「同様」と「同等」は、どちらも「同じ」に近い意味を持つため、文章を書いていると迷いやすい言葉です。
たとえば、「同様の対応」と「同等の対応」、「同様の商品」と「同等品」では、似ているようで相手に伝わる意味が変わります。
なんとなく選んでも通じる場面はありますが、ビジネス文書や商品説明では、少しの違いが誤解につながることもあります。
この記事では、「同様」と「同等」の意味の違いを、例文を使いながら中学生にもわかるように解説します。
さらに、「同じ」「同一」「類似」「相当」「対等」との違いも整理するので、読み終わるころには自然に使い分けられるようになります。
「同様」と「同等」の違いを一言でいうと?
「同様」は様子や方法がほぼ同じ
「同様」は、あるものの様子や状態、やり方が、別のものと同じ、またはほとんど同じだと言いたいときに使う言葉です。
デジタル大辞泉では、「同様」は「同じであること」「ほとんど同じであること」と説明されています。
たとえば、「前回と同様に進めます」と言う場合、前回とまったく同じ細かい部分まで完全にそろえるというより、「前回と同じような流れや方法で進める」という意味になります。
ここで大事なのは、「何が同じなのか」です。
「同様」は、見た目、流れ、方法、対応、状態などが近いときに使いやすい言葉です。
たとえば、「去年と同様にイベントを開く」と言えば、会場や参加人数まで完全一致していなくても、イベントの形や内容が去年に近いことを表せます。
つまり、「同様」は少し幅のある言葉です。
完全に同じとまでは言い切れないけれど、全体として同じように見えるときに自然です。
日常会話でもビジネス文書でもよく使われます。
「前回と同様」「これまでと同様」「例年同様」などは、特に自然な表現です。
反対に、価値やレベルをきちんと比べたいときには、「同様」よりも「同等」のほうが合うことがあります。
「同等」は価値やレベルが同じ
「同等」は、程度、等級、資格、価値、性能などが同じだと言いたいときに使う言葉です。
デジタル大辞泉では、「同等」は「程度・等級などが同じであること」と説明されています。
たとえば、「同等の性能」と言う場合、二つの製品を比べて、処理速度、容量、機能、品質などの水準が同じくらいだという意味になります。
「同等の資格」と言う場合も、資格の名前が同じという意味ではなく、社会的な扱いや能力の水準が同じくらいだという意味です。
「同等」は、比べる基準がはっきりしているときに使いやすい言葉です。
性能、学力、資格、価格、品質、立場など、何かの水準を比べる場面でよく登場します。
たとえば、「この機種は上位モデルと同等の性能を持つ」と言えば、上位モデルと比べても性能面で見劣りしないという意味になります。
ただし、同じメーカー、同じ形、同じ名前という意味ではありません。
「同等」は、あくまでレベルや価値がそろっているという意味です。
そのため、「同じもの」ではなく「同じくらいのもの」と考えるとわかりやすくなります。
「何が同じか」で判断すると迷わない
「同様」と「同等」で迷ったときは、「何が同じなのか」を先に考えると失敗しにくくなります。
様子、状態、方法、流れ、対応が同じようなら「同様」が自然です。
価値、程度、等級、性能、資格、立場が同じくらいなら「同等」が自然です。
たとえば、「前回と同様に処理します」は自然です。
これは、前回と同じような方法で処理するという意味だからです。
一方で、「前回と同等に処理します」と言うと、やや不自然に聞こえます。
処理という行動の流れを言いたいなら「同様」のほうが合います。
反対に、「A製品と同等の性能です」は自然です。
これは、性能という水準を比べているからです。
「A製品と同様の性能です」でも通じることはありますが、性能をしっかり比較する文では「同等」のほうが意味がはっきりします。
言葉を選ぶときは、「同じような感じ」なのか、「同じくらいのレベル」なのかを見分けましょう。
この一歩だけで、文章の自然さがかなり変わります。
使い分け早見表でサッと確認
| 比べたいもの | 自然な言葉 | 例 |
|---|---|---|
| 方法 | 同様 | 前回と同様に進める |
| 状態 | 同様 | 以前と同様の状態 |
| 対応 | 同様 | 他社と同様の対応を取る |
| 性能 | 同等 | A製品と同等の性能 |
| 資格 | 同等 | 大卒と同等の資格 |
| 品質 | 同等 | 例示品と同等以上の品質 |
| 立場 | 同等 | 両者を同等に扱う |
表にすると、「同様」は形や流れが近いとき、「同等」は水準や価値が近いときに使うとわかります。
もちろん、実際の日本語ではどちらでも通じる場面があります。
たとえば、「同様の商品」と「同等の商品」は、どちらも使われることがあります。
ただし、意味の中心は変わります。
「同様の商品」は、見た目や種類、使い方が似ている商品という印象です。
「同等の商品」は、品質や性能、価値が同じくらいの商品という印象です。
特にビジネスでは、この差が大切です。
商品説明や契約まわりでは、「同じようなもの」なのか、「同じレベルと認められるもの」なのかで意味が変わります。
迷ったときは、表の左側にある「比べたいもの」を当てはめて考えると、自然な言葉を選びやすくなります。
「同様」の意味と使い方
「同様」の基本の意味
「同様」は、「同じであること」や「ほとんど同じであること」を表す言葉です。
読み方は「どうよう」です。
文の中では、「同様の」「同様に」「同様な」という形でよく使われます。
たとえば、「同様の手口」「同様に対応する」「前回と同様な流れ」などです。
「同様」は、「完全に一致している」と言いたいときだけでなく、「ほとんど同じ」「同じように見える」と言いたいときにも使えます。
この点が、使いやすいところでもあり、少しあいまいになりやすいところでもあります。
たとえば、「AさんとBさんは同様の意見を持っている」と言った場合、二人の考えが一字一句同じという意味ではありません。
大きな方向性や考え方が近いという意味です。
また、「従来と同様の方法で行います」と言った場合も、細部まで完全に同じとは限りません。
基本的なやり方がこれまでと近いという意味です。
このように、「同様」は大きな特徴や全体の印象がそろっているときに使うと自然です。
だからこそ、日常の説明にも、ビジネスの案内にも向いています。
「前回と同様」「例年同様」が自然な理由
「前回と同様」「例年同様」という表現は、とても自然です。
どちらも、過去のやり方や流れを基準にして、今回もそれに近い形で行うという意味だからです。
たとえば、「前回と同様に資料を提出してください」と言えば、前回と同じような方法や手順で資料を出してほしいという意味になります。
この場合、紙の枚数や提出時刻まで完全に同じという意味ではありません。
大切なのは、「やり方が前回と同じようである」という点です。
「例年同様、年末にキャンペーンを実施します」も同じです。
毎年の流れと同じように、今年も年末にキャンペーンを行うという意味になります。
内容や景品、期間が少し変わっていても、全体の流れが近ければ「例年同様」と言えます。
このように、「同様」は前にあった出来事を基準にして話すときに使いやすい言葉です。
「以前と同じように」「これまでと変わらない形で」という意味を、短くきれいに伝えられます。
ビジネスメールで「前回と同様にお願いいたします」と書くと、相手にも意図が伝わりやすくなります。
状態・方法・対応に使いやすい言葉
「同様」は、状態、方法、対応を説明するときに特に使いやすい言葉です。
「状態」とは、ものごとのありさまです。
たとえば、「昨日と同様の状態です」と言えば、昨日と比べて大きな変化がないという意味になります。
病気の説明、機械の不具合、天気、売上の動きなど、さまざまな場面で使えます。
「方法」とは、ものごとを進めるやり方です。
「前回と同様の方法で確認します」と言えば、前と同じような手順で確認するという意味です。
マニュアル、研修、作業連絡などで自然に使えます。
「対応」とは、相手や状況に合わせて行動することです。
精選版 日本国語大辞典では、「対応」には「相手の出方や状況に応じてそれにふさわしく行動すること」という意味があります。
そのため、「他社と同様の対応を取る」と言えば、他社と同じような行動をするという意味になります。
「同様」は、このように動きや流れを説明するのが得意です。
ただし、品質や能力のレベルを細かく比べたいときには、「同等」のほうが向いている場合があります。
「同様」を使った例文と注意点
「同様」は便利な言葉ですが、使いすぎると文章が少しぼんやりすることがあります。
たとえば、「同様の内容です」とだけ書くと、何がどのくらい同じなのかがわかりにくい場合があります。
読者や相手に正確に伝えたいときは、同じ部分を少し補うと親切です。
例文を見てみましょう。
「前回と同様に、申込書をメールでお送りください。」
これは自然です。
提出方法が前回と同じようであることが伝わります。
「昨年と同様、今年もオンラインで説明会を開きます。」
これも自然です。
開催の形が昨年と近いことがわかります。
「このトラブルは、以前発生したものと同様の原因によるものです。」
この文では、原因の種類が以前と近いことを表しています。
注意したいのは、「同様」が必ずしも完全一致を表すとは限らないことです。
完全に同じものを指すなら、「同一」や「同じ」を使ったほうがはっきりします。
たとえば、「同様の人物」よりも「同一人物」のほうが、同じ人だという意味を強く表せます。
「同様」は、近さや似ていることを含む言葉だと覚えておきましょう。
「同等」の意味と使い方
「同等」の基本の意味
「同等」は、程度や等級などが同じであることを表す言葉です。
読み方は「どうとう」です。
「同等の」「同等に」「同等以上」などの形でよく使われます。
たとえば、「同等の能力」「同等の資格」「同等に扱う」「同等以上の品質」などです。
「同等」は、何かを比べたときに、レベルや価値に差がない、または同じくらいだと言いたいときに使います。
ここで大切なのは、「似ている」だけでは足りないという点です。
見た目や雰囲気が似ていても、性能や価値が大きく違えば「同等」とは言いにくくなります。
たとえば、見た目が似ている二つのパソコンがあったとします。
一方は動画編集ができる高性能モデルで、もう一方は文書作成向けの低価格モデルだとしたら、「同様の見た目」とは言えても、「同等の性能」とは言いにくいです。
「同等」は、比べるものの中身や水準に目を向ける言葉です。
そのため、ビジネス、教育、採用、契約、商品説明などでよく使われます。
「同じくらいの価値がある」と言いたい場面では、とても役に立つ表現です。
価値・程度・ランクを比べる言葉
「同等」は、価値、程度、ランクを比べるときに向いています。
「価値」とは、そのものがどれくらい役に立つか、どれくらい意味があるかという見方です。
「この経験は資格と同等の価値があります」と言えば、資格そのものではないけれど、それに近い価値があるという意味になります。
「程度」とは、強さや高さの度合いです。
「専門学校卒業と同等の学力」と言えば、卒業した学校が同じという意味ではなく、学力の水準が同じくらいだという意味です。
「ランク」とは、順位や格付けのことです。
「上級モデルと同等の機能」と言えば、上級モデルと同じくらいの機能を持っているという意味になります。
ここで気をつけたいのは、「同等」が必ず「まったく同じ」を意味するわけではないことです。
「同等」は、基準になる部分で同じくらいだという意味です。
たとえば、「A社製品と同等の品質」と言っても、形やデザイン、ブランド名まで同じとは限りません。
ただ、品質という基準で見れば同じくらいだと伝えています。
つまり、「同等」は比較の言葉です。
何と何を、どの基準で比べているのかをはっきりさせると、文章がわかりやすくなります。
「同等の性能」「同等の資格」が自然な理由
「同等の性能」や「同等の資格」は、とても自然な表現です。
どちらも、比べる基準がはっきりしているからです。
「性能」は、機械や製品がどれくらい働くかを表します。
処理速度、容量、強度、耐久性、省エネ性など、比べられるポイントがあります。
そのため、「A製品と同等の性能」と言えば、A製品と同じくらいの力を持っているという意味が伝わります。
「資格」も同じです。
資格には、学歴、経験、試験の合格、専門知識など、一定の基準があります。
「大学卒業と同等の資格」と言えば、大学を卒業したという事実そのものではなく、それに近い扱いや水準があるという意味になります。
「同様の性能」や「同様の資格」でも意味が通じる場面はあります。
ただし、性能や資格のようにレベルを比べる言葉には、「同等」のほうがぴったり合います。
「同様」は同じような状態や形を表しやすい言葉です。
「同等」は同じくらいの水準を表しやすい言葉です。
この違いを押さえるだけで、商品説明や職務経歴書、案内文の精度が上がります。
「同等」を使った例文と注意点
「同等」は、文章をきちんと見せたいときに便利です。
ただし、使うときは「何と比べて同じくらいなのか」を書くことが大切です。
例文を見てみましょう。
「この製品は、従来品と同等の性能を備えています。」
これは自然です。
比べる相手が従来品で、比べる基準が性能だとわかります。
「経験年数は短いものの、実務能力は他の担当者と同等です。」
これも自然です。
比べる基準が実務能力だとわかります。
「この研修を修了した人は、基礎課程修了者と同等に扱われます。」
この文では、扱いの水準が同じであることを表しています。
注意点は、「同等」と言うからには、ある程度の根拠が必要になることです。
たとえば、商品説明で「有名ブランド品と同等です」と書くなら、性能、品質、素材、保証など、何が同じくらいなのかを示したほうが安心です。
公的な入札の手続きでも、「同等品」は規格、品質、性能などが基準になります。
古賀市の説明では、同等品は規格、品質、性能が例示品と同等以上であるものとされています。
防府市の資料でも、仕様書などで示された判断基準を満たし、規格や品質などが例示品と同等以上であるものを同等品としています。
このように、「同等」は感覚だけでなく、基準とセットで使うと意味が強くなります。
間違いやすい使い分けを例文で確認
「同様の対応」と「同等の対応」の違い
「同様の対応」と「同等の対応」は、どちらもありそうに見えます。
しかし、意味の中心は違います。
「同様の対応」は、対応のやり方や流れが同じようであることを表します。
たとえば、「A社と同様の対応を取ります」と言えば、A社と同じような手順や姿勢で対応するという意味です。
お客様への案内、返金の流れ、問い合わせへの返答など、行動の形が近いときに自然です。
一方で、「同等の対応」は、対応のレベルや扱いが同じくらいであることを表します。
たとえば、「正社員と契約社員を同等に対応します」と言えば、両者を同じ水準で扱うという意味に近くなります。
ただし、「対応」はもともと状況に応じた行動を表す言葉なので、一般的には「同様の対応」のほうが使いやすい場面が多いです。
「同等の対応」を使うなら、待遇、扱い、保証、サポート水準など、レベルを比べていることが伝わる文にすると自然です。
たとえば、「有料会員と同等のサポートを受けられます」は自然です。
これは、サポートの水準を比べているからです。
「前回と同等の対応をお願いします」よりも、「前回と同様の対応をお願いします」のほうが自然な場面は多いでしょう。
迷ったら、行動のやり方なら「同様」、扱いの水準なら「同等」と考えてください。
「同様の商品」と「同等品」の違い
「同様の商品」と「同等品」は、かなり意味が違います。
「同様の商品」は、見た目、用途、種類、特徴などが似ている商品を指すことが多い表現です。
たとえば、「このバッグと同様の商品を探しています」と言えば、同じようなデザインやサイズ、使い方の商品を探しているという意味になります。
完全に同じブランドや素材である必要はありません。
一方で、「同等品」は、基準になる商品と比べて、規格、品質、性能などが同じくらい、またはそれ以上である品物を指す場面で使われます。
公的な入札や見積りの説明では、例示されたメーカーや型番とは別の品物でも、規格、品質、性能などが基準を満たす場合に「同等品」として扱われることがあります。
この違いは、買い物や仕事でかなり大切です。
「同様の商品」は、似ている商品という広い意味です。
「同等品」は、基準を満たす商品という意味が強くなります。
たとえば、プリンターのインクを買うときに「同様の商品」と書かれていたら、似たような用途の商品という印象です。
しかし、「純正品と同等の品質」と書かれていれば、品質の水準を比べている印象になります。
契約書、仕様書、見積書では、「同様の商品」より「同等品」のほうが責任のある表現になりやすいです。
ただし、「同等品」と書くなら、どの基準で同等なのかを確認することが重要です。
「同等の学力」と「同様の学力」の違い
「同等の学力」は自然ですが、「同様の学力」は少し不自然に感じられることがあります。
理由は、「学力」が水準を比べる言葉だからです。
学力は、知識の量、理解力、応用力、試験結果などである程度比べられます。
そのため、「高校卒業と同等の学力」という表現は、学力のレベルが高校卒業者と同じくらいであるという意味になります。
一方で、「同様の学力」と言うと、学力の様子や傾向が似ているという印象になります。
完全に間違いとは言い切れませんが、普通は「同等の学力」のほうが自然です。
たとえば、「AさんとBさんは同様の学力を持つ」よりも、「AさんとBさんは同等の学力を持つ」のほうが、二人の学力レベルが同じくらいだと伝わりやすくなります。
「同様の学習傾向」なら自然です。
これは、学力そのものの高さではなく、勉強の仕方や得意不得意の傾向が似ているという意味だからです。
つまり、学力の高さを比べるなら「同等」です。
学び方や傾向の似ていることを言うなら「同様」です。
このように、後ろに続く名詞を見ると判断しやすくなります。
「能力」「実力」「資格」「性能」「品質」などは「同等」と相性がよい言葉です。
「方法」「流れ」「傾向」「状態」「対応」などは「同様」と相性がよい言葉です。
ビジネスメールや契約書での使い分け
ビジネスメールでは、相手に誤解なく伝えることが大切です。
そのため、「同様」と「同等」は、なんとなくで選ばないほうが安全です。
たとえば、依頼メールなら「前回と同様の形式でご提出ください」が自然です。
これは、前回と同じような提出形式を求めているからです。
「前回と同等の形式」と書くと、形式のレベルを比べているように見えて、少し固く不自然になります。
一方で、商品やサービスの説明では「Aプランと同等のサポートを受けられます」が自然です。
これは、サポートの水準を比べているからです。
契約書や仕様書では、さらに注意が必要です。
「同様」と書くと、どこまで同じようであればよいのかがあいまいになる場合があります。
「同等」と書くと、性能や品質などの基準を満たす必要があるという印象になります。
そのため、契約や仕様に関わる文章では、「同等以上」「同等品」「同等の性能」などの表現が使われることがあります。
実際に、自治体の入札関連資料では、「同等品」を判断するために規格や品質などの資料提出を求める例があります。
仕事の文章では、「同じようにしてほしい」のか、「同じレベルを保証してほしい」のかを分けて考えましょう。
この違いを意識すると、メールも資料もかなり読みやすくなります。
似た言葉との違いと覚え方
「同じ」「同一」との違い
「同じ」は、日常でいちばん広く使える言葉です。
デジタル大辞泉では、「同じ」には「別のものではなく、そのものであるさま」や「二つ以上のものの内容・状態などに区別がないさま」という意味があります。
つまり、「同じ」はかなり広い言葉です。
「同じ学校」「同じ服」「同じ考え」「同じ結果」のように、日常のいろいろな場面で使えます。
ただし、文章を少し正確にしたいときは、「同様」「同等」「同一」を使い分けると便利です。
「同一」は、かなり強く「同じもの」を表します。
デジタル大辞泉では、「同一」は「同じであること」「一つのものであること」「差のないこと」と説明されています。
たとえば、「同一人物」と言えば、似ている人ではなく、その人本人という意味です。
「同一商品」と言えば、同じ種類の商品というより、同じ商品そのものを指す印象が強くなります。
「同様」は、同じようであることです。
「同等」は、同じくらいの水準であることです。
「同一」は、同じものそのものであることです。
この三つを分けると、かなり迷いにくくなります。
会話なら「同じ」で十分なことも多いですが、仕事の文章では言葉の細かい違いが大切になることがあります。
「類似」「相当」「対等」との違い
「類似」は、似ていることを表す言葉です。
「同様」よりも、似ている点に注目する印象があります。
たとえば、「類似の商品」は、見た目や機能、用途が似ている商品という意味です。
ただし、「類似」は「同じくらいの価値」という意味までは強く持ちません。
「相当」は、ある基準に当てはまることや、それに見合うことを表す言葉です。
精選版 日本国語大辞典では、「相当」には「見合う分」という意味が示されています。
たとえば、「経験者に相当する知識」と言えば、経験者と同じくらい見合う知識があるという意味になります。
ただし、「相当」は「かなり」という意味で使われることもあります。
「相当むずかしい」と言うと、「かなりむずかしい」という意味です。
「対等」は、上下や優劣がないことを表します。
精選版 日本国語大辞典では、「対等」は「互いに優劣、上下などの差がないこと」と説明されています。
たとえば、「対等な関係」と言えば、どちらかが上でどちらかが下という関係ではないという意味です。
「同等」は水準が同じくらいであることです。
「対等」は立場に上下がないことです。
人間関係や交渉では「対等」、性能や資格では「同等」と考えるとわかりやすいです。
英語では「similar」と「equivalent」で考える
英語で考えると、「同様」と「同等」の違いが少し見えやすくなります。
「同様」は、英語の「similar」に近い場面があります。
Cambridge Dictionaryでは、「similar」は「ほとんど同じだが、完全に同じではない」という意味で説明されています。
つまり、「似ている」「同じような」という感覚です。
たとえば、「similar method」は「同様の方法」、「similar case」は「同様の事例」と考えやすいです。
一方で、「同等」は、英語の「equivalent」に近い場面があります。
Cambridge Dictionaryでは、「equivalent」は「何かと等しい、または同じ効果を持つ」という意味で説明されています。
つまり、「同じくらいの価値や効果がある」という感覚です。
たとえば、「equivalent qualification」は「同等の資格」、「equivalent performance」は「同等の性能」と考えやすいです。
ただし、日本語と英語は完全に一対一で置き換えられるわけではありません。
文脈によっては、「同様」を「same way」と訳したほうが自然なこともあります。
「同等」を「equal」や「comparable」と表すほうが合うこともあります。
大切なのは、英単語を丸暗記することではありません。
「似ている話なのか」「同じ価値や効果の話なのか」を分けて考えることです。
この感覚を持っておくと、日本語でも英語でも言葉を選びやすくなります。
3秒で判断できる覚え方
最後に、迷ったときの覚え方をまとめます。
「ようす」が同じなら「同様」です。
「レベル」が同じなら「同等」です。
この二つだけで、かなり判断しやすくなります。
「同様」の「様」は、様子の「様」です。
だから、状態、方法、流れ、対応などが同じようなときに使うと覚えましょう。
「同等」の「等」は、等級の「等」です。
だから、程度、資格、性能、品質、価値などが同じくらいのときに使うと覚えましょう。
たとえば、「前と同じようにやる」と思ったら「同様」です。
「前と同じレベルを求める」と思ったら「同等」です。
「似た商品を探している」なら「同様の商品」です。
「同じくらいの品質の商品を求める」なら「同等品」です。
「やり方が近い」のか、「水準が近い」のかを考えれば、言葉選びはぐっと楽になります。
文章を書くときは、言葉の印象だけで選ばず、後ろに続く名詞を見て判断しましょう。
「方法」「流れ」「状態」なら「同様」が合いやすいです。
「性能」「資格」「品質」なら「同等」が合いやすいです。
このルールを覚えておけば、日常会話でも仕事の文章でも迷いにくくなります。
「同様」と「同等」の違いまとめ
「同様」と「同等」は、どちらも「同じ」に近い意味を持つ言葉です。
ただし、同じものとして見るポイントが違います。
「同様」は、様子、状態、方法、流れ、対応が同じようであることを表します。
「同等」は、価値、程度、等級、性能、資格、品質などの水準が同じくらいであることを表します。
迷ったときは、「ようすが同じなのか」「レベルが同じなのか」で考えましょう。
前回と同じように進めるなら「前回と同様」です。
A製品と同じくらいの性能なら「A製品と同等」です。
「同一」は、同じものそのものを指す強い表現です。
「類似」は似ていることに注目する言葉です。
「相当」は基準に見合うことを表し、「対等」は上下や優劣がない関係を表します。
言葉の違いを知っておくと、文章の意味がぼやけにくくなります。
特にビジネスメール、商品説明、契約書、仕様書では、小さな言葉の違いが大きな誤解につながることがあります。
「同様」は同じような形です。
「同等」は同じくらいの水準です。
このように覚えておけば、もう迷うことはかなり減るはずです。
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