日本語には、意味がよく似ていても、使う場面によって印象が少し変わる言葉があります。
「来襲」と「襲来」も、その代表的な言葉です。
どちらも何かが襲ってくるような意味を持つため、ぱっと見ただけでは同じように感じます。
しかし、「敵の来襲」と「台風の襲来」では、なんとなく自然に見える言葉が違います。
この違いを知らないまま使うと、意味は通じても、文章の雰囲気が少しずれてしまうことがあります。
この記事では、「来襲」と「襲来」の意味、使い分け、例文、関連語との違いを、中学生でもわかるように整理します。
読み終わるころには、どちらを使えば自然なのかを自分で判断できるようになります。
「来襲」と「襲来」の違いを先に結論で理解する
「来襲」と「襲来」はほぼ同じ意味
「来襲」と「襲来」は、どちらも何かがこちらへやって来て、襲いかかるような意味を持つ言葉です。
辞書では、「来襲」の説明の中に「襲来」があり、「襲来」の説明の中にも「来襲」が出てきます。
つまり、この二つはまったく別の意味を持つ言葉ではありません。
かなり近い意味を持つため、文によっては入れ替えても大きな違和感がないこともあります。
たとえば、「敵機が来襲する」と「敵機が襲来する」は、どちらも敵の飛行機が攻めて来る様子を表せます。
ただし、同じように使えるからといって、いつも同じ印象になるわけではありません。
「来襲」は、こちらへ向かって攻めて来る感じが前に出ます。
「襲来」は、激しい勢いや迫力をもって襲いかかる感じが前に出ます。
この小さな差を知っておくと、文章の雰囲気をかなり自然に整えられます。
一番の違いはニュアンスにある
二つの言葉を分ける大事なポイントは、意味そのものよりもニュアンスです。
「来襲」は「来る」と「襲う」が組み合わさった言葉です。
そのため、こちらに向かってやって来る方向や動きが感じられます。
敵、軍隊、敵機、海賊、怪物などが、ある場所へ攻めて来る場面と相性が良い言葉です。
一方で、「襲来」は「襲う」と「来る」が組み合わさった言葉です。
こちらは、勢いよく襲いかかって来る迫力が強く感じられます。
台風、寒波、津波、虫の大群、強い眠気など、受ける側にとって避けにくいものが迫って来る場面でも使いやすい言葉です。
ただし、「来襲」は災害に使えない、「襲来」は敵に使えない、というわけではありません。
実際に「来襲」の辞書説明には「台風が来襲する」という例があり、「襲来」の辞書説明には「敵機が襲来する」という例があります。
大切なのは、どちらが正しいかだけでなく、どちらを使うと読者に伝わる印象が自然かです。
「来襲」は攻めてくる感じが強い
「来襲」は、襲ってくることや攻めてくることを表す言葉です。
この説明からわかるように、「来襲」は相手がこちらへ向かって攻めて来る感じを表しやすい言葉です。
たとえば、「敵の来襲に備える」と書くと、敵がこちらへ攻めて来る可能性に備えている様子が伝わります。
「敵機来襲」と書くと、敵の飛行機がこちらへ近づいて来た緊急感が出ます。
この言葉は、短くて引き締まった印象を出したいときにも便利です。
ニュース風の文章、歴史を扱う文章、戦闘シーンのある小説などでは、重く緊迫した雰囲気を作れます。
一方で、ふだんの会話で「友達が来襲した」と言うと、かなり大げさに聞こえます。
もちろん、冗談として「親戚の子どもたちが来襲した」のように使うことはできます。
ただし、その場合は本当に襲われたという意味ではなく、にぎやかで大変だったという比喩になります。
「襲来」は激しい勢いで迫る感じが強い
「襲来」は、激しい勢いで襲いかかってくることを表す言葉です。
この説明から考えると、「襲来」は勢い、怖さ、圧力、迫力を伝えたいときに向いています。
たとえば、「大型台風が襲来する」と書くと、強い雨や風が一気に迫って来るような印象になります。
「寒波が襲来する」と書くと、急に厳しい寒さがやって来て、人々の生活に影響しそうな感じが出ます。
「眠気が襲来する」と書くと、眠気が静かに来たというより、急に我慢できないほど強くなった感じが出ます。
このように、「襲来」は軍事だけでなく、自然現象や体の感覚にも使いやすい言葉です。
ただし、やわらかい出来事や楽しい出来事にはあまり向きません。
「春が襲来する」と書くと、春が悪者のように聞こえてしまいます。
春やチャンスのように、待ち望んでいたものが来る場合は「到来」の方が自然です。
迷ったときのかんたんな判断基準
迷ったときは、「何が強く伝わると自然か」で選ぶと失敗しにくくなります。
こちらへ攻めて来る動きや方向を伝えたいなら「来襲」が向いています。
激しい勢いや迫って来る怖さを伝えたいなら「襲来」が向いています。
敵、敵機、軍隊、海賊などには「来襲」がなじみやすいです。
台風、寒波、虫の大群、強烈な眠気などには「襲来」がなじみやすいです。
ただし、どちらか一方しか使えない場面ばかりではありません。
「台風が来襲する」も辞書の例にある表現です。
「敵機が襲来する」も辞書の例にある表現です。
つまり、正解を一つに決めるよりも、文章全体の雰囲気に合う方を選ぶことが大切です。
短くまとめるなら、「来襲」は攻めて来る感じ、「襲来」は勢いよく襲って来る感じです。
辞書の意味から見る「来襲」と「襲来」
「来襲」の正しい意味
「来襲」は「らいしゅう」と読みます。
デジタル大辞泉では、「来襲」は襲ってくること、攻めてくることとして説明されています。
この意味から、「来襲」は相手がこちらへ向かって来る場面で使う言葉だとわかります。
ただ来るだけではなく、相手に危害を加えたり、混乱させたりするような感じが含まれます。
たとえば、「観光客が来襲する」と書くと、観光客がただ来たという意味ではなく、一気に押し寄せて対応が大変になるような印象になります。
「敵が来襲する」と書けば、敵が攻撃するためにやって来ることが伝わります。
このように、「来襲」は来る動きと攻撃的な意味が重なった言葉です。
ふつうの訪問には使いません。
「友人が家に来襲した」と書くと、友人が敵のようにやって来た印象になります。
冗談や文章表現としては使えますが、改まった文章では「訪ねて来た」「来訪した」の方が自然です。
「襲来」の正しい意味
「襲来」は「しゅうらい」と読みます。
デジタル大辞泉では、「襲来」は激しい勢いで襲いかかってくることとして説明されています。
この意味の中心には、ただ近づいて来るだけでなく、受ける側に強い影響を与える感じがあります。
「台風の襲来」と書くと、台風が近づくだけでなく、雨や風によって被害や不安が生まれる印象になります。
「虫の大群が襲来する」と書くと、数の多さや勢いに圧倒される感じが出ます。
「眠気の襲来」と書くと、急に強い眠気におそわれる感じが出ます。
「襲来」は、敵や軍隊にも使えます。
辞書の例にも「敵機が襲来する」があります。
そのため、「襲来」は自然現象だけの言葉ではありません。
激しさや迫力を伝えたいときに使いやすい言葉です。
どちらにも共通する「襲ってくる」という意味
「来襲」と「襲来」に共通しているのは、「襲ってくる」という意味です。
ここで大事なのは、どちらの言葉にも少し怖い印象や、受ける側にとって困った印象があることです。
「来る」という意味だけなら、「到来」「来訪」「接近」などの言葉があります。
しかし、「来襲」や「襲来」には、単なる到着以上の強さがあります。
人や物事がやって来るだけでなく、相手に負担、被害、不安、混乱を与えるような感じが入ります。
そのため、良い知らせやうれしい出来事には基本的に向きません。
「給料日の来襲」と書くと、給料日が恐ろしいもののように聞こえます。
「幸運の襲来」と書くと、わざと大げさにした表現にはなりますが、普通の文章では少し不自然です。
読者に自然に伝えたいなら、うれしい出来事には「到来」や「訪れ」を使う方が安心です。
「襲来」には古い意味もある
「襲来」には、現在よく使われる「激しい勢いで襲いかかってくること」以外の意味もあります。
デジタル大辞泉では、「襲来」の二つ目の意味として、古くから受け継ぐことも示されています。
ただし、この意味は現代の日常文ではあまり使われません。
多くの場合、「襲来」といえば、何かが激しい勢いで迫って来る意味で受け取られます。
たとえば、「古くから襲来した伝統」と書くと、現代の読者には意味がすぐに伝わりにくいでしょう。
その場合は、「受け継がれてきた伝統」と書いた方がわかりやすくなります。
言葉には、辞書に載っている意味と、今の文章で自然に読まれる意味があります。
読者に伝わりやすい文章を書くなら、古い意味を無理に使う必要はありません。
特別な文献や古い文章を読むときだけ、「襲来」には受け継ぐという意味もあると知っておけば十分です。
辞書だけではわかりにくい使い分け
辞書を読むと、「来襲」と「襲来」はお互いを説明に含むほど近い言葉だとわかります。
しかし、辞書の意味だけでは、実際の文章でどちらを選べばよいかまでは少しわかりにくいです。
理由は、二つの言葉が同じ場面で使えることもあるからです。
たとえば、敵機については「来襲」も「襲来」も使えます。
台風についても、「来襲」が辞書の例にあります。
そのため、「これは絶対に来襲」「これは絶対に襲来」と機械的に分けるのはおすすめしません。
読者に何を感じてほしいかで選ぶ方が自然です。
攻めて来る動きを強めたいなら「来襲」です。
勢いよく襲って来る迫力を強めたいなら「襲来」です。
辞書で意味を確認し、最後は文章の空気に合う方を選ぶのが一番わかりやすい考え方です。
場面別にわかる自然な使い方
敵や軍隊には「来襲」が使いやすい
敵や軍隊が攻めて来る場面では、「来襲」がとても使いやすい言葉です。
「来襲」には、攻めてくることという意味があります。
そのため、敵がこちらへ向かって進んで来る場面とよく合います。
たとえば、「敵の来襲に備えて城を守る」と書くと、敵が攻めて来る前に防備を固めている様子が伝わります。
「海賊の来襲を受けた村」と書くと、海賊が外からやって来て村を襲った感じが出ます。
「来襲」は、守る側から見た言葉としても使いやすいです。
こちらに向かって危険が近づいて来る感じがあるため、緊張感を出せます。
また、「敵機来襲」のように短い形でも使いやすいのが特徴です。
短い言葉で危機を伝えたい場面では、かなり便利です。
文章を引き締めたいときには、「敵が攻めて来た」と書くより「敵が来襲した」と書く方が硬く重い印象になります。
台風・寒波・虫には「襲来」が使いやすい
台風、寒波、虫の大群などが迫って来る場面では、「襲来」が使いやすいです。
「襲来」には、激しい勢いで襲いかかってくるという意味があります。
自然現象や大量の生き物は、人間の側から見ると止めにくく、勢いをもって押し寄せるものとして感じられます。
そのため、「大型台風が襲来する」「最強寒波が襲来する」「バッタの大群が襲来する」のような表現は自然に読めます。
「来襲」も台風に使える言葉です。
ただし、読者に迫力や怖さを伝えたい場合は、「襲来」の方がしっくりくることが多いです。
たとえば、「寒波が来襲する」よりも「寒波が襲来する」の方が、急に厳しい寒さが押し寄せる感じを出しやすくなります。
虫の場合も同じです。
「虫が来襲する」と書くと、虫がこちらへやって来る感じが出ます。
「虫が襲来する」と書くと、たくさんの虫が一気に押し寄せるような迫力が出ます。
「敵機来襲」と「蒙古襲来」の違い
「敵機来襲」と「蒙古襲来」は、言葉の使い分けを考えるうえでわかりやすい例です。
「敵機来襲」は、敵の飛行機が攻めて来る緊急感を短く伝える表現です。
「来襲」には攻めてくることという意味があるため、「敵機来襲」は意味として自然です。
一方で、「蒙古襲来」は歴史に関係する表現として広く知られています。
国立公文書館デジタルアーカイブには「蒙古襲来絵詞」という資料名が登録されています。
国立国会図書館サーチにも「蒙古襲来合戦絵巻」という資料が掲載されています。
この場合の「襲来」は、外から大きな勢いで攻め寄せて来る印象とよく合います。
ただし、「蒙古来襲」と書けば絶対に意味が通じないわけではありません。
しかし、歴史用語として定着している表現に合わせるなら、「蒙古襲来」の方が自然です。
言葉選びでは、意味だけでなく、すでに定着している言い方も大切です。
日常会話で使うと少しかたい理由
「来襲」も「襲来」も、日常会話では少しかたい言葉です。
どちらにも、襲う、攻める、激しい勢いで迫るといった強い意味があります。
そのため、ふつうの出来事に使うと大げさに聞こえやすくなります。
「友達が家に来た」と言えば自然です。
しかし、「友達が家に来襲した」と言うと、友達が敵のように聞こえます。
「親戚が襲来した」と言うと、親戚が大勢来て大変だったという冗談のように聞こえます。
このように、日常会話で使う場合は、少しユーモアを含ませる表現になりやすいです。
まじめな文章では、相手や出来事が本当に危険だったり、かなり大きな影響を与えたりする場合に使うと自然です。
軽い訪問には「来る」「訪れる」「訪問する」を使う方がよいでしょう。
急にたくさん来た感じを出したいなら、「押し寄せる」も使いやすい言葉です。
文章で迫力を出したいときの選び方
文章で迫力を出したいときは、「来襲」と「襲来」のどちらを選ぶかで印象が変わります。
「来襲」は、外からこちらへ攻め込んで来る構図をはっきりさせたいときに向いています。
たとえば、城、基地、村、宇宙船など、守る場所がある場面では「来襲」がよく合います。
「敵の来襲を知らせる鐘が鳴った」と書くと、守る側の緊張感が出ます。
「襲来」は、強い力が一気に迫って来る感じを出したいときに向いています。
たとえば、嵐、寒波、群れ、巨大な敵、強烈な眠気などには「襲来」が合います。
「黒い雲とともに嵐が襲来した」と書くと、空気が一変する迫力が出ます。
どちらも硬い言葉なので、使いすぎると文章が重くなります。
一つの文章の中で何度も出すより、ここぞという場面で使う方が効果的です。
読者に緊張感を与えたいなら「来襲」、圧倒される感じを与えたいなら「襲来」と覚えると便利です。
例文で確認する「来襲」と「襲来」の使い分け
「来襲」を使った例文
「来襲」は、敵や危険なものがこちらへ向かって攻めて来る場面で使いやすい言葉です。
例文を見ると、使いどころがかなりわかりやすくなります。
「敵の来襲に備えて、村人たちは門を固く閉ざした。」
この文では、敵が外から攻めて来ることへの備えが伝わります。
「見張り台の兵士が、敵機来襲を知らせる鐘を鳴らした。」
この文では、敵の飛行機が近づいて来た緊急感が出ています。
「海賊の来襲によって、港町は大きな被害を受けた。」
この文では、海賊が外からやって来て町を襲ったことが伝わります。
「巨大な怪物の来襲に、人々は逃げ場を失った。」
この文では、怪物がこちらへ向かって来る恐怖が表れています。
「突然の来襲に、守備隊は対応が遅れた。」
この文では、予想していなかった攻撃を受けた感じが出ています。
「来襲」は、攻撃する側の動きよりも、攻められる側から見た危機を伝えやすい言葉です。
「襲来」を使った例文
「襲来」は、勢いよく迫って来るものや、受ける側に強い影響を与えるものに使いやすい言葉です。
例文を見ながら、迫力の出方を確認してみましょう。
「大型台風の襲来に備えて、窓に養生テープを貼った。」
この文では、台風が強い勢いで近づいて来る不安が伝わります。
「真冬並みの寒波が襲来し、朝の道路は凍りついた。」
この文では、急に厳しい寒さが押し寄せた感じが出ています。
「夕方になると、猛烈な眠気が襲来した。」
この文では、眠気がただ来たのではなく、我慢しにくいほど強くなった印象があります。
「畑に虫の大群が襲来し、葉が次々に食べられてしまった。」
この文では、虫の数の多さと勢いが伝わります。
「映画の後半で、巨大な敵が街に襲来する。」
この文では、敵の迫力やスケールの大きさが出ています。
「襲来」は、読者に強い勢いを感じさせたいときに便利です。
入れ替えても意味が通じる例文
「来襲」と「襲来」は近い意味なので、入れ替えても意味が大きく変わらない場合があります。
たとえば、「敵機が来襲した」と「敵機が襲来した」は、どちらも自然に読めます。
辞書でも、「来襲」の例には「敵機来襲」があり、「襲来」の例には「敵機が襲来する」があります。
ただし、印象は少し違います。
「敵機が来襲した」は、敵機がこちらへ攻めて来たことをすっきり伝える表現です。
「敵機が襲来した」は、敵機が激しい勢いで迫って来た感じが強くなります。
台風でも同じです。
「台風が来襲した」は、台風がやって来て被害をもたらした感じになります。
「台風が襲来した」は、台風の勢いがより強く感じられます。
意味が通じるかどうかだけを考えれば、どちらでもよい場面はあります。
しかし、文章の印象まで考えると、選び方には差が出ます。
入れ替えると少し不自然な例文
意味が近いとはいえ、入れ替えると少し不自然になる場面もあります。
たとえば、「好機が襲来した」は不自然に見えやすい表現です。
好機はうれしい機会なので、襲いかかるような言葉とは相性がよくありません。
この場合は、「好機が到来した」の方が自然です。
「到来」には、時機や機運が来ることという意味があります。
また、「友人が襲来した」も、普通の訪問を表すには大げさです。
冗談として使うなら問題ありませんが、真面目な文章では「友人が訪ねて来た」の方が自然です。
「春が来襲した」も、普通の文章ではかなり不自然です。
春は基本的に歓迎される季節なので、攻撃や被害を思わせる言葉とは合いにくいです。
ただし、花粉症に悩む人の文章で「花粉の季節が襲来した」と書くなら自然です。
この場合は、春そのものではなく、つらい花粉が勢いよくやって来る感じを表しているからです。
ニュース・小説・ブログでの使い方
ニュース風の文章では、事実を落ち着いて伝える必要があります。
そのため、災害や戦闘などを扱うときでも、言葉の強さに注意が必要です。
「来襲」や「襲来」は強い表現なので、軽い出来事には使わない方が無難です。
小説では、場面の迫力を出すためにとても役立ちます。
「敵の来襲を告げる太鼓が鳴った」と書けば、戦いの直前の緊張感が出ます。
「黒い雲が空を覆い、嵐が襲来した」と書けば、自然の怖さが強く伝わります。
ブログでは、読者にわかりやすくすることが大切です。
「週末に親戚が襲来しました」と書けば、少し笑える大げさな表現になります。
ただし、かたい解説記事では、冗談か本気かが伝わるように前後の文章を整える必要があります。
文章のジャンルによって、同じ言葉でも受け取られ方は変わります。
読者が自然に読めるかを考えて選ぶことが、いちばん大切です。
もう迷わない覚え方と関連語との違い
「来る」を強く見るなら来襲
「来襲」を覚えるときは、最初の漢字である「来」に注目するとわかりやすくなります。
「来」は、こちらへ来る動きを表します。
「来襲」は、襲う相手がこちらへ向かって来る感じを持つ言葉です。
敵が遠くから近づいて来る場面や、危険がこちら側に迫る場面では「来襲」が合います。
たとえば、「敵の来襲に備える」という文では、敵がまだ遠くにいるかもしれません。
それでも、こちらへ向かって来ることが予想されるため、防ごうとしている様子が伝わります。
「来襲」は、攻める側の存在が外から近づいて来る場面に向いています。
そのため、守る側の視点で書くと自然になりやすいです。
文章を書くときは、「こちらへ攻めて来る感じを出したいか」と考えてみてください。
その答えがはいなら、「来襲」を選ぶとしっくりきます。
「襲う勢い」を強く見るなら襲来
「襲来」を覚えるときは、最初の漢字である「襲」に注目するとわかりやすくなります。
「襲」は、相手におそいかかる意味を持つ漢字です。
「襲来」は、勢いよく襲って来る感じを表しやすい言葉です。
台風、寒波、虫の大群、眠気など、押し寄せる強さを伝えたいときに向いています。
たとえば、「猛烈な眠気が襲来した」と書くと、眠気がかなり強いことが伝わります。
「強い寒波が襲来した」と書くと、寒さが一気に生活へ入り込んで来る感じが出ます。
「襲来」は、相手が人間でなくても使いやすい言葉です。
自然現象や体の感覚にも使えるため、表現の幅が広いです。
文章を書くときは、「勢いよく迫って来る感じを出したいか」と考えてみてください。
その答えがはいなら、「襲来」を選ぶと自然になりやすいです。
「到来」との違い
「到来」は、時機や機運が来ることを表す言葉です。
「来襲」や「襲来」と違い、基本的には襲う意味を含みません。
そのため、良いことや待っていたことが来る場面では「到来」が自然です。
「春の到来」と書けば、春がやって来たことを落ち着いて表せます。
「チャンスの到来」と書けば、よい機会が来たことを表せます。
一方で、「春の襲来」と書くと、春が攻撃してきたように聞こえます。
「チャンスの来襲」と書くと、チャンスが敵のように迫って来た感じになってしまいます。
もちろん、あえておもしろくする表現として使うことはあります。
しかし、わかりやすく自然な文章を目指すなら、良い出来事には「到来」を使うのが基本です。
「来襲」と「襲来」は、危険や負担を感じるものに使うと覚えておくと、言葉選びで迷いにくくなります。
「侵攻」「奇襲」との違い
「侵攻」は、他国や他の領地に攻め込むことを表す言葉です。
「来襲」よりも、軍事的で具体的な攻め込みの意味が強くなります。
「敵国に侵攻する」と書けば、領土や国境を越えて攻め込む感じがはっきり出ます。
一方で、「敵が来襲する」は、こちらへ攻めて来ることを受ける側から表している印象があります。
「奇襲」は、相手の油断や不意をついて、思いがけない方法で襲うことを表します。
「奇襲」では、不意打ちであることが大事です。
「夜明け前に奇襲する」と書けば、相手が予想していない時間に攻撃する感じが出ます。
「来襲」や「襲来」は、必ずしも不意打ちとは限りません。
台風のように予報でわかっていても、「襲来」と表現できます。
言葉の中心をまとめると、「侵攻」は攻め込むこと、「奇襲」は不意をつくこと、「来襲」は攻めて来ること、「襲来」は激しい勢いで迫ることです。
最後に確認したい使い分け表
「来襲」と「襲来」で迷ったときは、下の表で確認すると選びやすくなります。
| 迷う場面 | 合いやすい言葉 | 伝わる印象 |
|---|---|---|
| 敵が攻めて来る | 来襲 | 外からこちらへ攻める感じ |
| 敵機が近づく | 来襲または襲来 | どちらも自然 |
| 台風が近づく | 襲来 | 勢いと怖さが強い感じ |
| 寒波が来る | 襲来 | 厳しい寒さが押し寄せる感じ |
| 虫の大群が来る | 襲来 | 大量に迫る感じ |
| 好機が来る | 到来 | よい機会が訪れる感じ |
| 他国へ攻め込む | 侵攻 | 領地へ攻め入る感じ |
| 不意をついて攻める | 奇襲 | 予想外に攻撃する感じ |
この表は、絶対のルールではありません。
辞書でも「来襲」と「襲来」はお互いに近い言葉として扱われています。
しかし、読者に自然に伝えるなら、言葉の中心にあるイメージを意識した方が読みやすくなります。
攻めて来る方向を伝えたいなら「来襲」です。
激しい勢いを伝えたいなら「襲来」です。
良い出来事が来るなら「到来」です。
相手の領地へ攻め込むなら「侵攻」です。
不意打ちなら「奇襲」です。
ここまで押さえておけば、ほとんどの文章で迷わず選べます。
「来襲」と「襲来」の違いまとめ
「来襲」と「襲来」は、どちらも何かがこちらへ来て襲いかかるような意味を持つ、かなり近い言葉です。
辞書でも、「来襲」は襲ってくることや攻めてくること、「襲来」は激しい勢いで襲いかかってくることとして説明されています。
大きな違いは、意味そのものよりも印象にあります。
「来襲」は、敵や危険なものがこちらへ攻めて来る感じを出したいときに向いています。
「襲来」は、強い勢いや迫力をもって襲いかかる感じを出したいときに向いています。
敵機にはどちらも使えます。
台風や寒波、虫の大群などには「襲来」がなじみやすいです。
敵や軍隊がこちらへ攻めて来る場面では「来襲」が使いやすいです。
ただし、「台風が来襲する」という表現も辞書にあるため、自然現象に「来襲」を使ってはいけないわけではありません。
最後は、読者にどんな印象を持ってほしいかで選ぶことが大切です。
攻めて来るなら「来襲」です。
勢いよく迫るなら「襲来」です。
うれしい出来事が来るなら「到来」です。
この三つを分けて覚えるだけでも、文章はかなり自然になります。
