正確です。

「鉄は自動車の原料」と表現することもできますが、車体を構成する鋼板について説明するなら「自動車の材料」としたほうが、直接使用する物という関係を伝えやすくなります。

正解を一語に決めることよりも、製造工程のどこを見ているのか、誰に何を伝えるのかを明確にすることが大切です。

原料・原材料・材料の違いまとめ

原料は、製品が何から作られたのかという出発点に注目した言葉です。

材料は、物や料理を作るために何を使うのかを幅広く表します。

原材料は、製造に使用した物をまとめて扱うときに便利な表現です。

基本的には、「ぶどうからワインを作る」のように変化の出発点を示す場合は原料が合います。

「木で机を作る」のように使用する物を示す場合は材料が自然です。

ただし、元の形が残るかどうかだけで、原料と材料を完全に分けることはできません。

同じ木材でも、机を作るときは材料、紙を作るときは原料になります。

同じ小麦粉でも、家庭のレシピでは材料、食品工場の管理や商品表示では原材料と呼ばれることがあります。

食品のパッケージにある原材料名は、食品表示制度に基づく正式な項目です。

原材料は原則として使用重量の多い順に書かれ、添加物はスラッシュ、改行、別欄などによって区別されます。

原料原産地名は、何を使ったかではなく、対象となる原材料の産地や製造地を示す情報です。

言葉に迷ったときは、「何から作ったのか」「何を使って作ったのか」「使用した物をまとめて示すのか」の3点を考えてみましょう。

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